凪の日々
■引きこもり専業主婦の子育て愚痴日記■
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血の繋がりってなんてやっかいなんだろうと心から思う今日この頃。
弟が何回目かの入院。 とうとう透析をする事になった。 15で高血圧で入院してから脳幹部出血、腎機能低下等を経て、三十台で透析。 異例の速さで循環器障害が進んだわけだ。
これから週に二回の透析で病院通いをする弟に、再就職は出来るのだろうか。 まだ人生長いのに。 もう彼は結婚も出来ず、一人で実家の厄介者として生きていくのだろうか。
幸い、実家には兄夫婦が住んでおり、兄はこの不憫な弟の為に、庭の片隅に弟用の離れを作り、そこで生活できるようにしてあげようと思っているが…と言ってくれている。
でも、それは有難いけれど、義姉さんにどれほどの負担がかかるか。 義姉さんと「あの時あの人と結婚してたら、どんな人生だっただろう…って思う事あるよね」としみじみ話した事がある。 兄と結婚したばかりに、同居で苦労させ、姑で苦労させ、義弟の世話までしなければいけなくなるのだとしたら。 まだこれから姑の介護が待っているだろうに、その前後に義弟の介護も来るとしたら。
離れて暮らす私には、結局経済面での援助しか出来ないわけだけれど、専業主婦の今、私が自由に出来るお金はすべて弟に渡したと言っても過言ではない。 彼に渡したお金はつもりつもって百万単位になっている。 勿論、返してもらえるはずもない。 感謝の言葉すらも返してくれない。 はては入院前には尿毒症で意識が混濁していたのかもしれないけれど、「何をしてくれたっていうんだ。何もしてくれないくせに!」と私を罵った。 これ以上何をしてあげなければいけないのか、と私の中で何かが崩れた。
これが他人なら縁を切って連絡を絶つところだけれど。 肉親なので、実家から近況や容態の報告が兄や母から来る。 私にどうしろと。
罵られながらも何か協力してあげなければいけないこの悔しさ。 あの家から結婚という正当な手段で逃げ出したはずなのに、結局逃れられない。 澱のような血の繋がり。 あぁもっと物理的に遠い地へ嫁げば良かった。 姉のように「遠いから何も出来ないけどごめんね」と言えるくらい遠い地へ。 あの時の、あの人と結婚しておけば良かった。
そういう思いを、義姉も味わっているかと思うと申し訳ない。
あけましておめでとうございます。
新年早々愚痴ります。はい。
ってか、年末年始は夫の生家行きという苦行があるので、年始のこの日記は必然的に報告=愚痴になるわけで。
いや、もう大概の事は我慢できるようにはなったのですが。
夫の生家で義母が風邪で寝込んでいて、義妹さんが一人で台所を走り回っている所へお邪魔したもので、一緒に年末年始は台所に立ちっぱなしでおさんどんだのおせちの用意だのあれこれあれこれで目が回ってくたくただった。
まぁそれはいつもの事だしいいとして、夫の生家に泊まるのの何が苦痛って、廊下の奥の薄暗い押入れにカバーもシーツもつけっぱなし状態で入れてあるお布団にそのまま寝なきゃいけないのが生理的に辛いんです。
だって、多分、お盆とお正月、私達が来た時に出し入れするだけで、シーツもその時のままで洗濯もしていなければ、お布団も干してもいないし。
シーツについてるこの黒いのはゴキブリの糞とか?このシミはなんのしみ? どれだけほこりとダニにまみれているんだろうこの布団…と思いながらいつも寝るんですが、今回は押入れから出そうとしたら、こなごなの綿らしきものが押入れに散乱してまして。 ねずみがかじりまくってました。お布団。 ねずみがかじるって事は、ネズミの糞尿がこの押入れにはあるってことなのね。 ネズミの糞尿まみれのお布団に寝てるのね私達。 そんなことを思いながら、押入れや布団、毛布に掃除機を掛けまくって、その布団に寝ました。
ささやかな事よね。 今この瞬間も寒さに震えて眠っている人だっているんだし。 それを思えば、屋根があって、暖かいお布団で眠れるんだし、幸せだよ。 ネズミの糞尿だかごきぶりだかダニだかホコリだかまみれの布団でも、暖かいんだから、幸せなんだよ、と自分に言い聞かせ。
なんというか、クリスマスにジョンレノンのクリスマスソング聞いて「うかれてんじゃないよ今この瞬間も戦争で死んでる人間山ほどいるんだから」と暗い気持ちになるのと同じで、年末年始にこの夫の生家のこの不衛生極まりない布団に眠るのも、「いやいや、世の中辛い思いしてる人は山ほどいるんだ。お前は幸せなんだから有難いと思え」と戒められているようで。
新年早々だか一年の締めくくりだかに毎年そういう思いを味わうのって、人間として有難いんだか、なんだか。
たかが布団でなに小さいこと言ってんだって話だけどね。 ネズミがかじって中綿が散乱した布団ってのを生まれて初めて見たので、ちょっと流石に引いたのでした。 赤ん坊がネズミに鼻をかじられて死んだって話は横溝正史のなんの話だったっけ。 なんか、そんなのをぼんやり思い出したりしながら、今年も夫の生家で新年を迎えたのでした。
暁
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