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■ 醜いほどに、綺麗だ。
謝罪の言葉など、意味がないとわかっている。 どんな言葉を吐こうとも、その傷が癒える事などないということも。 それでも、僕に出来ることは、こんなことしかなくて。 気に障る気遣いで、また君を苦しめた。 …それでも、触れていたかった。 自己満足という名の、罪滅ぼしのために。
「最低」 激情に身を任せて叫んだのは、 傷つけることすら出来ない、最低の言葉。 独りにならないと、気付かない事が多すぎて。 取り繕うような言葉ばかりが後から並んで。 結局何も、伝えることなど出来なかった。 意味のわからない涙すら、流れない。
「全部、綺麗事なのかな…」 僕の唇が紡ぎだしたのは。
甘んじて受けるべき罪のことを。どこかで怖がっていて。 傷つけていいといったのも。 許されるはずがない、とわかっていながら、 許して欲しい、と願っていた、おろかな僕の。
綺麗事。
わざと感情を殺したような君の声がまた、頭に響いて。 逃げるようにその場を去った僕の背中に、突き刺さる。 …また、一番大事な時に僕はいない。
「こんなんじゃ、仕方ないよね…」
あの時の姿が浮かんで。 また、胸が苦しくなって。 逃げたくなって。 だけど、逃げたくなくて。
向き合えもしないのに、 「傷つけていい」 だなんて。 言えるはず、ない。
でも、気付いてる。 痛みを受ける僕は、幸せなんだってこと。 本当は何より、君の方が痛いんだってこと。
"気がすむまで傷つけて"
君の気がすむことなんてないのに。
"好きなだけ、言ってよ"
僕に言葉を投げつける君の瞳が、とても哀しい事を知っているのに。
そして。
"愛してるよ"
…それが、一番君を傷つけてるのに。
***
…つくづく自分の言葉は綺麗事だと思う。 だけど、本心だ。…許されるはずもないけど。
2004年07月21日(水)
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