雑感
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2004年10月26日(火) |
C'est sympa... |
今週末はチューリヒの美術館でモネ展を見た後、ストラスブールに 行くことに決めた。
アルザスに住む友達に、いっしょうけんめいメールを書いた。フランス語 で書くのは何年ぶりか。ほとんど忘れかけてた頭の中の引出しから いろんなものを取り出そうとしたらカオスになった。 幸い、返事がきたがトロイの遺跡を発掘したシュリーマンのような熱心さで 辞書を片手に解読する始末。 彼とは休暇先で知り合って、それ以来たまに電話で話したりする。 アルザスの人間だけに、フランス語とドイツ語のバイリンガルだ。 タイトルは彼が送ってきたメールの冒頭・・・ 私が訪ねるのを本当によろこんでくれたようだ。おみやげにザッハー トルテを持っていこう。
時々、眠る前にフランス語の絵本を眺めていたが、あと数日、泥縄式で 旅のフランス語をおさらいしないと・・・
でも、こういうのは楽しみなんである。
仕事の段取りがついたので今日は休暇を取った。 あいにく雨だが、外は16度もあって暖かい。10月にしては珍しい。
銀行の用事を片付けたあとは、お気に入りのスーパーでワイン選び。 欲しい銘柄は一人でグラスを片付けるには気の張る値段。当たり外れのない メルロ種で手を打った。
お昼は久しぶりに和食屋へ。天丼とうどんのセット。海老を外せば昔の大阪の丁稚どんのお昼みたい。そのあとのんびりウィンドウショッピング。 欲しいなと思うスーツがあったけど、冬のバーゲンまで待たないと・・
帰宅してワインの栓を抜いた。芳香はいまいちだけど味はメルロ。値段相応 かな。 明日は秋晴れらしい。まだ自転車に乗れそう。ワイン街道で新酒を試してみたい。
隣国ドイツの労働環境がどんどん変わっていく。来年には店舗の営業時間 も大幅に緩和されるとか。
今年に入って、ジーメンスやボッシュ、ダイムラー・クライスラー等の経営側が労働時間の延長を要求して組合側は飲まざるをえなかった。でないと東欧の労働力の安い地域へ工場を移転すると脅しをかけたので・・
ドイツの動向はいずれこの国にも波及するだろう。目下、オーストリアの労働組合は相当の力を持っているので急激に変化することはないが、数年を出でずして週末も働く人が増えるのは間違いない。 日曜日は安息日というお題目は、カソリックを国教とするおかげで磐石ではあったが、その土台が経済の波にさらわれてぐらぐらしている。平日と週末の区別が水彩絵の具を混ぜたようにぼやけてきている。
EU加盟するまでは土曜の昼から日曜は働いてはいけない国だった。(交通や観光産業に含まれるものは例外) 土曜も14時になった瞬間、店店はシャッターをおろし、国民みんなが可能な限り安息に入る。個人個人の用事は月曜までお預け。 この国に来たばかりのときは、買い物ができずに手持ちぶさたで上手く週末が過ごせなかった。物を買うことで何となしに精神のバランスを取ってたように思う。夏は外に出れば何とか上手に過ごせるが、冬になるとこの週末という時間ーある人には短すぎるし、ある人には長すぎるーをいかに過ごすかは、けっこう大きな課題である。
私の場合、夏はジョギングしたり自転車に乗ったりと足りないくらいの週末を過ごしたが、寒さ厳しい冬に向かう季節になると、いまだに上手く過ごせる自信がない。 この週末は案の定、雨続きで、土曜は何度も読み返した本を読み、日曜は掃除、繕い物、ケーキを焼いて保存食を作り、サウナに行ってどうにか過ごした。 ちょっとへこたれると手強い週末なのに、平日の喧騒から解放された日曜はけっこう気にいっている。(土曜は今では18時まで買い物できるので週末の概念からはずれていると思う)
秋の気配というのはほとんど感じられなかった。わずか10日くらいの気温が停滞していた時期だったように思う。
冬はすぐやってきた。朝起きると部屋の空気がぴりっとしていて温度計は5度を指している。暖房のスイッチオン。スカートを履くのもだんだんと勇気のいる寒さになった。
こういう時期になるとクリスマスには太陽を身体いっぱいに浴びて自転車に乗ったりカフェに座って文庫本など読めるような所に行きたいと心底思う。 スペインのトロピカルな諸島、ギリシャの海へのフライトは軒並み競争率も値段も跳ね上がる。ヨーロッパ人の考えることは同じとみえる。
来月はポーランドの出張、個人的なスイス旅と温い空気とは無縁の土地へ出かける。出張はなんともならないが、スイスでは抜けるようなアルプスの青空を描くセガンティーニの作品のある美術館に行こうかしら。 あいにくサン・モリッツの美術館は休館なのでチューリヒでいくつか鑑賞できればいいのだけど・・
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