|
|
■■■
■■
■ アンブラッセ
行くべき場所 行ける場所 できることが山ほどあったのに 何もしなかった
できなかったんじゃない しなかったんだ
わたしは臆病で そのうえ面倒くさがりだ
要するに バイタリティがない こんな弱虫の甘えん坊で
この先 どうしたらいいのか
そのとき 初めて涙がこぼれた
決してこぼさなかった こぼさないようにしていた涙が
水道管が壊れたみたいに涙が止まらない
「泣くことないじゃない」
手ぶらで帰ってきてしまった 何も見つけられなかった
心の中をいくら探っても すごした時間のすべてが 独りよがりのアンブラッセのようだった
ぼんやり見える輪郭に手を伸ばせば 空をつかむだけ
わたしはどこに行っても ただの通行人にしかなれないような気がした
2008年12月19日(金)
|
|
|