2004年03月19日(金) |
宙組ドラマシティ 『BOXMAN』 |
「すしおさんがええキャラやで・・・だから、1回だけじゃ、もったいないで。」 ・・・そう誘われて東京の悪友Tといそいそと初日公演へ向かった。
正塚先生の作品らしいセットと音楽で、ワクワクする。
ストーリーは・・・金庫メーカーの営業担当のケビン(和央)とドリー(花總)が ピンチに陥り、共に乗り越え、気がついたら、かけがえのない人となっていた・・・という 「は、またか・・・」と思わせるような筋だったけど、これが正塚マジックにかかるとおもしろく、 オシャレで、気がついたら見入ってしまう・・・というものだった。
とにかく花ちゃんがかわいい。めちゃめちゃ新鮮で、かわいい。 王妃やら、姫やら、曰くつきの伯爵令嬢だったり・・・で手が届きそうにない人の役ばかり 続いていたから、等身大の身近な・・・まるで“隣のドリーちゃん”と思えてしまうような女性は とても新鮮でイキイキとしていた。
ウマイのなんのって・・・今までも充分思っていたけど、 今回は「いやー、全く・・・うますぎですわ。」という感じ。
途中、自分の置かれた立場が身動き取れなくて・・・というシーンで しゃがみこんで「もうっ!!!」って言いながら、握りこぶしで自分の膝を叩く・・・ というのがあったけど、ボロボロ泣いていて、本当に「かわいそうやな。」と思ってしまった。
諍いばかりでうまくいかない母親に初めて自分の心境を語り、 心が通じた瞬間に見せる涙も・・・胸に痛かった。
本当にまるでそこにいるかのように・・・本当に“ドリー”という人、どこかにいるかもしれない・・・と思わせる人物像だった。
そして和央さん・・・。 まあ、かっこいいですわ。 十八番の“髪をかきあげる”しぐさも4回ほどやってました。 (ファンはこの瞬間、たまらなくぞくっとするらしい/ファン談) スーツがよく似合い、さわやかな青年だった。 全てに滅入って落ち込んでいるドリーにかけるさりげない言葉が優しい。 「はー、カッコいいな。」と思った。
それからすしおさーん。 おかしいですわ。ほんま、おかしすぎる。 いわゆる“ヤなヤツ”の役なんだけど、おかしすぎておかしすぎて。 なのに時折見せるダンスシーンではカッコよくてカッコよくて・・・。 スーツで踊り、ソフト帽からチラッと見せる誘惑的な笑み・・・。 ひゃーひゃー言いっぱなしでした。 でもやっぱり、今回はおかしすぎるディケンズ氏でしょう。 やらしすぎず、普通すぎず・・・でも「なんじゃ?コイツ」と思わせてくれる役。
ドラマや映画で出てきそうな“ヤなやつ”“鼻につくヤツ”を嫌味なく演じていた。 拍手もめちゃめちゃ多かった。
あとは、美郷さんがいい。オヤジをやらせると天下一品。 なくてはならない存在。
それと十輝クン・・・。にくめないボケた役を演じていた。 心がほっこりと和む役だった。
まぁ、初見なのでこんなもんかなぁ。
とにかくさわやかに・・・心地よく見れる作品だった。
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