徒然駄文
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2004年06月06日(日) トロイ その2

 うーむ、昨日からトロイの事ばかり考えている。なぜあんなちょこざいな映画になってしまったのか!もったいない!(結局はやっぱりとっても面白かったって事なんですよね(^^;)。面白かった、と言うより、かっこよかった、と言うべきか)

 私が考える問題点。その1。木馬が拙い。
 史実(かどうかはしらんが、ともかく、木馬がなければトロイ滅亡はない)なので、木馬を引き入れた事によってトロイが滅亡する事自体は変えようがない。しかし、あの流れで「木馬」を持ってくるのは非常に拙いのではないか。
 勝利のためには木馬が必要だった、と言う、必然性が感じられない。素晴らしい計画だ!と言うよりもちょこざいだよ、あんたら、と言うイメージの方が強くなってしまう。どうしてもあの城壁は破れない。木馬以外に手がない、と言う逼迫した雰囲気が欲しかった。あの描きようじゃ、オデッセウスの思いつきがまあ大当たりぃドンドン!って感じじゃないですか。

 その2.アキレスが拙い。
 アキレスのキャラクターはとても面白かった。王に忠誠を誓うのではなく、戦う事だけに己のすべてを託している、後世に名を残す事を何よりも望んでいる、あくまでも自分のために戦う男、と言う設定が面白かった。なのに、なんだか親族が殺された事で逆上はするは、いきなり敵方の女に惚れて木馬に紛れてまで追っかけするわ。いや、惚れるのは良いです。良いんですが、エピソードの扱いが良くない。なんや、君は意外と軟弱だったのだな、と言う印象を私は持ってしまった。いとこが殺された事による逆上にしても同じ。逆上するのは良いが、その程度の人間であそこまで名が売れるような(いわゆるカリスマ、ですなあ)剣士になれるのか?と言う疑問がつい脳裏に浮かぶ。殺すか殺されるか、の世界です。逆上していては生き延びられないと思うのだが。いや、それが彼の弱点の一つであった、と言うのなら話は別だが、特にそう言う雰囲気の描かれ方でもなかった。

 その3。プリアモス王、アホすぎ。
 いや、アホなのは良いんだけど。そうして一つの王国が滅んでいくわけだから。でも、単身敵地に乗り込んで息子の遺体を望む、その凄い行為のすぐあとで、あのアホな行動ですかい。ついていけませんでした、と言うか、同じ過ちを二度繰り返すのではない、王様。…まあ、これはどうでも良いか。

 結局、何が描きたかった映画なのか。息子&ダンナに言わすと「戦闘シーン!」だそうで、それならまあ、それはそれで良いのだけれど、それだけではなんだかとてももったいないような気がする。描き方によってはもっと凄い映画になったんじゃないか、と思うのになぁ。脚本が拙いと思う。イーリアスを全く離れて(神様出てこないしアガメムノンもその弟王も死んじゃうし〜)人間ドラマとしてのトロイを描きたかったんだろう、と思うにつけ、ああっもったいない!!!と。(^^;)

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