空虚。
しずく。



 白壁・血痕。

いつからだろう。

笑って受け流すようになったのは。

今更起源をたどったところで、

そのクセがなおるわけもないけど。


腕の中にある、柔らかな物体。

いつだって笑ってる、私の好きなぬいぐるみ。

メスを突き立てたって、やっぱり笑ってる。

『私みたいだね。』

柄にもなく、思った。

本当はすごく痛いはずなのにね。


このこ、は腕の中から離れていかないから。

喋らないから、裏切らないから、何も言わないから。

「だったら、あの人も死体にしてしまえばいいのに。」

頭を抑えて、身体を丸めて。


生首、すごく愛しい。

口付けて、笑って、愛撫して。

それにとても身体が疼いて。

気持ちよくて?


振り払うために、頭を掻き毟って、

閉じた瞳から、涙が落ちた。


飛び込んで来た虫を潰したら、手が汚れるから。

ティッシュをかぶせて、辞書を落とした。

緑色の液と嫌なにおいと、手触りと、残骸と。


洗面器に水を張って、

お風呂場にいた虫を放り込んで、

溺死する様を見てた。


ナイフを、突きたてた事もある。

刃が汚れたから、それ以来してないけど。


襖にメスを突き立ててたら、また、涙が出て来た。

もう嫌だ。もう嫌なのに・・・。


抱きしめた君を、血濡れにしてみたい、と。

身体にナイフを突き立てる、その感触を味わいたい、と。


そうしなければ、愛せないなら。


誰か、私を殺してくれ。

2002年08月23日(金)
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