壁紙:しろくろねこの家さん

もうひとつの浪漫

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2002年03月06日(水) 下弦の月



漆黒の闇に
痩せた月が昇る

荒々しくも温かい抱擁
僕は・・・こんなにも 愛されている

不意に掴む虚空
抱(いだ)かれながら 心の片隅に 君を想ひ
誓ったはずの愛を僕はどこかで裏切っているのか

真夜中に昇る下弦の月
消えてしまった君を捜し求めて流離う
どこか 悲しげで 
どこか 淋しげで

からだはあなたに抱かれ
湿った瞳は月を追い
僕の心は明るくなるまで彷徨い続ける
君を探して





深く沈んだ葡萄色(えびいろ)の瞳
零れ落つる真珠
新雪の頬 亜麻色の髪を濡らす

想っても 想っても 
そなたの心から 消せぬ恋心よ
解っている 
心を占めるものが何であるかを

痩せた月よ  
愛しいそなたを
慈しみ愛でる私を 泣かさないでくれ

自らに
向けられてはいない雫
それでも 愛しさに溢れ 
いつかは と 待つ 我が心を
どうか 嘲笑ってくれ給え

下弦の月が西に沈む昼
やっと 
私に静寂が訪れる



あーにゃ |

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