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■ 臆病者。
本当は、すべてが恐ろしくてたまらない。 だからこそ、死体にひかれているのかも知れない。
…気付かないまま、殺せればいいのに。 「あの時」のように、すべて吹き飛ばしてしまえればいいのに。 望んでも望んでも、得られないし、 それはひどく馬鹿らしい事だと、わかっている。 それなのに。
夜がこんなに暗いだなんて知らなかった。 身体の中に闇が入り込んでくるような、 そんな馬鹿な想いに囚われてしまうほど、怖い。
我ながら、何をやっているのだと自嘲してしまう。 自分の存在が傷つけられて、消されてしまう。 そんな事ありえないのに、それが怖くてたまらないから。 消される前に、殺してしまいたいと思う。
不快なものが多すぎるよ。 存在すら認めたくない。気持ち悪い。
怖い、くせに精一杯の虚勢をはって、 何も感じないフリで乗り越えようとするのは、 もう嫌だ。
…そんなわけないじゃないか。 愚かでも、馬鹿でも、囚われすぎでも、 なんとでも言えばいい。
あなたの前で、私は泣けない。
2005年08月02日(火)
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