空虚。
しずく。



 臆病者。

本当は、すべてが恐ろしくてたまらない。
だからこそ、死体にひかれているのかも知れない。

…気付かないまま、殺せればいいのに。
「あの時」のように、すべて吹き飛ばしてしまえればいいのに。
望んでも望んでも、得られないし、
それはひどく馬鹿らしい事だと、わかっている。
それなのに。

夜がこんなに暗いだなんて知らなかった。
身体の中に闇が入り込んでくるような、
そんな馬鹿な想いに囚われてしまうほど、怖い。

我ながら、何をやっているのだと自嘲してしまう。
自分の存在が傷つけられて、消されてしまう。
そんな事ありえないのに、それが怖くてたまらないから。
消される前に、殺してしまいたいと思う。

不快なものが多すぎるよ。
存在すら認めたくない。気持ち悪い。

怖い、くせに精一杯の虚勢をはって、
何も感じないフリで乗り越えようとするのは、
もう嫌だ。

…そんなわけないじゃないか。
愚かでも、馬鹿でも、囚われすぎでも、
なんとでも言えばいい。

あなたの前で、私は泣けない。

2005年08月02日(火)
初日 最新 INDEX MAIL HOME


My追加