皇帝の日記
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結婚したら、役所の人が「DV(ドメスティックヴァイオレンス)にあってしまったら」という冊子をくれた。 全文英語だけど、役人が「よく読むように」と念を押すので、帰ってから女友達(米人)に助けてもらいながら読んでみた。
そしたら、読めば読むほど、手伝ってくれている女の子が「あたしの彼と一緒だ!」を連呼。 読み終わる頃に、すっかり彼女が精神的DVの被害者だと判明。 がびーん。 肉体的に暴力されてると、すぐ気がつくけれど、精神的に言葉で暴力されていると、されてるほうもしているほうも、まわりも気がつけない罠。
彼女の場合、無視されたり、急にやさしくされたりを繰り返し、定期的にパニックに追い込まれていた、とのこと。 わー逃げろー。
というわけで、彼から電話を無視。 メールも無視。 家に来ても出ない。
を繰り返して三日後。 彼からのメールを見せてもらったら 「次の電話を取らなかったら、もう二度と連絡しない」 「ごめん、ずっと仕事が忙しくて無視してたけど、本当は寂しいんだ」 「いい加減にしないと、別れるぞ」 「今親がいるから会いにいけないけど、明日絶対朝一で会いに行くから」 「これから女の子に会いに行きます」 「愛してる」 「何様だと思ってるんだ。ぶす」 と、脅しと甘やかしが、見事に交互に(しかも10分おきくらい)来ていて、こいつは本物だって認定。
そういう間にも、彼からは5分おきくらいに電話がかかってくるし、もう本と、変な人だって気がついて良かった。
彼女が、「彼が全然電話もメールもくれないの。無視されてるの」って泣いている時には、「仕事が忙しくて、かまってられない」とか言っていたくせに。 10分おきのメールと5分おきの電話って。 どんだけ時間あるんだよ、お前。 と、我が家のルームメイト全員の突込みを受けて、めでたく変な彼氏は着信拒否となりました。
ありがとう、役人。 ありがとう、パンフレット。 こうしてまた一人、国民が救われた。
うっかりチューブトップの花嫁衣裳を選んでしまったがゆえに、二の腕が気になる花嫁。 そんなあたいに、ジャバさんのグルームメンが、こんなもんをくれました。 PERFECT PUSHUP http://www.perfectpushup.com/ (音出ます) これで十回くらい腕立てすると、もう次の日は筋肉痛。 ムキムキになったらどうしよー。
ジャバさんがついに仕事を決めて、今週からはじめることに。 とりあえず、サンフランシスコ一週間出張に行ってしまった。 新妻、生活費を渡されて留守番。 ソーシャルセキュリティーナンバーがないので、口座が開けなかったので、現金で。 好きに使っていい、と言われると、かえって何も出来ない皇帝。 とりあえず卵を買いに行ってみようか・・・。
結婚するのに、「右手を挙げて宣誓を」とか言われているのに、とっさに荷物を持っていない左手を挙げてしまい、妙な沈黙が入ったりしていた。 ついでに、「病めるときも健やかなる時も・・・」と言われたら、「I do」と答えなければならないのに(「Do you...」で始まるから)、「あれ?yesかな?」とか考えているうちに、また変な沈黙。
とりあえず、永住権申請のために結婚手続きを早めたのだから、とっとと申請をしなければならない。 まず、確かに結婚した証拠の写真を撮らなければならない。 市役所に行き、簡易の式をしている写真を、詳細に撮る。 誓いの言葉は指輪とともにされなければならないので、結婚式用とは別に、シンプルな金の指輪を用意した。 指輪はめてないと、移民局が本当に夫婦なのか、疑うしね。
どうやら好みの違いから、結婚指輪はおそろいのデザインになりそうにないし、今まで一度もおそろいの指輪持ったことないし、丁度良いからこのたび金の指輪はおそろいにした。 デザインとか関係ない。 ただの金のかまぼこ指輪。
これはこれで、ロードオブザリングみたいで気に入っている。
さて、招待状も出したのに、プレゼントのリストが完成していない。 妙なテンションで選んでしまった、バカラのグラスとか、やたら高い食器セットとか、チョイスが偏ったままアップしてある。
そしてジャバさんが「これ!これ欲しかった!」といって、マンゴーの種取器を選んでいた。 えー。 欲しかったのかー。
ようやく招待状第一波を投函できました。 郵便局のおばちゃんは、国際郵便の値段がわからなかったり、「じゃあその切手を45通分ください」と聞いても、「計算できないわ。何枚シートが欲しいか言って」(一枚のシートに20枚ずつ切手がセットになっている)とか言ったりして、小学校に行ったことあるのかおまいわ!と罵りたくなる働きっぷり。 ふひ。
ほんでもって、日本から返信用切手を買ってもって行ったのに、封筒が予想外のサイズで、もしかしたら料金不足・・・・とかゆう事態に。 どきどきするなあもう。 ついでに、返信用切手が途中で足りなくなったので、切手がついてるかどうかは抽選(ええ!!?)。
ブライドメイドに切手貼りを頼んだら、逆さまについてたり、斜めだったり、端っこの方が糊付いてなかったり。 招待状がそもそも逆さまに入っていたり(透けて見える)。
もういい。 全く常識の無い子ねーとか言われてもいい。 腕白でもいい。 たくましく育って欲しい。
ロマンティックを狙ったわけではないけど、都合により2月14日入籍しました。 これでミセスジャバです。
狙ったわけじゃない我々だったのに、狙っているカップルが大量に市役所に押しかけて、大混雑の中、慌しく結婚。 朝早く起きて、8時半から並んで、400番目(!)にマリッジライセンス(結婚許可書)をゲット。 更に、730番目(!)にセレモニーをして、結婚証明書の申請をして、家に一度戻ったのが2時。
昼飯も食べずに、書類をかき集めて、永住権申請の弁護士事務所に着いたのが3時。 1時のアポだったのに・・・。 弁護士さんは良い人で、嫌な顔ひとつせずに、一気呵成に申請書を作成。 終わったのが8時。
久しぶりに列に並んだ気がする。 去年のTDL以来でしょうか。
しかし、結婚まで6年以上待ったのだから、今更一日並ぶことはなんでもございません。 後は永住権をもらうだけ。
今から冷凍ピラフを温めてお祝いだ。
ハッピーバレンタイン! ああ、日本は15日。
結婚式の招待状を業者に作ってもらっているのだが。 英語だけだと不親切だし、良くわからないから、日本語でメッセージカードを添えたい、と思っていた。 写真の現像を仕事にしている友達に、ジャバさんとのツーショット写真をカードにしてもらっていたので(ありがとう!)、その裏に、一言書いて送ろうとしているのだ。 やってみたら結構大変で、招待状の到着に間に合うかどうか心配になってきた。 あうー。 飛行機の中でも、ずっと書いてました。 あうー。 届け、私の真心。
ところで何故にオクラホマに行っていたかというと、婚前契約書にサインしに行っていたのだ。 立会いの弁護士とお食事会して、通訳はさんで協議して、サインして、と大忙しの二日間。
お食事には、母からもらった黒ドレスの裾を、15センチばっかり切ったのを着ていった。 あと、母が結婚式でつけてた真珠のネックレス。 クラシックにまとまったので、弁護士の受けも良かった。
基本的には、財産をどうするかということが書類にされただけ。 ジャバさんが先に死んでしまうと、皇帝はアメリカ人じゃないから、不動産の権利を剥奪されて、ホームレスになってしまうのだ。 だから、不動産の名義はジャバさんの家族(子供がいれば子供)が相続して、皇帝を住まわせるという契約になっている。 皇帝を、誰も追い出すことが出来ない、とか書いてある。 まだ持ってもいない不動産と、居もしない子供が登場。
あと、皇帝が50歳になったら、日本の国民年金に当たる、アメリカの民間業者が、生活費を負担してくれるらしい。 50歳で良いのか。 さすが平均寿命が短い国だ。 これで、アメリカが将来倒産しなければ、皇帝の老後は安泰ということらしい。
あと、財産分与のための銀行口座をもらったりした。 とりあえず、財布に5ドル入っていたので、入れてみる(5ドルしか持って歩いてねえのか!) まだ有りもしない財産が分割された。
そうそう、銀行口座が出来たら、カードを作れるのだ! 今まで父親のカードしかなかったので、ちょっと大人な気分。 でも5ドル。
そんなわけで、極寒のオクラホマに飛ばされてました。 生きて帰ってきたよ。
皇帝が到着する前日に、ツイスターが大ヒットして、街中の木がなぎ倒され、全部枯れていた。 さらに、アイスストームが直撃し、全体的に灰色な色彩。 雲は五階くらいの高さまで下りてきて、重くのしかかる感じ。 せつない・・・。
ジャクソン大統領に連行されたネイティブの気持ちを想像すると、やりきれないもんでございます。
そんなぶっ壊れシティ、タルサにアメリカ政府は一切の災害援助の打ち切りを宣言。 何故なら、しょっちゅう竜巻で壊れるから。 意味がわからない理由だ。 せつねえ・・・。
今回は、ジャバさんの生まれ育った場所めぐりがツアーに組み込まれていた。 ジャバパパは裸一貫からのし上がってきた男なので、ジャバさんが幼少時代を(というか高校まで)過ごしたところは、あんまり治安のよくない、裕福でないところなのだ。 もちろん歩くのは危険なので、車で回るだけ。 どのくらい危険かと言うと、ジャバさんの生家周辺の、唯一のコンビニエンスストアは、毎回オーナーが銃で撃ち殺されて代がわりするというほど。 道は荒れはて、コロンバインの映画が撮れそうなご近所。 倉庫みたいな四角い家が、ゴミに埋まっているのだ。
ジャバさんの級友の生存率が50パーセントと言うのは、けして誇張していたのではなく、18歳まで生き残れればラッキーなのだ。
全ての建物やレストランのトイレは、厳重に鍵がかけられ、トイレの中で麻薬をやって、住み着く人間が出ないようになっていたりする。
さらに、ダウンタウンの道路は市政のミスで破壊されたまま修理されず。 信号機は黒いビニールをかぶせられたまま。 市民は例外なく肥え太り、椅子から身体が倍くらいはみ出ている。 歩行が困難で、杖をついている人が沢山。
悲しみよこんにちは。
天気が悪いから、悲しく見えたのかもしれない。 ツイスターで飛ばされて、車につぶされたリスが一杯落ちていたのも、辛気臭さに拍車をかけていたのかもしれない。
31にもなって、誕生日パーティーって(ぷぷ)とか言ってごめんよ、ジャバさん。 生き残れておめでとう。
帰りに、空港で「牛を転ばすより楽しい遊びってないね!タルサ」と書かれたTシャツを買った。 ダサすぎてナウい。
今日はジャバさんの31回目の誕生日。 昨日は前夜祭で、着飾った皆様と肉専門スペイン系レストラン(日本では2月9日肉の日なので)に行き、一人当たり600gの肉と、300gのポテトをガチ食い。 ミディアムレアの滴る血と肉汁にまみれながら、美しくカールした華麗な髪が舞う。
本日は庭でバーベキューパーティー。 どこまで肉。 本当にパーティーが好きなんだな、と思う。 31の誕生日って・・・。
さて、最近カップルでいそしんでいることと言えば、レジストレーションのコンプリート。 これはどういうことかというと、まず、アメリカには結婚式でご祝儀を渡す習慣がない(渡してくれても結構よ。おほほほ←こらー)。 そのかわり、鍋とか釜とか茶碗とか、新生活に必要なものを、ちょっとずつ皆で買い揃えるという、大草原の小さな家っぽい習慣が有るのだ。
ご祝儀だと値段が大体決まっているが、これなら、自分の財布の状況に見合ったプレゼントが出来るし(苦しいときにはタワシ。余裕があれば掃除機とか)、新郎新婦は新生活に便利と言う一石二鳥。
この麗しい習慣が、最近ではインターネットでの落札制になっているのだ。
まず、米デパートのホームページを、結婚式ホームページ(今作ってる)に貼り付ける。 ほんで、二人の欲しいものを選んで、ホムペにピックアップしておく。 結婚式のホムペからデパートのホムペにアクセスした人は、そこで、リストの中から、プレゼントを選んでカードで買い取るのだ。 すると、結婚式の日取りあたりで、新居にプレゼントが一気に届くと言うシステム。
鍋をプレゼントしたかったのに、もう別の人が落札してしまった、なんてこともある。
一度、参加するのが遅すぎて、リストにほとんど商品がなく、不本意ながらマンゴーの種取器を贈ったことがある。 マンゴーの種を取る時にしか使えない・・・。 本当に欲しかったのか、新婦・・・。 マンゴーの種を取る機会が、一年で何回あるかわからないが、その時は私を思い出してくれるのだろうか。
色々釈然としないことはあるけど、まあ便利なシステムですね。
http://jp.youtube.com/watch?v=u17nOCMR4Js&feature=related 今自分の中で、熱いブームになっているラッコ。 偶然で繋いでいるのではなく、一回離れてから、尻尾で舵取りながらまた引き返してきて手を取り直しているのが良い。 そんなに好きなのか。 そうかそうか。
さらに、州法の違いから、カリフォルニアでは結婚に時間がかかりそうなので、来週オクラホマに旅たつことに。 なんなんでしょーねー。
さて、日本にいる三ヶ月の間に、期限が切れそうなボディクリームを、湯水のように使っていた。 朝晩全身にこってり塗るのだ。 三ヵ月後、脚の細胞の肌理が整い、つやつやに。 二の腕を毎日揉んでいたせいか、リンパの流れがよくなったのか、たるみがやや取れた。 しかし、ボディクリームと言うものは、化粧品以上に茫漠とした状態で買ってしまうのか、気がつくと必要以上に持っているもんである(私は)。 増殖するクリームに負けないよう、今後も贅沢に使っていきたい。
そして、こちらでジャバさんのダイエットをサポートしているジムに行ってみたした。 マシンに乗って、只ひたすら走るだけ(坂道設定)。 日本と違って、皆さん気負わずに、コンビニに来るような感覚で来ているので、結構いい加減な体操着。 ほんで、隙間なく埋められたマシンに、隙間なく、デブか筋肉ダルマが並んで走っているのだ。 なんで中間がないんだ。 皇帝は、マシンから顔が出ないので、埋まりながら走る。 走りながら雑誌を読んで、30分くらい。 無理せずに健康維持を狙いたい。
ルームメイトの、躁病のデザイナーと一緒に行くのだが、彼女は躁状態時に激しく暴れられるように(かどうかわからないが)、ものすごい筋肉を蓄えているのだ。 たとえばそれは、朝の4時に突然起き上がり、壁に釘を打ちまくったりするための体力だ。 たとえばそれは、笑いがとまらなくなり、泣きながらプールサイドを転げまわる(文字通り横になって回転する)ための筋力だ。 たとえばそれは、皇帝とのテトリス戦で破れたとき、悔しさのあまりソファーから縦回転しながら飛び降りるための俊敏さだ。
筋肉がないと怪我するから。
皇帝

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