オトナの恋愛考
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2010年05月29日(土) |
ミッドナイト・コール |
今大阪です。
>愛なんて言葉を鵜呑みにするほどコドモでもないし >割り切った恋ができるほどオトナでもない私はどうなんでしょう。
僕なら、愛という言葉を信じます。 それが嘘でも信じたい。 こんな僕をどう思いますか?
こんなやり取りを私たちはブログ上で交わす。
彼がこのコメントを残した直前に初めて深夜の電話があった。 たまには声を聞きたいからと言う私のお願いの通りに。
ワンコしてくれたらこちらから電話すると 家人のいる家の中から移動時間を考慮しなければいけない環境なのに 彼からのコールは鳴り続けた。
自分の仕事部屋の窓際で電話に出た。 大阪のどこかの居酒屋のような喧騒が彼の声の後ろで聞こえた。
「ワンコで良いって言ったのに。」 「あ、そっか。じゃあ後で又電話して良い?」 「うん、ホテルに戻ってからしてね。」
それから1時間後ピッタリに今度は駐車場の車の中で 彼の電話を受け取った。
「今戻ったところだよ。」 「お風呂はもう入ったの?」 「ううん、まだ。うさちゃんに逢いたいよ。」 「私だって逢いたい。」 「いますぐこっちへ来て。」
大阪と私の住む場所は400kmの隔たりがある。
「うさちゃんに逢いたいよ。」 「もう私だって今すぐそこに行きたいよ。」 「うさちゃんをポケットに携帯して連れていきたいよ。」
かなりお酒の入ったひろは酔った勢いでワガママを言う。
「私の写真を見たって2人の?それとも私だけの?」
ちょっと話をそらした。
「ん?うさちゃんのセミヌードと下着の写真。 あれすごく良いと思うよ。」
酔っ払いの声で甘えるひろが私の問いで 時々素面に戻るのがおかしかった。
「今度、朝まで一緒にいたいなあ。」 「うん、僕もゆっくりうさちゃんと眠りたい。」 「今度一泊でこっちに来れる事ある?」 「そうだね。出張だと言って今度予定を立てるよ。」 「無理しないでね。仕事とご家族が最優先で 時間に余裕があればで良いからね。」 そんな会話の途中で 私がちょっと現実的なことを言うと 途端に
「うさちゃんに逢いたいよ〜。」と繰り返す。
30分ほどで休まなくちゃいけないひろの事を思って 「もう寝ようね。ちゃんとお風呂に入ってベッドに入ってね。」 「うん、わかった。うさちゃんのブログを見てから寝るよ。 おやすみのキスして。」
酔ったふりしているのかいないのか(笑)泥酔ではないようだ。 私は携帯電話に唇を押し当てて 「チュッ」と音をたてた。
「あはは。ありがとう。おやすみ、うさちゃん。」 「おやすみ、ひろ・・・。」
愛してる。と言う言葉は飲みこんだ。
せつない想いで部屋に戻ってお風呂に入って布団に入った。
次の朝、起きてすぐにPCの前に行きサイトのブログを開くと 私の記事のコメント欄にひろの言葉が残っていた。
私たちはまだ一度も「愛」なんて語り合った事はない。
でもね、 私だって嘘でも良いから「愛」を信じたいよ、ひろ。
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