書くだけよ
相模麻琴



 ピアノと川と

僕は歩く
いつものものは耳に当てずに
買ったばかりの靴が
大きくて
ガバガバ音を立てる

空を見上げ
川を見渡し

僕は歩く

ピアノの音がたどたどしくもあれど
僕も昔弾いたことの有る曲
自然と鼻歌がこぼれる

周りの音は嫌いなんだ

だけど今日はこの音のおかげで
気分が良い

たまには何も持たずに外に出るのもよいものだと
今日はなにやら
得をしたような気分

川を覗き込むと魚の腹が光ったのが見えた

気づけば僕は少し立ち止まって
音を聞いていた

==================相模麻琴




2002年09月22日(日)
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