◆◇ お気楽観劇日記◇◆
公演やビデオなどを・・・見たまま、聞いたままを
つらつらと書き綴ったまたまた気楽なコーナーです。

2004年02月14日(土)  安寿ミラ主演 『ハムレット』

なんで『ハムレット』を見に行ったかって?
それはタテさまが出るから・・・。

シェークスピア作品といえば、言葉が難しくて、理解に苦しむ・・・
そういう知識しかなかった・・・。
「噛み砕いてやってくれるかなぁ。」

そんな期待はもろくも崩れ去った。

ストーリーは誰もが知ってる『ハムレット』
ただ、ハムレットはもちろん、安寿ミラで、
ハムレットの友人ホレイショーに旺なつき。
ハムレットの父王を殺し、王座についた弟と
再婚するハムレットの母ガートルードに天宮良、
ハムレットと恋に落ち、ハムレットを取り巻く策略に巻き込まれ
自ら命を絶つオフィーリアに植本潤・・・。
そう、女がオトコを男がオンナを演ずる・・・という見た目にも奇妙なものだった。

物語の導入はハムレットの父であり、弟に暗殺された前王の亡霊が屋敷を彷徨う・・・
・・・・・・というものだった。その亡霊役がタテさま。
いつものように重い風のような動きで踊る。

安寿ミラのハムレットは違和感なく、もちろんカッコもいい。
まるで宝塚の現役時代・・・そのまま・・・という感じで・・・錯覚起こしっぱなし・・・。
旺なつきもとてもすばらしくて、ほとんど釘付けだった。
ウマイウマイウマイウマすぎ・・・。

ガートルードの天宮良と植木潤は・・・やはりどこかおかしくて・・・。
でも不思議なことに見ているうちに別にそんなことどうでもよくなってしまった。

一幕はいわゆる物語の始まり部分・・・。
全体的に動きがゆっくりで・・・というのも常に舞台に出ている人以外の人は・・・
全て亡霊という役で、弟王とガートルードが舞台に出てセリフを話していれば、
例え安寿ミラでも壁から現れる亡霊の役となり、白いマントを頭からかぶり、
奇妙な動きに、奇妙なうめき声というか、奇声を発し、また壁に戻って・・・
常に彷徨い歩いている・・・という感じだった。

1幕はひたすら眠くて「やっぱりシェークスピアは難しすぎるわ。」と思った。

ところが2幕・・・話が転がる転がる・・・。
ハムレットを亡き者にしようとする弟王。
父の敵と知り、復讐を考えあぐねるハムレットとホレイショー。
いろいろな陰謀とすれ違いと策略が入り乱れ、食い入るように見ていた。

ストーリーにほとんどズレはなく、原作どおりだと思うけど
たった9人しかいない役者たちで、さまざまな人々を演じ、
あれよあれよという間に話は進んでいった。

オフィーリアが死んでしまった時、彼女の兄が嘆き悲しむ。
ふと見ると彼はボロボロ泣いていた。汗かと思ったら、大粒の涙がこぼれていた。

彼・・・河内大和・・・彼を初めて見たのは『モンテクリスト伯』だった。
どちらかというとヤバイ系の面立ちをしているから、
そんな彼が本気で泣いているのを見て正直・・・驚いた。

弟王に騙されハムレットを敵と信じ込んで、
復讐を謀り、短剣の試合をするオフィーリアの兄。

弟王の作戦のヒトツであった毒入りの杯を飲んだのはハムレットの母。
そしてたったかすり傷でも死んでしまうよう切先に毒を塗った短剣に
傷ついてしまうハムレット、そして弾みで自分も傷ついてしまうオフィーリアの兄。
そして全てが弟王の陰謀だった・・・とオフィーリアの兄に打ち明けられ、
毒に蝕まれていく体を引きずり、弟王を刺すハムレット。
・・・・・・みんな死んでしまう・・・そんな中、命絶え絶えのハムレットがホレイショーに
「生きて、真実を語ってくれ。」と告げ・・・息絶える。

その時ホレイショー旺なつきの目からも涙が落ちた。

全て復讐劇が終わり、静けさが戻った・・・。
そこへタテさまが静々と登場し、哀しげに踊り、立ち去った。

・・・しばらく静けさが残ったあと、拍手喝采だった。

出演者が順番に登場し、歌う。
そこへ安寿ミラとタテさまが登場。
この2人が踊ったダンスはすばらしかった。

カーテンコールは・・・・・・6回くらいだったか・・・。

1幕は本当にツラかったけど2幕はとてもおもしろかった。
安寿ミラのファンはシアワセだと思った。
違和感なく、まるで男役のような舞台も見れるというのはなんともうらやましい。

とても自然体でハムレットを演じる安寿ミラ。
ダンスもあいかわらずステキで・・・なんだかうれしかった。

それから旺なつき・・・。うますぎるよ・・・ホント。

見に行って・・・よかった。ホント、よかった。

またこんな作品が見たい・・・そう思った。


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春吉

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