皇帝の日記
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土曜日が出勤日だったので、せっかくだから常務に退職の意思があることを告げたところ、保留にされてしまった。
しまった。 やはり遅かったか。 もう一人の貿易課がやめる前なら、快く(?)受理されたことだろう。 なんで辞めるんだ!と聞く彼に、なんでだと思うのか、聞いてみたいところだ。 辞めるの不思議ですか、この状況下で。
さらに、同じ階にある経理のお姉さん軍団から、私たちは皇帝さんが大変な思いをしているのを知っているから、社長に説明すると、かばわれ。 余計に辞めにくい雰囲気に流れつつあった。
困った。 何でも良いから辞めさせてくれよ。
また反乱が起こるのだ。 工場で。 役職者ばかり、4人が一気に退職するのだ。
わーわー。 ノールールでやってまえー。
さすがに仕事が回らなくなってきたので、引きとめられる人も出てきた。
そんなわけで、皇帝は身動きが取れなくなる前に、退職希望を出そうと思う。 もうボーナスも要らないや。 と言いつつ、月が変わってから言おうとしている小心者。
金曜日あたりで。
次に何が流行するか、考える会があった。 パリコレとかの分析をしたりするのだ。
おばちゃんマーチャンダイザーが、じっとチャラヤンのコレクションを見ながら、 「機械戦士ガンダムのようよね・・・」 とつぶやいた。
!?
と、みんな固まってしまった。
「スターウォリアーズというか、ねえ・・。近未来な装いよ、ね?」
「ね」と言われましても・・・。 承服しかねるが、時間がないのでさっさと会議を切り上げる。 もういい。 イエスマンで。
呪われている。
10人乗りのでかバンに乗り込んで、卓球をしにいったら、一人あばら骨を折った。
温泉につかっていたら、突然一人苦しみだし、病院に行かせたら、肺に穴が開いていた。
帰りに箱根から渋滞につかまる。
翌日三人が風邪で欠勤。
二年目半数近くが出勤してこない。
「何やってきたんだ!」と上司に怒鳴られる。
呪われし同期。
オンラインの貿易実務講座は、実に一般的な設定で進んでいる。
曰く、輸出より輸入業務のほうが、難しい。 輸出三年、輸入十年。 などと言う。
一緒に学んでいたはずの、オンラインキャラクター新入社員も、いつの間にか入社三年、四年目の四月一日、とかいう設定になっている。 「さすが、輸出を三年やっただけあるわね!」とか言われちゃってる。
別に成績悪くないのに、留年した気分の皇帝。
一時禁酒気味だったが、最近カルーアにこっている。 アイスクリームにかけても、ミルクに混ぜても、コーヒーに垂らしてもいい。 おやつ感覚で、気軽にアルコールが摂取できる。
間違いなく体重増加するけど。
通関業者さんが、只でボージョレーヌーボーを、飲ませてくれるというので、仕事を早引けて、飲みに行った。 一人しかいない課なので、休みも自由だ。(商談って言って、出たけど)
今日は、全員21:00まではたらかなければならない日だった。 しかし、17:30以降の残業費はびた一文出ないので、正々堂々犯罪が行われる日でもある。 おまわりさーん。 ここにいけない経営者がいますよー!!
脅迫されて、社員一丸となって2:30の只働きが行われるのだ。 さっさとワイン飲みに行くに限るでしょう。 営業も企画も逃げられないが、貿易だけは逃げてやる。
白い目で見られながら、飲みに行きましたとも。 ええ。
商談も一応したけど、五秒で終わり。
こないだ、海外のメーカーが来ていたので、会社のデザイナーのために、通訳で商品会議に出席していた。
デザイナーが、メーカーの扱っているワニ革を見たいと言い出した。 だが、ワニは材料として一匹輸入することを、ワシントン条約によって禁止されている。 それなら、丸々一匹製品にして、サンプル品として輸入させたらいい。 バッグの蓋部分を、ワニにしたらどうだろう。
と、そこまでは良かったのだが、「丸々一匹ワニを使う」というアイディア自体に、デザイナーの目がきらりと輝いてしまった。
「ここをこうしてこうして、こんな風に作りたいのです」 と言いながら、デザイン画を書き始めるデザイナー。 そんな彼が書いたワニは、どう見てもツチノコ。
「彼はワニを丸ごと一匹使って、このようにバッグを作りたいと言ってます・・・」 と訳していると、メーカー側からどよめきが。 明らかに、ツチノコみたいな物体が、「クロコダイル」だったことに、驚いている。 しかし、デザイナーは斬新なアイディアに、賛美の声が響いたと思ったのか、うれしそうに絵を続ける。 彼の要求を、訳す皇帝。 「とにかく、頭のてっぺんから、足の先まで、手も全部つけて、製品にします」 またしても、メーカーからどよめき。
手も足もねえじゃん、その爬虫類。
と思っていたに違いない。
中国スタッフからの(日本語)メールに、「それでいいです値」と書いてあった。 妙に変換されている。 漢字ヒップホップみたいだと思った。 ヘイYO!みたいな。
ところで、先月辞めた人の個室に、誰も知らないFAX受信機があった。 今日の夕方発見して、大騒ぎになった。 先月の請求書とかが受信されていたのだ。 皇帝宛に、工場の職人から「ガ・ン・バ・レ!!」とか書かれたFAXも有った。 ありがとう。 先月の職人さん。
「脱税してごめんなさい」という旨の文章を、経理が作っていた。 次は一体何をしてくれるのか、生半可なことではうけないよ。もう。
さて、今年の流行色は、グレーやら茶やら色々有るみたいだが、紫が久々のフィーチャーではないでしょうか。 チャキラ。
踊っていただこう。 流行色というのは、アパレルメーカーの罠。 なにせ、あらかじめ何が流行るかわかっていなければ、デザインはともかく、材料を供給することになる染色屋さんなんかが、困ってしまうから。 在庫を抱えないためにも、世界平和のためにも、流行というものには、ある程度踊っていただきたい。
あたいはそんな雑誌のコピーには踊らされない、生粋のお洒落さんだよ、なんていっても無駄。 世界規模で罠は張られているのだ。 某大手デパートもグル。 パリコレもグル。
紫だって、それほどサイコな色じゃない。 よく見れば、いい色かもしれない。
でも、あえて一言言わせていただこう。
オレンジと併せるな。
皇帝

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