皇帝の日記
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先週、グリーンカードのために指紋をとられてきた。 国家安全のために、永住権を持ってアメリカに住む人間は、全員10本の指の指紋を登録しなければならない。 しかも、ぽんぽんっと取るのではなく、指の端から端までぐるりと取るのである。 ぐりぐり押し付けられる感じ。
しかし皇帝の指は、乾燥して皺皺、という理由から、再採取の可能性があるらしい。 皺。
乾燥して皺皺じゃなくて、そもそも皺皺なんですが。
最採取の可能性があるとしたら、通達は一週間後。 手続きが遅れるじゃないさ。
しかし、日本で外国人の指紋とられるのが、人権侵害だとかメディアをにぎわせていたが、別に指紋取られたからって、だからなんだという気がしないでもない。 普通の人は、指紋登録されても、別にねえ。 身元不明の死体にならないで済んでいいじゃないさ。 そいうもんでもないのかな。
野良ではないと思うのだが、家の周りに常時二匹くらい見かける。 ロシアンブルーっぽいのと、牛柄の猫。 NYには野良猫がいないから、野鼠が多いそうな。 良かった、LAにはまだ猫がうろつくだけの余地が有って。
さて、今週からジャバさんがオフィス勤め。 朝起きて会社に行く。 夜遅く帰って来る。 まあ、普通に。
普通なのに、初のことで、妙に張り切ってしまう夫婦。 朝やけに早く起きて、お弁当(と言っても、みかん(ジャバママ作)と水筒持たせるだけですが・・・)を用意したり、目玉焼きにベーコンを焼いてみたり(でも米飯)。
ジャバさんも、デートにでも行くのかというくらいに、身支度をばっちり整える。 Tシャツに、ワイシャツを合わせたりして、「これアメカジ」とか言っている。
後一週間で飽きると思うが、とりあえず今は楽しく出勤。
ジャバさんが、ダイエット中におなかがすいた時、スナックとして食べる健康食品を買ってきてくれた。 チョコレートバーみたいなのとか、粉に水を混ぜて作るシェイクとか、同様にオートミールとかトマトスープとか。
昼ごはんと夜ご飯の間、夜ご飯の後など、小腹がすいたときに食べるとよろし、と書いてあったので、その通りにしてみた。 そしたら、ビタミンとかミネラルとかカルシウムとか、色々入っているらしく、肌の調子がすこぶる良くなってしまった。 少し前まで、顔面がカサカサしていたのに、しっとり。
ついでに、二の腕に慢性的に出来ていた肌荒れまで治ってきている。 恐ろしい、ビタミンの威力。
雑誌の広告とかに出ている、怪しげなダイエット食品も、おやつとして食べたら良いかも知れない。 ビタミンを信仰しそうだ。
2週間前に蚊に刺されていたが、その予後が思わしくなく、どうも見た目がライム病っぽくなってきた↓(皮膚病の写真が嫌いな人は見ないよろし) http://en.wikipedia.org/wiki/Lyme_disease ので、病院で診てもらったら、日本の保険適用の病院では、血液検査を勧められた。
でもこの病院は、前回保険が利くからと言って、痛くもない腹を探られた(ピロリ検査)覚えがあるので、念のため、サンタバーバラの病院で、セカンドオピニオンをもらいに行った。
ら、「蚊に刺されがアレルギー反応をおこしただけ」という診断結果。
患部が熱を持っていないのと、痒いだけで痛みがないのと、大体西海岸ではライム病は滅多にない、ということ。
しかし見た目にグロイので、隠したいところだが、長ズボンなど履くと、痒いのでスカート。 その上、足首と足指の付け根も刺されているので、ヒールの高いサンダルだけが患部に触らないときた。
ミニスカートにハイヒール。 足を見てください、といわんばかりのファッションでありながら、見ると牛の目のような患部が点々と・・・。
ホラーだわね。
で、もちろんNYに行ったら、美術館に行かねばなりません。 優雅に一日一件をチョイスして、急がず騒がず回りたいものです。 おほほほほ。
とか、上品ぶっているのではなくて、MOMAもメトロポリタンも、でかすぎて一日仕事だったのだ。 さらに時差ぼけで10時過ぎないと目が覚めないので、オープンと同時に行くのは不可能。 午後一くらいで入館して、夕方までじっくり見て回って、仕事の終わったジャバさんと合流というコース。 ふう。
モデルも一緒にいたのだが、彼女はかつて仕事でNYに長期滞在したことがあり、観光には興味なし。
一人で地下鉄に乗って、ガシガシ行く。
結論として、美術館の好き度は、MOMAの勝ち。 MOMAの方が展示が見やすい。 喫茶やトイレの設置方法がよく検討されている。 絵を見るのは良いです。 美しいものを見るのは良い。 見たものを、美しいと感じる事が大事。
でも奇をてらった作品は、好き嫌いがはっきりしてしまう。 どう考えても美しくない芸術品は、もうこの際遠慮したい。 腐っていくドーナツの展示とか、自分の体を針で刺す映像とかは、手前勝手ながら、芸術とは認めない。
メトロポリタンは、なんだか物を集めすぎて、どうしていいかわかりませんって雰囲気を漂わせている(ような気がする)。 日曜日で疲れていたのか、係員がにこりともしないのが窮屈だったし、荷物は小さいと預かってくれないし。
しかし、メトロポリタンで見た、メソポタミア関係の展示が、すごく気に入った。 発行されている本の写真は、人間にしか興味がないのか、人間の像ばかり掲載されているが、動物の像の造型が、皇帝のツボにはまった。 カバもライオンも牛も、とても良く出来ている上に、いちいちころころ丸っこくてかわいい。 水差しも、アヒルや羊の形をしていたり。 地域周辺の出土品も同時に見れるのだが、今中東と呼ばれる辺りの古代美術が、皇帝の心を強く掴むのです。
特に、きちんと正座をした銀の牛が、両手でコップを抱えている像が、キュート過ぎて眩暈がした。
ところで、このメソポタミア展示、全く人気がなかった。 エジプト展はとても混雑していたのに、ガラガラだった。 寂しい。 こんなにかわいいのに。
ジャバさんは仕事で行ったので、ほとんどコミックコンベンションに行きっぱなし。 皇帝は一人で街中観光だった。
NYは恐ろしい所だとよく聞くので、家に婚約指輪を置いてきた。 恐ろしいので、街中で地図を開いてぼーっとしてはいけないそう。 今回は地下鉄の地図とiphoneのGPSシステムだけを利用。 便利ね、iphone。 でも、ロスでは結構皆持ってるのに、NYではあんまり見かけなかったiphone。
初日はソーホーに行き、買い物三昧を楽しんだ。 でもアナスイ本店には失望した。
店員がプロフェッショナルじゃなくて、何の材質を聞いても、「さあ・・・」としか言えないし、そもそも人数が多いのに、皆お友達感覚で、立ち話に花が咲いちゃっている。 友達がお店に遊びに来たら、皆客をほったらかしにしてキャアキャア遊びに行っちゃう。 お菓子を食べる。 床に落としたお菓子を食べちゃう(土足だよ!!?)
一時店員業をした者としては、一言言いたい店員は山ほどいるが、何も言えなくなる時もあるのね。 まあでも、本店だからね。 営業や企画で入社したのに、人手不足とか言われて、休日に販売応援させられてるのかもしれないし(それは元うちの会社だ)。 女とゲイばっかりの職場で、いじめられて飛ばされたのかもしれないし。
でも買い物気分を激しく侵害された。
お隣の、タリナ・タランティーノで、ガーターを買った。 結婚式でガータートスをするから(何故そんなことをしなければならないのか、最大の謎)、ガーターを買うように言われていたので、かわいいのを見つけた機に買ってしまったのだ。 惜しいかな、このガーターは投げられてしまうので、自分の手元には残らないのね。 http://www.tarinatarantino.com/ 結構高いので、せめて捨てないで欲しいが、キャッチャーは男性なので、まあ捨てられるでしょう・・・。 ちなみにこのお店の本拠地はLA。
ブランドショップの展開は、ほぼLAと同じなので、特に見る必要はなかったが、さすがにセレクトショップが多く、おしゃれ〜な感じが漂っている。 お客さんも、LAよりおしゃれ〜でサイズが小さい。
そして、NY着倒れなのか、セレブ買いの人を多数目撃。 LAではそれほど見かけないのに・・・。 棚の端から端まで、ぜ〜んぶいただきますわ的な買い方。 絶対着ない服とかあるんだろうなーと思った。
オクラホマ食い倒れ。
ニューヨークは味付けが濃くて、料理はおなかが疲れた。
教皇が来ていたので、何度も道の真ん中で止められ、立ち往生し、回り道をする羽目になったが、それもまた旅の醍醐味と思えば(思えないがな)。
ブロードウエイの目の前に宿泊していたので、マクベスとライオンキングを見に行った。
ライオンキングは、小さな子供も多いし、騒がしいし、皆動くし、ディズニーランドのよう。 でもさすがに舞台装置の豪華さには圧倒され、満足。
マクベスは、なんと主役がパトリック・スチュアートおじさん(ピカード船長、もしくはチャールズ教授)だった。 演出もかなり凝っていて、怖い。 ミシェル・ティコティン(トータルリコールで、頭が爆発する寸前だった人)もちょい役で出ていた。 シートが前から三番目くらいだったので、目の前で見れて、本当に良かった。
ハリウッドでは、なんらハリウッドスターを目撃する機会などなかったが、NYでは、何故か大当たり。 ヴィゴ・モーテンセン、マット・デーモンと街ですれ違い、舞台で有名人を凝視できた。 すばらしい。
ジャバママがビワの栽培に成功したので、しばらくビワ食べ放題。
明日からNYに行く。 国内なのに、時差が4時間あるので、今から調整のために寝る。 ジャバさんの出張に、お荷物としてついていくのだが、出張ったって、こんなんである。 http://www.nycomiccon.com/App/homepage.cfm?moduleid=2577&appname=100453
ゲームや漫画が仕事となってからというもの、夫が遊んでいるのか仕事しているのか、区別がつかない。 居間でTVゲームしているから、「遊んでるなら片付け手伝って」とか言うと、「リサーチだもーん」とか言うのだ。
ちょっと憎い。
四月も半ばだというのに3日連続31度を記録したLA。 かと思ったら、海から冷たい空気がやってくるので、明日から最低12度に逆戻り。
この3日間で蚊に9箇所も刺されてしまった。
この週末は、ジャバさんがバチュラーパーティーでラスベガスに行っていたので、皇帝はモデルの彼氏の家で、モデルとお留守番していたのだ。 モデルは父がフィリピン人なため(科学的根拠無)、蚊に刺されないと豪語していた。 はたしてその通り、蚊に刺されたのは皇帝だけ。
痒いなあ、と思いながらベッドから起きたら、慣れない高さで踏み外して転落。 膝の内側をしたたか打って、夜中にのた打ち回ったりしていた。
あと、モデルが犬を欲しがっているので、二人でペットシェルターとレスキューに遊びに行った。 シェルターとレスキューの違いは、シェルターは保健所と同じく、捕獲した動物を一定期間後殺してしまうが、レスキューは助けることが目的なので、里親が見つかるまで、ずっと動物を保護する。
レスキューで、エルビスという名の白黒猫に出遭った。 福よりでかく、ハンモックに寝そべって、皇帝を胡散臭そうに眺めていたのだ。 しかも、かなりの不細工。 ハンモックからはみ出た足を触ってみたら(通常、猫は足触られるの嫌がる)、かったるそうに一二度つま先を伸ばしただけで、また腹を上にして、ハンモックでだらーんとしている。
ああ、なんということでしょう。 保護されている身でありながら、こんなふてぶてしい猫、きっと誰ももらってくれないに違いない。
とは思ったものの、一年以内に引っ越す予定もあることだし、落ち着いてからエルビスをまた見に行こうと思った。 その間に、よその家にもらわれて行ってしまうかもしれないが、それもまた運命。 レスキューだから殺されるわけではない(ために、エルビスはすでに2年間保護され続けている。。。)し、良いタイミングでうちに来るなら、それもまた運命。
しかし保護生活で沢山食べてないはずなのに、福よりでかいとはどうしたことか。 頭は福の1.5倍のサイズ。 通常の3倍といったところか。
結局、メイドさんが来る前に、家中を綺麗にしてしまった皇帝。 「さあ、どこからでもかかっていらっしゃい!あなたにこの家を更に美しくすることが出来るのかしら?」 くらいの態度で待っていたが、さすがにプロ。 シンクの黄ばみから、窓のサンまで。 とても綺麗になった。 よかった。
さて、ジャバさん実家の鶏が、老衰で一羽、亡くなられた。 もう一羽、頑として巣箱から動かないのがいたので、「あーこいつも長くないのかー」とか思っていたら、なんと卵を腹の下に隠していたのだ。 予期せずヒヨコが産まれてしまった。 産んだ先から卵をとられている鶏の意地。 一羽減ったことだし、大切に育てることになった。
大きくなったら、また美味しい卵を産んでくれ。
とかいっていたら、中庭に放流された錦鯉のうち、二匹が卵を抱えていることが判明した。 大変だ。 卵を亀に食べられる前に、隔離しなければ。
というわけで、ベビーラッシュのサンタバーバラでありました。
皇帝

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