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■ JAZZ喫茶
いつも歩いている道に 「JAZZ」 と言う字が目に入り 女はいつか行こうと思い続けていた
それが今日 何かきっかけをつかんだようで 一人女は階段を上がり 少し緊張しながらそのドアに手をかけた
中はガラッとしていて マスターが一人… 左手には大きなTV 流れているのは 「七人の侍」 もちろんJAZZ喫茶なのだから 映像だけで音は無いのだ
マスターは女が入ってくるやいなやJAZZ CDをかけ始めた 生演奏でないことに少し残念と女は思いつつ…
客はその女一人 「おかしいですか?女一人は」 と、女が聞くと 「いいえ、うちは一人でいらっしゃる方が多いんですよ」 そう聞くと女は少しほっとした。
メニューに、 好きなジントニックを発見してホッとした 女はそれをマスターにお願いして 何気ない話をし始める… マスターの好きなメジャーリーグの話 ここの土地の話 河の話 この店を始めてもう30年になること…
マスターには喘息という持病があり 修学旅行で東京に一度行ったが、 空港を降りてすぐに苦しくなり 東京では暮らせないと、実感したという。
『ここ』が自分の在るべき土地なのだと。 何も無いけどねぇ なんて 笑いながら女に話をした
女は東京生まれ 「ワタシは『ここ』に住みたい位、好きですよ それこそ、ワタシも修学旅行で来て以来なのですけどね」
二人で何気ない話で盛り上がり 静かな静かなマスターの声 流れるJAZZの心地よさ 幸せなヒトトキ
それも長くは続かず、 常連の客が数人入ってきた マスターも忙しくなってきて 話を進めることも出来ないので ちょっと中途半端だったかな・・・? 女は思いながら 店を後にした
アルコールの入った身体は 少し足元もおぼつかない。 みっともないなと思いながら 家路に…
近くにJAZZを聴ける店を見つけたことが 大きな喜びにつながった 女は夜空を見上げて 思うのだった。
2002年09月06日(金)
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