空虚。
しずく。



 嫉妬。

君には解からない。

それが、どれほどの罪なのか。

私の身体で、あの人の身体で。

口付けを交わし、愛し合うことが。

どれほどの、罪なのか。


「愛してる」

といえば。

「大好きだよ」

とかえってくる。


身体を抱きしめれば、

背中に回された腕に力がこもる。


口付けを交わせば、舌を絡める。

そして、彼の方からも。


・・・ああ、こんな醜い感情が自分の中にあるなんて。

自分の嫉妬心が、二人の人間を傷付けている。


「何故そんなことが出来る」

「好きな・・・人が、いるのに何故!」

そう叫ぶ、彼に。

「嫉妬」

ただ簡潔に、それのみを告げる。

「そんなことで!?」

そんなこと。

そうですか、

私の一番大切なものは、"そんなこと"、ですか。

・・・君は解からないからそんなことがいえるんだ。

気持ちが通じ合っているから、愛し合っているから。

そんな君に、私の気持ちが解かるのか!?

はっ、わかるわけないね。

だったら黙ってそこで見てろよ。

私が彼を抱くのをさ!


・・・本当は解かってる。

彼の言うとおり意味なんかない。

ただ、私は嫉妬という醜い感情に突き動かされ。

君を抱いて、彼を傷付ける。


・・・だけど君は幸せだよ。

私がどんなに抱いたって、彼は君の名前以外は呼ばない。


きっと君はこれも解からないよね。

喘ぎ混じりに呼ばれる名前がどれほど嬉しい事か。

求められるというのが、どれほど幸せな事か。


解かってくれなんていわない。

私のことも理解してくれなくていい。

私が犯しているのは「罪」以外のなにものでもないから。


だから憎んだままでいい。

相容れることなど、なくていい。


それだけを・・・知っておいて欲しかった。

2002年12月11日(水)
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