空虚。
しずく。



 守れない誓い。

また荒んだ夜になった。

カッターに手を伸ばしたのも、久しぶりだった。

そんな必要もなかったのに、

それ以外の方法もちゃんと思いついているのに。

欲望に、負けた。

「一本だけ」

滲み出した血を指にとって、塗りつけた。

爪の間に染み込んだ血も、吸い上げる。


見たくない、聞きたくない、汚い。

刺激されたその声も、うるさいとしか感じない。


想像もしなかった、嫌悪感。

(・・・そんな声で喘ぐ前に、死ねよ。)


ああ、したいしたいしたい!

頭に手をやって、髪をひきちぎる。

簡単に抜ける。

目まいもやまない。


胸に手をやって、鼓動を確かめる。

規則的に感じる振動。取り出したい。

首に手をやる。ピクピク動いている。

絞めた。

当たり前だが、呼吸が苦しくなる。

キィン、と変な音が聞こえてくる。

頭に血がのぼる。意識が朦朧とする。

そのまま、しばらく絞め続ける。

ああ、ひどく滑稽。そう思って、笑う。

(・・・吐き戻す)

手を離した。咳き込んだ。


首も、悪くない。

2002年09月26日(木)
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