オトナの恋愛考
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先週末の土曜日に3週間ぶりにひろに逢えた。 今回は彼の健康を改善するための講座に誘うことが名目だったけど。
この提案をメールで伝えた時に 私の気持ちが十分に伝わらなかったズレを感じて少し後悔をした。 彼のレスポンスが微妙に変化した事に気が付いて 誠心誠意に正直に私の気持ちをメールにしたためた。
会場の最寄のメトロの出口で待ち合わせの約束をして 顔を見るまでは初めて緊張したけれど 振り向いた時に笑顔で歩いてきたひろの顔を見た途端、 それは杞憂だったと確認できた。
始まる前までは少し時間があったので 私たちは近くの安くて美味しいチャイニーズレストランでランチタイム。
私が知っている店だったので連れていったけど ひろはとても気に入ってくれた。
それから腹ごなしに閑散とした週末のオフィス街を散歩した。 ただ歩きながら話をしただけだけど 気持ちの僅かなズレや、会わなかった3週間の時間の距離は あっという間に縮まった。
取り留めのない他愛もない会話でも2人でいるととても楽しい。
「ねえ、ひろは本当はすごくノンビリ屋さんだよね。」 「ん?たぶんそう。電車の時間に遅れそうになっても ま、いっか(笑)って走らないで歩くかな。」 「ひろって面白いね。」 「そうかな。」 「うん、面白い男が好き。」 「つまんない男だよ。」 「つまんない男になりたいの?」
そんな意味のない会話を交わしていると 今日、一緒に参加する予定だった横浜の知り合いの男の子に 声をかけられた。
「うさぎさん!」 「あ、きたきた。久しぶりだね。」 「ええ、すぐにわかりましたよ。相変わらずスタイルいいですもん。」
私より一回りの年下の彼に褒められても微妙なんだけど 彼のことはひろには話してあった。
「僕のこと知ってるの?」 「ううん、大切なお客様とだけ言ってあるよ。」 「大切な?(笑)」 「そう(笑)大切なって。」
横浜の男の子が私に会いたいためにこの日の講座に来た事は知っている。 終了した後の説明でも私の話を聞いているのか聞いていないのか なんだか遠まわしに褒め殺そうとしていたけれど私はお子様には興味なし(笑)。
まあそんな事はスルーして 私は夕方から用事があると言って彼を帰した。
「良かったの?」 「うん、用事は済んだし良かったの。」 「あのさ、後ろから彼来たよね?僕達が親しい事ばれたかもね。」 「そうかな。手も繋いで歩いていたわけでもないし普通にしてたでしょ。」 「でも、かなりくっついて歩いていたからさ(笑)」
私は普通にビル街の歩道を彼と並んで歩いていたつもりだったけど 思い出してみたら時々手が触れていた。
完全に私とひろはパーソナルスペース内で 並んで歩いていた事を理解した。
男女間の親しさは本人達は気が付かないところで ちゃんと他人にはわかってしまう。
私の日常生活のビジネスエリアに初めてひろを誘ったけれど 私の仕事関係者と話す彼は、いつも私には言わない相談をちゃんとして それに対してひろと同い年の主催者の男性がとても親切にアドバイスしてくれて この日、彼を誘ってよかったなあと心から思った。
何かとりとめのない内容だけれども 要するになんかすごく嬉しい一日だった。
ありがとね、ひろ。素直に私の話を聞いてくれて。 私の思いはただ一つ。 あなたが健康を維持できて、いつも元気で活躍しれくれたら それで良い。あなたの人生の目標が何であるかはまだ訊いていないけど そんな事はどうでもいい。
私と一緒にいるときのあなたの笑顔があればそれで良い。
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