空虚。
しずく。



 理由なき…

私が何をしたって言うんだろう。

ただ、死に触れたかっただけなのに。


どんなに笑顔でいても、

瞳だけはイラついたままだった。

昔なら、きっと、すべて隠せたはずなのに。


設定間違いの単純ミスをして、

苦笑いをしながら仕事をしていた。

ぼそぼそと、「いつもの言葉」を呟きながら。


見たいものがない。

解消する手立てが無い。

モニターの中で起こる、

現実感のない、

殺人、と、死体と、血液。

には、もう飽きてきた。


この手に触れたい。

感覚を味わいたい。

スキップをしながら壁を殴った。

トイレの壁も、何度も殴った。

赤く腫れた手の甲に歯をたて、跡を残した。

噛み千切ってみたかったのかもしれない。

でも、出来なかった。


何なら、解消できるのだろう。

写真を見る?映像を見る?

壁を殴る?首を絞める?自分を切る?

誰かを傷つける?…殺す?


善悪の観念が薄れていく。

これは、選民意識なのだろうか。

「これだけヒトがいるなら、
 
 一人ぐらい殺しても何の影響もない。」

そう、虫を殺すのと同じで。

ただ少し、思考をして綺麗事を吐くだけの生き物じゃないか。


「わかっている」はずなのに、

どうしてこれほどまで、「誰か」を殺したいんだろう?…

2003年06月15日(日)
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