岸部・・・?
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驚くべきかどうか迷っている。
って、それはおかしい。驚くときというのは、迷う余地もなく驚くべきであるところ、それを迷うとはどういう了見かと問い質したいが、とにかくそういうことだ。
ことの経緯は以下の通り。
その1
こないだ車のラジオから竹内まりあの「シンクロニシティ」って歌が流れてきて、「シンクロニシティってなん?」って心の中で軽く呟きつつも無視して帰宅。そんなこと忘れて家に着いて中島らもの本を読んでいたら「シンクロニシティ」って言葉が出てきて「おや?」と。なんかさっき聞いたような単語やなと。しかもその本ではそのことがけっこうテーマになってて、意味は「偶然の一致」。で、ラジオのことを思い出して、おお、って。しかも意味が偶然の一致かよと。
その2
東京にいる友達が酔いつつも久々の電話をかけてきて、槙原のりゆきの「とおくとおく」ってやつを聞いておれのことを思い出したとだけ言ってすぐに電話を切った。何の電話やこの野郎、そしてどんな曲やそれ、などと思いながら読んでいた本の続きを読もうとした時に、何気なしに流していたラジオのとある番組が始まった。その番組は、番組に呼ばれたゲストがお気に入りのアーティストの曲から数曲選んでかける、というもの。その日のゲストは波多陽区。ちっ、と舌を鳴らしつつも聞いていると、「今日は槙原のりゆきさんの曲を選びたいと思います」って言った。
「おや?」これはもしや…、あるか?と期待。期待すると同時に、おれが知らん槙原のりゆきの曲とかめちゃくちゃあるけんねえって期待せんようにもした。ところが、かかった。三曲かけるうちの二曲目にかかった。「どんなときも」は、なかった。聞いてみて、あーこの曲かと。
びっくりした。冒頭で驚くべきか迷うなどと言っておきながら、実は驚いた。直後の直後、まじの直後やったもんで。昔、テレビでフィギアスケートを見ていたら実況が「次はループです」と言うので、テレビに向かって「それなん?」って独り言を放ったら即座に「ループというのは輪を描くように飛ぶジャンプのことです」と絶妙なタイミングで回答してくれた時もびっくりしたが、今回もびっくりした。
というわけで、一応は驚いてはみた。しかも、この偶然たちの一発目が「シンクロニシティ」ってところがまた妙な感じがする。
とここまで書いてみると、そうでもないのか?って自信がなくなってくる。これだ。これが怖かったんだ。「そうでもないのかもしれない」とどこかで感じていたがために、「驚くべきかどうか迷う」ということになったわけだ。情報が氾濫する現代ではそう珍しいことではないのか?などという気になってくる。いやそんなことはないはずだ。これらはまぎれもないシンクロニシティに違いない。
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