書くだけよ
相模麻琴



 突発的に

電話をしてしまった
直通電話
「現在使われておりません」
そんな…
ショックだったけれど
まだ道はあった。

スイス大使館
彼はそこに勤めているから
英語でも何でもいい
彼と接することが出来れば
まだ勤めているか不安ではあったけれど
勇気をもって
自分の為に携帯のボタンを押した

日本語で出た男性の声
「あの、お尋ねしたいのですが○○さんは勤めていらっしゃいますか?」
「はい、僕ですが?」
夢のようだった

とても会いたくて、話しがしたくてたまらなかった彼と
今こうやって電話を介して昔話をしている
しかももう10数年も昔に会ったきりなのに
彼は僕を覚えていてくれた
嬉しかった

僕の尊敬する画家
彼には僕よりも年下のガールフレンドがいるんだって
なんだか少しだけショックだったけれど
それもありなんだなぁ
もう父親と変わらない年なのに
相変わらず変わり者の彼

毎月祇園に行っているという
ペルシャ猫のサファはまだ健在だという
白い家は引越し今は渋谷に住んでいるという
母の名前も出てきた
懐かしい父親の事を尋ねてみたりした
もう連絡は取ってないという
JAZZもクラッシックもバイオリンもピアノも
何故僕と同じものがすきなんだろう・・・

会いたい
電話で話しをしたらますますそんな気持ちが強くなった
渋谷に今度行こう…
電話をまたかけて
彼と生で話しをしたい・・・

そう思う日だった

=============相模麻琴 10.29 火曜

2002年10月29日(火)
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