空虚。
しずく。



 零夜。

熱を持たぬ冷たい指先が、首に、絡み付く。

うつろに見上げた瞳に映るのは、天井だけ。

自分のものなのに、そうじゃない手が、

ゆっくりと私を締め上げていく。

「あ・・・、」

眉根を寄せ、かすれた喘ぎを漏らす。

『イイ声』

誰かがそんな風に、笑う。


不安になる夜ほど、誰かが欲しい。

だけど、それと同じくらいに、遠ざけたい。

ろくな言葉を吐けないとわかっているから。


意識だけを切り離して、流れるピアノにそれを乗せる。

自由を手に入れた身体は、私を絞め、遊ぶ。


手錠を"かけられた"腕は、冷たいまま―――、

2002年10月27日(日)
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