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■ 悲愴。
頭がずっと、熱を持っている。 考える事を、放棄してしまいたくなる。 掠れた自分の声が嫌いで、口を閉ざしてみる。 一人になりたくて、瞳を閉じてみる。
おと、だけが鳴っている。 少しだけ耳障りに、心地良く。
ちりちりと、煙草が焦げる音がする。 煙をめいっぱい吸いこんで、吐き出す。 肺の奥まで、満たされていく。
遠くから、虫の声がする。 静かな音は、キーボードを叩く音に侵され、不協和音に変わる。
何も形容出来ない。 力が抜けて、立てない。
今、私は泣きたいのだ。そう思う。
ただ、思うだけ。
また、あの冷めた顔をして。
思うだけ。
こんなに、生きたいのに。 どうしてずっと、死にたがるのだろう。
何故、謝らなければいけないのだろう。 何故、許されなければならないのだろう。 何故、忘れなければいけないのだろう。 何故、責められなければならないのだろう。
辛い時、苦しい時、どうしていただろうか。 泣くのを堪えていただろうか。涙をこぼしていただろうか。 腕を切っていただろうか。酒を飲んでいただろうか。 誰かにすがっていただろうか。誰かに触れていただろうか。
それを繰り返せば、痛みがわかるのだろうか。
何も痛くないはずなのに、とても、気持ち悪い。 それ、を考える事が出来ない。うわべだけを、なぞる。
このまま眠ってしまえば、夢を見るだろうか。 また、現実のような夢を。何度も、何度も。繰り返して。
…疲れて、いる?
漠然と、漠然と。何もかも形を為さぬまま。
"ピアノ・ソナタ 第8番 《悲愴》〜第2楽章"
2005年09月16日(金)
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