◇日記◇
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がるしあ・まるけす 『百年の孤独』を読み終えた。
面白かった。とにかく面白かった。
でも、何が面白かったのか、よくわからない。
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簡単に言ってしまえば、ある一族がある町を築き、栄えそして滅亡する、
という100年にわたる孤独なその一族の長い物語を、淡々と語っていく
という小説である。
あまりに淡々としているので、なにがこの小説の中核をなすのか
どの人物なのか、どの出来事なのか、わからなくなるくらいである。
でも、惹きつけられる。
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たぶん、ひとつの町が始まって終わることに、
そしてある一族が始まって終わりを迎えることに、
なにかもっと大きなものの誕生と死、
例えば、ひとつの惑星の誕生から死や、種としての人間の誕生から死、
を重ね合わせて読んでいるからのような気がする。
テーマは、物事の繰り返しのなかに、現れる。
なにかの織物を織り上げては、糸をほどき、また織り上げてはほどく、
そんな印象で、テーマが語られる。
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あまりに多くの隠喩があるので、すべてを理解することは不可能に思えるが、
同時に、それらの多くの隠喩のなかに、読者の誰もが自分自身を発見するのではないか
と思われる。
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稚拙な感想。
すべての動物のなかで、人間だけが、愛、という概念によって行動を規定することが
できる。それは、動物として人間を見た場合、異形のものであることを意味する。
つまり、愛のために、人は苦しみ、あるいは喜び、そして死ぬことすらできる。
それは、奇異なことである。
愛が、終わりと死を内包する所以か。
例えば、ぶっしゅが、いらく戦争を始めるにあたって、愛はいらなかった。
しかし、戦争を続けているのは、愛所以であり、…そこに内包されるのは…
ということか。
ブンガクというのは所詮おもちゃだ、という作者の言葉が痛い。
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