岸部・・・?
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近所の風呂屋に行った。スーパー銭湯。スーパー歌舞伎に似たこのスーパー銭湯という情緒のかけらもない呼称はどうにかならんのか。もしや、スパと銭湯をかけての愚行か?
とにかく行った。脱衣所で絵に描いたような死にかけの爺さんが一人服を脱いでいた。ひのき風呂に身を沈め、ふと目を上げると、真正面にある薄暗い風呂に浸かっているさっきの死にかけの爺さんがいた。いたどころか、一心にこっちを見ている。というか、おそらくどの角度から見てもこっちを見ていると感じるであろう目をしている。目の奥が深い。
とにかく目が合ったと感じた。その奥の深さはまるで宇宙。目が合っていると認識した瞬間からそのブラックホールに吸い込まれそうになって、危ないっ!て、すかさず目をそらした。
あの爺、ただものじゃないなと思っていたら、次に爺を見かけたときは、思いっきり肛門&玉袋を見せ付けてきやがった。
やはりただものじゃない。死にかけのはずなのに、やたらと見た目のインパクトが力強い。その後、別々に過ごすも、風呂上りの脱衣所でまた一緒に。これが漫画なら、「ジジイ、何者だ」とでも言う場面。実際、何なんだよう。
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