凪の日々
■引きこもり専業主婦の子育て愚痴日記■
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「おかあさんが子供の頃好きだった本ってなに?」とアイが聞いてきた。 はて。子供の頃好きだった本。
小学校入学そこらの頃は、「かたあしだちょうのエルフ」が好きだった。 あと、好きというか、畏れていたのは「もちもちの木」 思い出して共通点は絵が怖い事だなぁとぼんやり。 好きだった本。他には思い出せなかった。
小学生になった頃は、学校という所には図書室があるのだ、というのが嬉しくて、図書室の棚にある本をかたっぱしから読んでいた。 好きだった棚は日本の昔話&世界の昔話、日本の怖い話&世界の怖い話。 伝記も端から順に読んでいった。 高学年になるとアガサクリスティとかルパンにポアロにホームズにといった探偵物を読みまくった。 自然の不思議や地球のなぜなぜ、みたいな科学の本も好んで読んだ。
だけど、好きだった本、と聞かれると、出てこない。 多分、当時好きだった本はあるはずなんだけど、とうに忘れてしまったようで。 もちろん、星の王子さまも小学生の頃読んで、とても好きだったけど。 谷川俊太郎訳のマザーグース全集も大好きでまるまる暗記していたっけ。 でも「おかあさまがわたしをころした おとうさまがわたしをたべてる」みたいな詩ばかり覚えていて人には話せなかった。 あぁ誰だったっけ。12歳で投身自殺した男の子の詩集。 「ぼくは12歳」だったかな。あれも好きだった。
振り返ると、どうも生と死が描かれている話しか残っていないような。 何故そんな本ばかり好んで読んでいたんだろう。 そんな事、我が子に話せるはずもなく。
本を読むのが面白いから、じゃなくて、本を読む作業が好きだったのかもしれない。 現実から逃避する手段が子供の頃はそれしかなかったのかもしれない。
「なんだったかなぁ。忘れちゃった。もちもちの木は好きだったよ。花咲き山も」と答える。
アイが好きなのは、なんとかという妖精のシリーズだそうな。 幼稚園の頃は怪傑ゾロリ、小学校低学年では宝石を集めるデルトラクエストとかいうシリーズだったな。 昨年は学校の怪談シリーズにはまっていたけれど。 楽しそうな本、というか、夢見がちな本というか、そういう内容の本が好きな我が子に、軽く安堵。
好きな本にたくさん出会えると良いね。
ぢごくの夏休み突入。 海へ山へ、レジャー三昧…と言いたいところだけれど、元々インドア派というか、率先して出かけるタイプではないし、どんくさいのでほとほと弱り果てる季節。
世の夫婦はレジャーの目的を決めて、それに見合った場所を探して、手配して、奥さんがお弁当作って旦那さんが運転して、なんて、役割分担してやるんだろうけれど。 うちはすべて私が企画、実行しなきゃいけないのでもう疲れることこの上ない。 運転苦手だし、インドア派だしどんくさいし。
それでもだからといって子ども達をどこにも連れて行かないわけもいかないので。
頑張って都市高速運転してレジャープールまで連れて行きましたとも。 ジャンクション分からなくて勘で走ってなんとか合ってた。 夫に「どっち方面か分かる?!」と運転しながら聞いたら「ETCはそっちだろ」とか訳わからない事言って誤魔化すし。 彼はわかることしか言わない。わからない事を「分からない」とは言わない。 聞かれて質問の答えが分からない時は似たような事を答えて誤魔化す。 「つまりどっちか分からないって事ね!」と吐き捨てて己の勘に頼るしかなく。
やっぱりナビ買おうかな… でもナビ活用するほど知らない道走りたくないし。
朝一番に入場して、夕方遅くまでたっぷり遊ばせました。 夫は「道が混むから早く帰ろう」とうだうだ言ってたけど。 自分は運転しないのに、渋滞に巻き込まれるのキライなのよね。 私はゆっくり走っていいからかえって渋滞の方が気分的に助かるんだけど。
でも子ども達もだいぶ大きくなって手がかからなくなってきたので、もう夫なしで、子どもと三人で出かけても平気なのよね。 プールも、アイはガンガン泳げるし。 「だっておとうさん平泳ぎしか泳げないじゃない!おぼれたらどうするの?!」と親を心配するくらいだし。(←いいのかそれで…)
これからは平日三人で旅行なんてのもアリかもね。 ちょっと目先を変えて、色々考えてみよう。
とりあえず、今日は近所のプール、明日はちょっと離れた図書館に電車で連れていくとしよう。
地域自治会主催の七夕会があった。 子ども会役員は早朝から公民館でせっせとみやげの団子作り。 婦人会だか敬老会だかのご夫人方の指示の元、ひたすら団子を丸めて茹でてを繰り返し。
「いいなー私もお手伝いに行きたい」とアイはうらやましがったが、そんな生易しいもんじゃないって。
団子作りが終わると会場へ子ども達の世話に。 子ども会に入会していない子どもも当然いるので人数倍、さらに倍って感じ。
思い思いに短冊に願いを書いたり、飾りを作ったりしたのを笹につけてやる。 「もっと上がいい〜!」と訴えられても私の身長じゃ無理。
最後、自治会長さんがお話。 「今日皆さん願い事を書いたけど、願い事は書くだけじゃかなわないよ。その願い事がかなうように努力しなければいけません」 ううむ。まったくもってその通りだなぁ。 願い事言えば良いってもんじゃないよね。 願い事はようは決意表明というか、目標設定で、それに近づけるように努力しないと、お願いしたから後はよろしくね、じゃ都合よすぎるよね。 他力本願にも程がある。 世の中そんな甘い話はないって事だ。
七夕会が終わってから帰宅するやいなや、ダッシュで子ども達を習い事へ連れて行く。 時間がアイの時間とアユムの時間が一時間毎の一時間置きなので、結局三時間そこに居なきゃいけない。
帰宅すると夕方。夕飯の用意をする頃はヘトヘト。
この間、夫は何をしていたかというと、朝は寝ていた。 七夕会への集合時間はちゃんと目立つ場所にプリントを置いて、タイマーもセットして、「この時間だから、このアラームがなったら集合場所にアユムと行ってね」とアイに説明していたにもかかわらず、同じ集合住宅のママさんが「今朝アイちゃんが集合時間何時ですかって聞きに来たよ」と教えてくれた。 夫は何をしていたのか。
パソコンショップに連れて行って欲しい、というので、習い事の帰りになら、と話したら、教室があるショッピングモールまで一緒に車に乗ってきて、そのまま本屋で立ち読み。 ついでに買い物を…と思い、「夕飯何にする?」と聞くと「簡単なのでいいよ」で終わる。 帰りにパソコンショップに連れて行ったら帰宅後パソコンにかかりきり。
朝から一日中動きっぱなしのこちらのフォローをする気まったくなしのいつもどおりの自分の世界篭もりっきり男。
それでも七夕なので、「子ども達の飾りつけ手伝ってやって」と言っておいた。
夜、ベランダに出しておいた笹に結び付けてあった短冊には夫の字で「おかあさんがいつもにこにこ元気でいますように」と書いてあった。
昼間の七夕会での言葉を思い出し、そう思うんだったらあんたが少しは努力をしろよ、と余計むかついた。 まったく、どこまで他力本願なんだろうこの男。 世界は自分の為に動いているので自分は動く必要ないと思い込んでいるよな。
いや、勿論悪いのは私だ。 アユムをほっといて一人昼寝してしまった私の怠惰さのせいだ。
でもでも、その日はアイの小学校の参観で、梅雨の中休みだかの晴天というか猛暑で、炎天下の校庭で汗をダラダラ流しながら、暑さと紫外線と戦いつつ、校庭で群れて騒いで暴れまくる小学生達の参観という名の監視役をやって猛烈に疲れていたのだ。
参観と言っても通常の参観日ではなくて、保護者の皆様でご協力できる方がいらっしゃれば是非、という自由意志の参観で、いつものごとく無視しようと思っていたら、アイが「おかあさん来て」ときかなくて。
通常の参観も苦痛なのに、なんで自由参観に好き好んでいかなきゃいけないんだ…と渋りつつも、アイの気持ちを考えたら(どういう気持ちかわからないけれど)仕方なく重い足を運んだわけで。
そして前記のごとく、暑さとジリジリ焦げ付くような紫外線と戦いつつ子ども達の監視をし、何人かの保護者の人と当たり障りの無い話をしつつなんとかやりすごし。 幸い二人程、懇談会で顔なじみの人がいたのでかなり助かったけれど、何が嫌かってこの当たり障りの無い世間話を無難にこなす、というのが一番の苦痛なのだ。 でもその世間話をする相手を見つけるのもかなり辛く、かといって周囲が楽しそうに話しているのに一人ぽつんといるのも思いっきり辛い。 結局何をどうしようと協調性のない私にとっては参観は辛い修行の時間なのだ。 でも修行だから耐えなきゃね、と訳の分からない事を己に言い聞かせつつ、なんとか終えて自宅に帰りついた時はもうアユムのお迎えの時間。 力尽きてヘロヘロになりながら、なんとかアユムを連れ帰り、着替えとおやつをすませると、「ごめん、アイが帰ってくるまでちょっとお昼寝させて」と爆睡してしまった。
「ただいまー」というアユムの声で飛び起きた私。 ただいまって。あんたどこに行ってたというの!!! 聞くと、退屈だったので、キックボードに乗って一人で近所の公園まで行ったそうだ。 誰も居なかったので帰ってきたけれど、●ちゃんのお母さんにあったから、一緒にオハナシしてきた、との事。 !!!!昼下がりの公園って小学生が帰ってくるまでの間はエアポケットのように人がいないのに!! 居るのはそれこそベンチでタバコすって寝そべっているおじさんくらいなのに!!! そんなところに五歳児が一人で!!!!しかも道路も渡って!!!!キックボードで!!!!
五歳児とはいえ、アユムは体格がいいので小学生にしか見られない。 だって身長すでに115cm。体重20kg。アイが小2の時のサイズだ。 なのに中身は五歳児だから、いくらでもかどわかせるってもので。 しかもその公園、ナイフを持った不審者が出たとかいう情報を今日小学校で聞いてきたばかりだったのに!!!
もう腰が抜ける思いでした。
いや、私が悪いんですけどね。 昼寝してる間に子どもが行方不明にでもなったらとんでもない馬鹿親です。はい。 でも今日はもう心底身も心も小学校で疲れ果ててしまっていたんでどうしようもなかったんです。 言い訳ですねはい。すみません。
とりあえず、アユムには「お友達(全員小1)は宿題すませてからしか遊べないから、四時前に公園に行っても誰もいないの。公園に行く時はピンポンしてお友達呼んでから、お友達と一緒にでないと行っちゃダメ。一人で行くと知らない人に遠いところに連れて行かれてお家に帰って来れなくなるからね!」と言い聞かせました。
それと、アユムが帰ってきてからは、何があっても寝てはいけない、と自分に言い聞かせました。はい。 それが基本っていうか、常識なんだよね。猛省。嘆息。
幼稚園で他のママさんから聞いた話。
アユムがお世話になっている幼稚園の体育指導の先生は、子供の評価が真っ二つに分かれるこわもてタイプ。 モロ体育会系だから仕方ないと思うけれど、大きな声に大きな体格、大きな動きに小さな年少の子ども達はなまはげに脅されたかのごとく怯えて泣きまくる。
そのママさんの子どもは基本的には能天気で明るい子なのだそうだけれど、何かの理由で先生に叱られたか何かで先生の事が嫌いになって、体育指導がある日は幼稚園に行きたがらなくなったそうで。
泣いて「●先生キライ!」って言うので、「そんなにキライなら先生に直接言いなさい。お母さんに言っても仕方ないでしょ!」と母親は子どもに言って聞かせたそうだ。
家で、何回も「●先生キライ!」と言う練習をさせて、充分自信がついてから、ついに先生本人に「●先生キライ!!!」と言ってのけたとか。 それ以来子どもはすっきりしたようで、幼稚園にも普通に行くようになった。 めでたしめでたし、という話。
なんというか、聞いて、「?」とちょっと首を傾げてしまった。
アイも幼稚園時代はこの先生が怖くてたまらず、姿が見えると逃げていっていた位で、小学生になった今でも幼稚園でこの先生を見かけると硬直する。
でもアユムはこの先生が結構好き。最初は泣いて嫌がっていたけれど、慣れると平気になったようで、先生相手に「欧米か!」と突っ込みをいれたりしていた。
ようは、相性なんだよな、と私は思って特に深く考えていなかったけれど。
キライなのは仕方ない。だったら、距離を置いて接しないで済むようにすればいい、と私は常々アイにも言って聞かせている。 クラスでキライな子がいる、と言ってきても、でもその子にもちゃんと友達はいるでしょう?その子の事を好きな子はいるわけよね?だったら、その子も良い所はあるのよ。でも、その子の良い所がアイにとって好きな所かどうかは分からない。それは相性とか価値観とか、色々違う部分だから。 だから、キライな人は無理に好きになろうとしなくてもいい。自分と合わないだけだな、と思って、適当に距離を置いて、自分と合う人と仲良くなりなさい、そう言って聞かせているんだけれど。
「キライ」という感情を相手にぶつけて何になるのかな。 相手が大人だからそれも許せるかもしれないけれど、子ども相手にでも面と向かって「キライ」と言う子になってしまったら。 それはそれで良いのかな。言われた方の気持ちを考えろ、と教えるのは間違いかな。言われた方の気持ちを考えて自分の気持ちを言えなくなってストレスが溜まるよりは、相手の気持ちお構いなしでガンガン自分の感情を相手に垂れ流していけばいいのかな。それが賢い生き方なのかな。
子どもにどう教えれば良いんだろう。 どう育てれば良いんだろう。
暁
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