皇帝の日記
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サンディエゴは雨だった。 元々あんまり雨の降らない地域なので、百年に一度くらいの勢いの雨だったらしい。 まあ、日本で言えば、「本日は弱い雨が断続的に降るでしょう」くらいな雨なんだが。 ロスからずっと雨だったので、かなり広範囲で降っていたことになる。 よかった。 芝生も青さを取り戻すことだろう。
さて、サンディエゴの動物園は、広かった。 90周年を誇る古参の動物園。 山ひとつを丸々と使い、贅沢な土地配分で、動物達がのびのびと暮らしている。 つまり、人間はその広々した檻の間を、歩きまくらなければならないという・・・。 その上、檻の中も広いので、動物を見つけにくい。
特に猫科の動物は、ほとんど見れなかった。 山を利用しているため、土地の高低差が激しく、歩くだけで大変なのだ。 バリアフリー先進国をもってむねとしているので、一応、動物の檻が覗ける大型バスが巡回しているのだが、それだとじっくり見れないので、結局うろうろ歩き回り・・・。
大変だった、という思い出だ。
パンダは、大人になるまで客前に出さない方針らしく、赤ちゃんパンダは写真のみ展示。 大人パンダは寝ていた。
象は、何が楽しいのか、ずっと踊っていた。 サイは家族を失い、一頭でつまらなそうに寝そべっていた。 アリクイは檻の中をうろうろうろうろしていた。 オラウータンは、自分の持っている麻袋に、自分が入って、自分で持ち上げることが出来ないだろうかと、ずっと実験を繰り返していた。
滅多に降らない雨のせいか、白熊をはじめ、大抵の動物が、やる気を失っていた。
サンディエゴの町は、全体的に掃除が行き届き、綺麗でした。 メキシコとの国境があるせいでしょうか。 お掃除する人が沢山いる。
有名な水族館もあるらしいので、今度天気のいいときに再戦したいと思う(屋外なのだ)。
さて、帰ってきたら蜂の巣がなくなっているかと思ったら、大家さんは壁の穴をガムテープで塞いだだけだったので、雨の力とサナギのファイトで、また壁に穴を開けていた。 また明日電話してみよう。 蜂がブンブンしているところを、ガムテープでとめたガッツは誉めて差し上げよう。
各州に、オリジナルの変な法がある。 横断歩道は逆立ちで渡ってはいけない、とか。 離婚時の財産分与の法律は、州ごとに違うので、皆さんお気をつけあそばし。
さて、皇帝の住む地域には、変な決まりごとがある。 野菜と肉は、同じまな板で調理してはならない。 だ。 この法を可決させた人は、身内に食中毒を起こした人でもいるのだろうか。 生豚肉を切ったまな板で、サラダ用のきゅうりを刻んでしまったうっかりさんみたいのが・・・。
そんなわけで、我が家にはまな板が数枚ある。 だがそれぞれのまな板の用途を、誰も把握していないため、結局皆適当に調理している。 皇帝は、一番小さい木のまな板がお気に入りです。 魚切るときは、紙ひいてます。
ところで、朝起きたら、ジャバさんがサンディエゴの動物園に行くと言っていた。
そういえば、先週そんなことをいっていたような気がするが、すっかり忘れていた。 では一泊二日のサンディエゴに行ってきまーす。
はじめに移民関係のことでお願いしていた弁護士さんが、病気で倒れてしまった。 年内復帰はなさそうなので、別の弁護士さんにお願いしなおす。 5秒に一回訴訟の国。 一人倒れても、第二第三の弁護士が控えているのだ。
ほんで、どうやら手続きは皇帝が帰国した後、ジャバさんによるアメリカからのアプローチと、皇帝の日本からの連係プレーでなんとかしないといけないらしい。 まずジャバさんが、皇帝本当に結婚する気があるのかとか、インタビューを公的機関で受けるのだ。 二人が付き合っているという証拠を提出しなければならない。 その時に役立つのが、ハワイのスクラップブックだ。 思いっきり気持ち悪く仕上げてよかった。 それが済んだら、今度は皇帝が、日本のアメリカ大使館で、同様の面接を受ける。 皇帝の場合、ジャバさんと結婚する意思を声高に表明し、アメリカ市民として正しく生きていくことと、英語を勉強する気があることを宣言しなければならない。
手続きがものすごく順調に進んだとしても、皇帝の再入国が認められるのは7月終わりか8月。 そしてフィアンセビザで入国したら、すぐさま結婚し、ビザタイプを切り替えなければならない。 再入国から結婚までの間は、アメリカを離れてはいけない。
その間に、日本の家族が病気になったらどうしてくれるのか。 そういえば、留学中に祖母の葬式に帰国したら、学生ビザが失効したことがある。 そして運転免許が取れなくなった。 まったくトリッキーだぜ。
更に弁護士さんが言うには、離婚調停のために、弁護士監修の元5年間有効な契約書を作っておかなければならないよ、とのことだ。 ハリウッド気取りかこのやろう。
しかし、カリフォルニア州では、今皇帝の財産と収入でジャバさんと結婚すると、離婚時に無条件でジャバさんの全財産が皇帝のものになってしまうのだ。
・・・・・・それは楽しそうだ。
いやいや、なんと極端な。 せめて半分こくらいが良いんじゃないんでしょうか、という話だ。
そういう極端なこと決めてるから、5秒に一回訴訟が起きるんだよ。
害虫駆除業者にお願いする前に、家に何かあったときは、まず大家さんに来てもらわなければなりません。 家は大家さんの財産であり、なんだらかんだらの審査があったりなかったり、色々難しい何かがあるからです(そして何も聞き取れなかった・・・)
蜂の巣らしきものは、バックヤードというところにあるようだ。 「らしい」とか「ようだ」というのは、巣が目視で確認できていないからなのだが。 蜂が行ったり来たりしているから、どっかに有るに違いない。 で、見てみると、壁と外灯の設置部分に、小さな亀裂があり、そこから蜂がにょろにょろ出てくるのがわかった。 壁の中に巣を形成しつつあるらしい。 内側は皇帝の部屋の壁なので、それで壁からブンブン音が聞こえていたのだ・・・恐ろしい。
大家さんが自ら退治する、と言っているので、お任せすることになった。
ところで、家は大家さんの財産なので、より価値が高く見えると、なんだらかんだらに有利らしいのだ。 何故こんなにも大家さんの言うことがわからないかというと、大家さんはメキシコ人だから、発音がいけてないことになっているのだ。 あんまり皇帝をそんな目で見ないでくれ。
さて、そんなわけだから、店子にはできるだけ綺麗に家を使用してもらいたいわけですね、大家さんは。 店子自腹で壁を塗り替えてでもしてくれちゃった日には、万々歳なのです。
ジャバさんと愉快な仲間達は、居住空間にこだわりがないらしく、日焼けして痛んだ壁に穴が空いても、木っ端を詰めて済ましてしまう有様である。 普段使用していないので、あまり見ていなかった外灯だが、よく見たら中で電球が粉々に砕け散って(ジャバさんが交換しようとして握りつぶした)おり、危険で触れられない。 塀の穴には、軍手が詰まっている(何があった・・・)。 そりゃあ蜂の巣も出るわ。 コオロギだって繁殖するわ(現在第三世代が躍進中)。 ついでに、こないだ巨大掃除機ダイちゃんが激突して、ガラスにヒビまで入っている。
大家さんは、色んな細かい(?)ことは、多めに見てくれた。 でも、帰り際に一言だけ、こう言った。
芝生に水をやってください、と。
確かに隣の芝は青かった・・・。
最近天気が悪い。
悪いと言っても、せいぜいちょっと曇ってるとか、ちょっと風が強いとかの程度なのだが。 ロスの4月は空模様が不安定になるらしい。
年がら年中ピーカンの州なので、悪天候に対するダメージに、めっぽう弱い。 何度も言うが、風と言っても、ちょっと吹いてますかな?くらいなのだ。 それなのに、信号機が断線して止まってしまう。 更に、窓の外を見ていたら、隣の家の黒猫が風にあおられて、壁から落ちたのだ。
これは、テキサスでちょっとばっかり雪がチラついた時の、州民の混乱に似ている。 フレキシブルに生きようぜ。
そういえば、天気とは関係が無いが、家の中庭に蜂の巣が出来つつある。 昼間、ぶんぶん音がすると思っていたら、ミツバチが外を行ったり来たりしていたのだ。 明日ペストコントロールに来てもらおう。
春は蜂の引越しの季節なのです。
サンタバーバラに行ったら、ジャバパパは引っ越す前のおうちに行く用事があり、出かけるところだったので、見送っただけだった。 ジャバママとご飯を食べたり、庭の無農薬野菜を収穫したりしていた。
自家栽培の無農薬果物が、あんまり甘くないのです。 ジャムにしても良いが、野菜っぽい味わいをバリボリ食べるのも良い(熟れてないのか?)。 鶏もいるので、卵を失敬して食べたりした。 あと、ヒヨコが生まれていた。 凶暴な母鶏から、卵を回収しそこなったらしい。
そして、ジャバさんの友達が誕生日で、従兄弟さん達と一緒に、サンタバーバラのワイン試飲の旅に訪れたい、と言われていたのだ。 ベトナム系アメリカ人なのだが、この人には日本とアメリカで、数回遭遇したことがある。 夕食に出てくるワインに、一々薀蓄をたれていた人だ。 ワインを愛しているのですね。
んで、ジャバさんと待っていたら、従兄弟15名と供に、巨大バンで来た。 わー。 しかも、従兄弟sは50人いらっさるのだが、今回はタイミングの合った方達だけ、一緒に来たのだとおっさっていた。 わー。
さすがに、15人分のベッドはないっすよ。 だが全員、寝袋を持参だった。 庭で寝るから大丈夫、とか言ってましたが、リビングに寝袋が収まったので、合宿状態で滞在していただくことに。 避難民っぽい感じになって、すいませんでした。 事前に人数を言ってくれれば、LAから客布団を持ってきたのに・・・。
ワイン試飲の旅は、前回行かなかったところ2箇所を含め、計5つのワイナリーを巡り、途中酔いつぶれによる脱落者を出しつつも、完走した。
ワイナリーで結婚式という案も無くは無かったのだが、通常山間に有るせいか、強風が気になると思った。 バタバタ風吹いてた。 ブドウも育つ(BYナウシカ)
さて、そんなことをしながら、LAに戻ってきたら、指輪のリサイズができていたので、取りに行く。 ロデオドライブに行くのは久々だったので、指輪を受け取ってから、付近をうろうろしてみる。
ジャバさんが、携帯電話の充電器を実家に忘れたと言いながら、携帯屋に入って行ったので、その間に、近所のおしゃれっぽそうなおもちゃ屋に入ってみた。 店先に、アンティークっぽいプラスチックの馬が置いてあり、ちょうど25セントが入りそうな穴が空いていたので、馬に乗って硬貨を投入してみたら、ものすごいファンシーな遊園地メロディと供に、馬がぐるぐる回り始めた。 きゃー。 お金持ちそうな、金髪の姉妹が歩道から、ぎょっとして振り返る。 くるくる回る皇帝。 うふふ。 チャララーンチャララーンチャララッタタララッタタララーン。 あはは。
それにしても、一体何分間動くのでしょう。 チャララーンチャララーン(二順目)。 あはははははははははは。
しばらくしたら、携帯屋から出てきたジャバさんが、小脇に抱えて降ろしてくれた。 チャララーンチャララーン(三順目)。 うふふふふふ。
さもなくば、永久に回り続けていたことでしょう。 見物人が徐々に集まる中、もはや子供っぽくない人が、ぐるぐる回っていた。 いーはー。
ジャバさんに首根っこを掴まれながら、道を行くと、凶悪な匂いにつかまる。 それは、チーズ専門店の匂いだった。
ワインも仕入れたことだし、色々試食して、四種類の凶悪な香りのチーズを買う。 あの店で働く人は、燻製になりはしないだろうか。 そんな香りだった。
サンタバーバラに行った帰りに、ハイウエイに乗っていたらば、前方に派手な改造車が走っていた。 フロントもサイドも、ガラスが入っていない風だ。
うわー寒そうだなー、と遠目に見ていたのだが、どうも様子がおかしい。 銀色のスチールパイプがこう、妙な角度で・・・・
あ
X−ウイングだ。
しかも、背中にR2D2を乗せている。 きっとドライバーは、日曜日はこの改造車でハイウエイを飛ばし、ジェダイの気分を味わっているのでしょう。
どうだろう。 ドライバーは、まじめなサラリーマン風なのだろうか。 じりじり近づいてみる。
あ
エピ3のオビ=ワンが運転している。
しかも、何故かハンドルを握る手に、ライトセーバーが。
平日は何してるのか。 宇宙の平和のために戦っているのか。 そうか。
婚約パーティーをしようか、などとジャバさんが言い、突然時代が大草原の小さな家になってしまった錯覚を覚えた皇帝です。 どうも・・・。
どうせもう帰ってしまうし、ビザが下りるまで入国できないだろうから、やるなら私不在のままでお願いいたします。 しかし、それでは何の会なのか、よくわからない。 そういえば、ジャバさんパパにご挨拶に行くのだが、婚約指輪がまだリサイズできていないので、指輪の無いままご挨拶せねばならない。
けっこう色々一杯一杯なので、しばらく何もできそうに無い気がする。
日本の結婚雑誌を見ていると、「花婿じゃなくて、花嫁がスピーチ!常識の無い花嫁だと思った」だの、「私の先輩は、式を理由に残業を押し付けた。がっかり」だの、「招待状にラブラブ写真!?大人とは思えない!!友達に激怒」だの、まあ、なんというか、そんなこと思われてまで結婚式をするんだから、皆けっこう大変だなあ、と思った。
そして、厳しい。 友達から友達の彼ぴょんとのラブラブ写真が送られてきて、そんなにも怒りに打ち震える必要ってなんだ。
あと、どんな先輩か知らないが、残業ぐらいしてやれよ、後輩。
スクラップブック、というのを、知らない人もいるかもしれないので、ここで説明する。 色んな切抜きをペタペタ貼るノートのことだが、アメリカのそれは、思い出の写真や、旅で使ったチケットなどを、綺麗な装丁のノートに、これでもかというくらいに乙女チックなデコレーションを施す、趣味のアルバムのことである。 更に、そういうことをするのは、日本では14,5の小娘であるが、こちらでは、成人した女性のたしなみであるらしい。 月刊で、専門誌が出ているくらい、人気のある趣味なのだ。
もう、ボタンを紙に縫い付けてしまったり、きらきら光るビーズをボンドでくっつけたり、デコラティブなシールをこてこて貼るのだ。
そして、友達が来たら、誰彼かまわず見せる。 旅の写真の感想よりも、デコレーションのアイデアと完璧さを競う、高度な遊びということですよ。
さて、それがどうしたかというと、モデルが皇帝の誕生日に、スクラップブック制作グッズをくれたのだ。
わーい。 めんどくさい。 いやいや、ありがとう。
そんなわけで、昨日のショッピングで、愛らしいスクラップブックを購入し、さっそく作ってみた。
ハワイ篇。
モデルに見せられるように、思いっきり気持ち悪く・・いやいや、ラブリーに、かわいらしく、派手に仕上げてみた。 乙女だ。 なんて乙女な作業なんだ。
パンフレットを星型に切ったり、キラキラ光るラメ入りのペンで、ハートを書いたりした。
この10年分の乙女を使い切った。
それはいいのだが、モデルが特に気に入ったといって買ってきたスタンプの図柄が、天使の子供が不気味に微笑みながら、両手を広げているのだ。 シールなら使い切りだが、スタンプだったら、半永久的に押せるわけですね。 しかも、色んな色合いで。
北欧の人は、美的感覚が違うのでしょうか。
2007年04月12日(木) |
行く先もわからぬまま |
結婚式のテーマカラーだの、あれこれしたり、しなかったり。 第一候補の日が、インド人と日本人にとって、とても良い日だったから、予約が一杯かもしれないとか。 いや、八百屋お七が火あぶりになった日だとか。 ビザがなかなか取れないから、9月に籍だけ入れてしまわないと、来年アメリカに入国できないかもしれないだの。 フィアンセ・ビザを取ったら、2ヶ月以内に結婚しろだの。 何の罠だそりゃ。
盗んだバイクで走り出しそうなほどワー!となったので、走り出してみた。
でももう15の夜ではないので、ちゃんとバスに乗ってみた。 普段、どの国にいっても、地元の移動手段で歩き回り、一週間で地図をものにするというのに、ロスではいつもジャバさんに連れられているせいで、まったく何も覚えていないという有様だ。 これは良くない。
家の目の前から、8番のバスが出ている。 薄々、この通りを直進したら、きっと海に出るんだろうな、と思っていたが、まさにその通りだった。 ぼへーと乗っていると、海沿いの巨大ショッピングストリートに到着。 バスの中に置いてある路線図をもらい、読んでみると、だいたいのバスが、このターミナルから出ているため、こっからどこへでも行けてしまうということがわかった。
とりあえず、こっちの知り合い二人が、そろそろ誕生日なので、プレゼントを買いに、気絶するほどかわいい物が並んでいる、雑貨屋さんに入る。 あまりのかわいい雑貨や服に悶絶する。 カップのセットと、石鹸のセットを買って、出る。
並びのアクセサリー屋も、体を掻き毟りたくなるほど愛らしいデザインが一杯だ。 でもここは出費をセーブ。
うろうろしていると、ウエディング関係のショップを発見したが、あえて入らない。 リングピローとか、見たらまたワー!となって、反抗したくなって、学校の窓ガラスを割るかもしれないからだ。
いやいや、大人だから、窓ガラスは割ってはいけない。 それ以前に、学校に行っていない。
スタバと、CD屋と、視聴バーがいっしょくたになった店に入る。 コーヒーを飲みながら、ドーナツを食べて、音楽を聴く。 そして、隣の本屋に入る。
ウエディング関係の書籍が、ずらっと平積みされている。 ワー! そうか、逃げられないのか。 仕方ないので、一番薄い、結婚式雑誌を買って、逃げるように出てくる。
さて、3時です。 良い子は暗くなる前に帰りましょう(盗んだバイクで走り出すんじゃなかったのか・・・)。 同じ8番バスに乗って行けば、環状線なので、また元に戻れるわけですね。 だがしかし、降りたところから乗ろうとしたら、1ブロック先でないと、ピックアップできないという。 理由はなんとなくわかるのだが、どうせあんた、ぐるっと回って帰ってくるくせに・・・。 一言で1ブロックったって、歩いたらけっこうある。
しかしルールはルール。 いかにあほらしくても、守らなければなりません。 フィアンセ・ビザと同じです。 体制に反抗するには、あまりに育ちすぎた。 とぼとぼ歩くと、やっぱり同じおじさんが回ってきた。 かさばる本と、カップをぶら下げて、むーっと思う。
ビッグ・ブルー・バスという、通称「BBB」というマシンだが、誰もBBBと呼んでいない。 「バス」って言います。はい。
自転車でやってきたおじさんが、バスのフロントに自転車をくくりつけて、乗り込んできた。 なんかフロントが出っ張っているな、とは思っていたが、そんな使い方をするのか。 海に繋がるバスだから、きっとサーフボードとかも乗せてくれるのでしょう。
近所にバスが来たとき、「あ!」と思って、停車合図の紐を引っ張ってしまったが、実は2駅も手前で降りてしまった。 バス停に名前が書いてないんだもんよ。 あまり遠くないので、てくてく歩いていく。
かくて、軽い家出は終了。 今度バスに乗って、海の公園に行こうと思う。 そして「海のバカヤロー」と叫びながら、走ってみよう。
皇帝

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