皇帝の日記
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無事ハネムーンから戻りましたー。
今日は五ヶ月の戌の日なので、帰ってからジャバ夫さんに手伝ってもらって、水天宮の腹帯をぐるぐる巻いた。 簡単に産まれますように。
そして、本日はハロウィーンパーティー。 今まで、うまいことというか、なんというか、偶然にもハロウィーンにアメリカに居たことがなかったので、ハロウィーンにかける、アメリカ人の情熱を、知らずに生きてきた。 だが、今夜その熱狂を目の当たりにするのであったー。 じゃじゃーん。
ジャバ夫さんが、ハロウィーンコスチューム屋さんで、悪魔の耳とか色々買ってきたので、これから色々装着してみる。 一度しか着ないのに、コスチュームを用意する心意気。 どれだけこの行事を楽しみにしているのか。
異国のイベントに付き合ってもらったので、付き合い返さねばなるまい。
朝起きると、すでにロスに到着していた。 ホテルごと移動するから楽だが、今回は観光がほとんどできない旅行であった。 ラスベガスで遊んでいるようなものかしらん。
8時台に下船するという、結構な早起き(皇帝にとっては)。 荷物は昨晩のうちにまとめて、スーツケースも預けてあったので、入国に必要な書類だけ持って降りる。 てくてく歩いて行くと、アメリカ市民と外国人は別の列に別けられてしまう。 新婚旅行なのに、夫と離されてしまった。 3/4くらいの人々が外国人だったようで、ジャバ夫さんはさっさと居なくなってしまったが、皇帝は長い列に並ぶ。 ぼーっと並んでいたら、ジャバ夫さんから携帯に電話がかかってきたが、イミグレーションでは通話禁止なので、ちょっと出てすぐに切る。 出口で待ってるよ、とのこと。
中国系アメリカ人の家族がてくてく出て来たが、どうやらおじいちゃんだけ中国国籍だったようで、家族と引き裂かれて、外国人の列に並ぶ。 おじいちゃん、英語が話せないので軽くパニックしていたが、大丈夫だったろうか。 だったろうか、というのも、皇帝はこの後、おそらくおじいちゃんよりえらい目にあったので、見届けていないのである。
相変わらず色々質問されて、トラベルドキュメントの確認をされて、なんと初めて別室に入れられてしまった。 そして、また同じ質問を違う人にされる。 何度も質問されたのが、「夫は今どこに?」という・・・。 いや、だから、あんたたちが引き離したんだってば・・・。
トラベルドキュメントって、何度でも入国可能な筈なのに、「ハンコ押すスペースが無いから、もう一回申請して」とか言われた。 ハンコ押すとこ、一カ所しかないですから! だったら「何回でも入国可能」って書いてあるのは、何の意味が?? 「グリーンカードが来るまで、出国しない方が良いですよ」とか、親切そうに言われた。 なんで局員一人一人が「俺ルール」を持っているんだ、入国管理局。
結局、トラベルドキュメントの中で、比較的隙間が空いている所にハンコしてもらって、無罪放免となる。 それでいいなら、裏側にハンコすればいいんじゃん・・。
出口でジャバ夫さんが、じーっと待っていた。 熊ちゃんみたいだった。
良い旅行でした。 旅行と言うより、バカンスですか。
今日は海上移動だけ。 もう旅も終わりかと思うと、感慨深いような、もうそろそろ陸に上がりたいような。 船の上は基本あまり揺れないが、ずっとエンジンの音がしているので、飛行機の騒音を半分にしたような騒がしさなのだ。 寝ている間もずっと。 空調もききっぱなしだから、乾燥している。
朝起きると、朝食がこなかった。 朝部屋に運んでもらうためには、前夜に部屋のドアノブに、注文票をぶら下げておかなければならない。 ぶら下げておいたのに、忘れられたりしてこなかったのは二度目。 船が大きすぎるのか、システムがいい加減なのか。 別段急ぐ旅でもなし、朝食バイキングへ行って、済ませる。
ついでに船内を散歩し、アートオークションなどを覗く。 シャンパンが無料で振る舞われている。 アルコールってなんだろうか。 おいしいから飲んでいたのか、酔うのが好きだから飲んでいたのか。 今となっては思い出せない。 ふん。
昼飯を食べて、昼寝をして、おやつを食べた。 新婚旅行なので、巨大なチョコレートムースをサービスしてくれた。 だら〜ん。
七日も二人だけでする事が無いと、どうやら険悪になるカップルが続出のようで、時々エレベーターホールや廊下で、言い争う声がしてくる。 旅の始まりは、皆ラブラブモードだったのに。 夫婦とは不思議な物ですね。
うちは特に喧嘩するネタもないので、お互いに日焼けのチェックをして、焼けてない所をベランダで焼いたりした。 そもそも、旅をするたびに喧嘩していた原因は、道に迷ったとか、スケジュール通りに進んでいないとか、お腹がすいたのにレストランが無いとか、傘が無いのに雨に降られたとか、荷物が重いとか、そんな事ばかりであった。 衣食足りて礼節を知ると言う事か。 リラックスしたいだけなら、船旅はお勧め。 アクシデントが無いと、なんとも旅っぽくないのがあれだけど。
夕食後は、バーでWALL-Eを放映すると言うので、大喜びで観に行く。 日本ではこれから上映だと思うが、とっても良い映画だった。
朝起きると、カボサンルーカスに到着している。 メキシコ西海岸は、氷柱が垂れてるみたいな形の半島があると思うが、その先端の部分に船を停める。 北米の観光客が、最も気軽にバカンスに来れる所。
本日は、パイレーツツアー。 100年前に作られた、本物の海賊船に乗って、半島の近くまで行き、そこでシュノーケリング。
ジャバ夫さんは、すっかりシュノーケリングのファンになったので、朝からうきうきしている。 パイレーツ船に乗り込むと、思ったより新しげな船。 船長の話だと、一部は100年以上前の船をそのまま使っているが、大部分は70年前の船のパーツで、エンジンは最近のものだそうだ。 ペンキもきれいに塗られていて、古い感じがしない。 ちょっと残念。
船には、船長と、船長の息子と、船長の息子の嫁と、その4ヶ月の赤ちゃんが乗っていた。 もうすぐ赤ちゃんが産まれるのだというと、抱っこさせてくれた。 たら、でかい。 赤ちゃんがでかい。 皇帝の体の半分くらいある。 顔なんか、すでに同じくらいの大きさなんじゃないだろうか、というくらい。 うう、やはり西洋の子供はでかいのか。 4ヶ月と言いながら、首もしっかり座っている。 きっとこの子は、船酔いなんかしないんだろうな、と思った。
さて、シュノーケリング。 明度はやっぱりいまいち。 でも岩場が多かったので、魚は沢山居た。 フグを追いかけて、バシバシ泳いで行く。 と、なんだか腕や足が、チクチクする。 でも大して痛くないので、「チクチクします〜」とか言いながら、かまわず泳いでいた。 後でわかったが、チクチクしていたのは、目に見えない程小さなクラゲで、後日ばっちりクラゲ型に赤くなっていた。 皇帝にしては珍しく、腫れも無かったので、きっと毒性もあんまりなかったのでしょう。 ジャバ夫さんは痒がっていた。
午後にはもう船に戻って、シャワーを浴びてのんびりモードに。 後は、またドンブラコッコとロスに帰るだけ。 船内の劇場で、ハルクの新作を上映していたので、観に行く。 ハルクスマーッシュ!とか、必殺技を叫ぶハルクに大笑い。
映画の後、今夜はフォーマルナイトなので、正装するように、と通達を受けて、ドレスに着替える。 母が兄を妊娠している時に着ていたドレスを着る。 お腹がゆったり。 夕日を見にデッキにあがると、ものすごい強風で、両手足を広げたら、飛んで行けるんじゃないかと言うくらい、煽られた。 タイタニックのポーズをとったら、間違いなく飛ぶくらい。
夕飯を食べてから、売店でなんか良いお土産ないかな〜と探してみたが、面白いくらいになにも無い。 ダイアモンドセールとかしている。 価格帯がお土産ではない。
夜はシアターへミュージカルを観に行く。 ショーのたぐいは、入場料を取られるわけではないので(つまり、はじめから料金に含まれている)見ないと損なのだ。 入場料を払っていないせいか、子連れが騒いでいると、普段なら目くじらたてて怒る奴らが、比較的寛大。 トイレに立ったり座ったり、出入りしても、特に誰も嫌な顔をしない。 三歳くらいの小さな女の子が、舞台の上のダンスにつられて、通路で踊りだして、かわいかった。
ショーが済んだら、ロビーでシャンパンタワーのパフォーマンスが行われ、ジャバ夫さんが皇帝の分まで飲む。
そういえば、パイレーツ船に同乗していた老人が、ものすごくジャックニコルソンに似ていた。 というか、むしろ本人なんじゃないか。 と言うくらい似ている。 「ジャックニコルソンに似てるって言われませんか?」と声をかけるのは、失礼なんだろうか。 いや、でも、なんでスパイダーマンのキャップをかぶっているのか。
悶々としていると、隣でジャバさんも、人差し指をクイクイ曲げて、シャイニングのポーズをとっている。 そして、目で皇帝に訴えかけている。 そうですよね、ジャックに似てますよね。 ああ、でもそんな事を、この狭い船の上で言って良いものだろうか。 人違いかもしれないし。 着替えのTシャツや、持ち物は、ことごとくユニバーサルスタジオのキャラクターグッズ。 間違いない。 間違いなくロスの映像関係者だ。 だとしたら、きっと彼の人生で100万回くらい、ジャックニコルソンですか?と聞かれているだろう。
結局聞けなかった。 そして夜は、狙ったかのように衛星テレビで、ジャックニコルソン特集を放送していた。 あー聞きたかった。
昨日の夜、プエルトバラルタを出港し、今朝はマザランに到着。 蒸し暑い。 本日のツアーは、古町探索ツアー。 ミニバンに乗って移動する。
なんだか頭の弱いカナダ人の娘二人と、行儀の悪い南部家族と一緒になってしまった。
レンガ一個作ってなんぼ、で働いている地元の職人さんに、「かわいそー」とか「罪悪感を感じるわ」とか連発するカナダ娘。 君等の頭の中の方がかわいそうだ。 カジキを釣り上げた漁師さんが、獲物を見せてくれたのに、「気持ち悪い!」と絶叫したり。 カジキを気持ち悪いと言った人を、初めて見た。 魚食べた事がないのか。
父親と夫婦という組み合わせの超肥満家族は、ミニバンの中でスナック菓子を開けて食べ始める。 せめて同行の人に、物を食べてかまわないか、聞け。 車内に食物の匂いが広がって、気持ち悪くなるかもしれない人がいるかもしれないとか、考えて。
とまあ、同行人には恵まれなかったものの、町は色々覗けて、楽しかった。 パン屋さんの釜を見せてもらったり、タイルの作り方を見せてもらったり。 築400年の教会は、小ぶりながらスペイン建築らしい様子で、とってもデコラティブだったし。 ネイティブショーでは、体に縄を巻いて、高い柱からぐるぐる回りながら降りてくる儀式も見れた。
相変わらず、町の中にはウロウロしている犬が多い。 パン屋の前には、特に「パンくれないかな〜」という顔をして待っている犬が、群れていた。
色んな木が沢山生えている。 そんな山を見ていると、ああ、やっぱりカリフォルニアは基本土漠なんだ、と思う。 ロスもサンタバーバラも、沢山生えていると言うより、単独で時々生えてるっていう感じの木が多いと思う。
お昼過ぎに船に戻って、ジャバ夫さんと映画を見たり、昼寝したり。 だらだら過ごして、夜は船内のステーキハウスで。
近くの席の話に耳を傾けていると、ものすごく知的で大人なカップルがいるかと思うと、胸掻きむしりたくなる程お馬鹿な人々がいるのもわかる。 これから二人で精進して(ついでに腹の子も)、素敵な家族を作りましょうね、と新婚旅行らしい決意をしたのでありました。
食後、月を見にデッキに上がると、ジムの電気がまだついていて、中でクルーが運動しているのが見えた。 船内で働いている人のほとんどが、フィリピン人かスイス人。 この二国に船員になる学校と、エージェンシーが集中的にあるそうで、外のスタッフ以外にも、中に居るエンジニアなんかも、だいたい出身が同じとか。 英語を話しているけど、かなりなまっているので、注意して聞かないと、良くわかんなかったりする。 クルーはきっと、ふくよか過ぎる客を毎日見て、自分を戒め、明日ために深夜運動しているのでしょう。
朝起きると、最初に停まるプエルトバラルタという港に着いていた。 快晴で、ベランダに出ると、暑い。 空気がもわ〜っとしている。 30度以上ありそうだ。 メキシコは暑い。
もわーっとしながら、日焼け止めを塗り塗り、港に出て、あらかじめ申し込んでおいたツアーに参加する。 シュノーケリングと、小さな村散策ツアー。
色々なツアーがあるのだが、乗馬ツアーとか、モトクロスツアーとか、ジャングル(木と木の間を、ターザンする)ツアーとか、テキーラ工場ツアーとか、妊婦には参加できないものばかり。 あんまり動かなさそうなツアーを選んだのだ。
すると、ツアーはやはり肥満過ぎて機敏に動けない人々か、膝を壊したお年寄りばかり。 もったり小さな船で出発。 小島に着く。
ガイドに連れられて、シュノーケリング開始。 ちなみに、スキューバダイビングは妊婦は禁止。 水圧がかかるのと、体内の空気圧が変わってしまうのと、窒素だのなんだのが溜まってしまうので。 せっかく免許持ってるけど、今回は潜水無しのシュノーケリングにしておく。
海はさほどクリアではないが、まあまあ明度がある感じ。 ジャバ夫さんは実はあんまり泳ぐのが得意でないので、救命胴衣を着けたまま、手を繋いで泳ぐ。 皇帝は、はじめ胴衣を着けていたが、あれを巻いていると、自分の意図しないところで波にあおられて身体が浮かび上がったりするので、さっさと外してしまった。 人間の体は、浮くように出来ているのです。 まして海水。 溺れると困るので、足首に胴衣をくっつけて、岩の間を泳ぐ。
タコに墨を吐かせたり、フグを怒らせて膨らましたり、ヒトデをそっと移動させたりした(迷惑)。 ジャバ夫さん大興奮。 ウニもいた。 潜水はできませんが、逆立ちするくらいは良いんでないでしょうか。 腹は潜らないし。
小島に上がって、村を探索する。 歩いているうちに、暑いので、どんどん水着は乾いていく。 もわ〜。 村は山あり谷ありの坂だらけで、村人は適当にレンガを積んだ家に住んでいて、どの家もドアが無い。 きっと泥棒がいないのでしょう。 そして、人より犬が一杯居る。 犬は暑いので、道端で適当に寝ている。 ウン○も、適当なところでしているので、要注意だ。 首輪とか着けているのは居ない。 猫も鶏も、適当に歩いている。 学校がないので、子供達は船で大陸側に通っているとのこと。
老人速度でずんずん歩いていくと、滝に到着。 地元の人が泳いでいるので、暑さに耐えかねて、皇帝も泳いでみる。 滝に打たれてみる。 強い子におなり。
さて、更に老人速度で村をうろちょろする。 坂だらけで、森に挟まれていて、時々唐突に竹とか生えている。 この田舎っぷりは、デジャブ?とか思ったが、皇帝の実家の近所に似ていることに気がついた。 横浜の皆さん、緑区の森の、ちょっと南国風味な感じですよ。
浅い川を、歩いて渡って、船に帰る。 夜は予約していた船内レストラン、サバティーニへ。 量が半端ない。 前菜でほぼ満腹になり、メインは半分も食べられないという、なんだかよくわからない罠が・・・。
本日も引き続き、海の上を移動。 見渡す限り海。
朝は、昨晩予約しておいた、シャンパン・ブレックファストなるルームサービスが来る。 朝食からフルコースで、シャンパンまで付いてきてしまうのだ。 おいらはアルコール抜きだけどな!(この旅はこればっかり・・・)
朝からフルコース・・・げふう。 としていると、ちょっとだけ水平線に陸が見えたり見えなかったり。 テレビで、映画「ジャンパー」がやっていたので、うっかり見てしまう。 見なければ良かった、と皆言うので、どのくらい見なければ良かったのかと思って見たが、本当に見なくても良かった。 とか言ってると、気になって見ちゃう人が居るだろうか。 うふふ。
子供の居ないプールがあるというので、行ってみた。 ジャバ夫さんは、その隣にあるジムで、また走る。 そんな小さな善行で、朝食べたフルコースとシャンパン一本が帳消しになると思ったら、大間違いだ。 ふっふっふ。
プールの中は、またしても良いダシの取れそうな人たちばかり。 しかも、泳ぐ気がないのか、際のところでまったりと浮かんでいるだけ。 20分程ぐるぐる泳いで、わきのジャグジーで暖まって、ジャバ夫さんと合流。 お昼にピザを食べて、ジャバ夫さんはビール。 皇帝はおとなしくジンジャエール。 別に・・うらやましくなんかないもんね!
船内のピアノバーで、生演奏を聞きながら、ジャバ夫さんはマティーニ。 皇帝はトマトジュースを飲む。 ふん。 夕飯は部屋のベランダに運んでもらって、だらだら食べる。
インターネットバーに行ったら、開いていたので、ちろっと入ってみたが、接続に時間がめちゃかかる上に、一分いくらで計算されるので、メール一個やり取りするだけで、6ドルくらいかかってしまうことがわかった。 つまり、陸との交信もするなってことっすか。 そうすっか。 と、すごすご部屋に帰る。
本日は、父と母の33回目の結婚記念日でした。
さて、船は太平洋の上。 海上最大のインターネットカフェ、とやらがあるのだが、接続不良のため閉室。 もはや、だらーんとする以外に、何もない。 それがハネムーン。
二人でだらーんとしながら、甲板にあるプールへ繰り出し、ジャグジーに入る。 子供や幼児が多いので、プールで遊んでいると、蹴られるかも?という心配もあったし、やはり冷水に浸かるのは、妊婦は避けたほうがよろしかろう、ということで、ほかほかジャグジー。 ジャバ夫さんは、胎児が煮あがるのを心配して、15分浸かったら上がること、とジャバルールを発令。 こんなぬるま湯なんですが・・・。
こんなぬるま湯に浸かっているのは、ムササビになって、空も飛べるかもしれない肥満の老婦人、紳士ばかり。 一緒にグツグツ浸かっていると、良いダシが取れそうな風情だ。 ワンピースの水着がきついので、腹出しのビキニを着ているというのに、誰にも「何ヶ月?」とか聞かれない。
多少煮れたので、一度上がって、冷たいジンジャエール(つわりに効くらしい)を飲んでいたら、ジャバ夫さんが「ジムに行く」と言い出す。 そうです。 ムササビはいけない。 危機感は大事。 ジャバ夫さんがジムで走っている間、甲板で昼寝をして、だら〜んとしてから、またジャグジーに浸かって、だら〜んとする。
部屋で衛星の映画を見たり、ベランダで果物を食べたりしながら、夕食までだら〜んとして、夜は星を見る。 海上は照明がないので、空が良く見えます。 だら〜ん。
出港の緊張からか、安定期に差し掛かってから考えると、つわりMAXな状態で、新婚旅行に出発!
おえ〜。 っとしながら、ジャバ夫さんの友達の車で送ってもらって、サン・ペドロという港へ行く。 ハイウエイから降りる道路が大渋滞で、かな〜り時間がかかる。 全部港に出る車なので、毎日渋滞してるんではないかと思われるが。 今まで散々空港のシステムに文句を垂れてきたが、船の方がよっぽど待たされる。 どうにかしたらいいのに。 休日だけ公共の交通手段を作るとか。 アメリカ人は、公共のものを皆でシェアするというのが、どうしても嫌いのようだ。
ぶーたれながら、船へ。 船は93番口から、とチケットに書いてあるが、何が93番なのか、よくわからない。 そうしている間にも、気分はもうおえ〜っとなっているので、ジャバ夫さんに任せて、ずるずる移動。 今回乗るのは、タイタニックよりでかく、2000人以上の客が乗り込む大型船なので、港でも高層ビルが停泊しているかのごとく目立つ。 だから、93番がよくわからなくても、船に向かって進めば良い。 ずるずるしていると、パスポートを見せたりしているうちに、いつの間にか船に入っている。
ジャバ夫さんが頑張って、今回はハネムーンらしく、スイートルームに宿泊。 たらーん。 地上のホテルのスイートに比べれば、面積的にはやや小ぶりだが、水周りの設備がちゃんと揃ってて、ベランダが通常の部屋の三倍の広さ。 オーシャンビュー。 (一番安い部屋だと、船の内側なので、窓がない) ひゃっほー!
と浮かれていると、出発前に避難訓練開始。 船長の支持が放送で流れ、救命胴衣を持って、7階ロビーに集合。 火災を想定した訓練だったので、エレベーターは使わず、階段で。 皇帝の部屋は10階だから、もし船が沈むんだったら、ベランダから海に落ちたほうが・・・とか不埒なことを考えながら、色々説明を聞く。
お客が全員集合しているわけだが、70%くらいの客が、時々ニュースでベッドから動けなくなって、救出される肥満の人並みの体型をしている。 ジャバ夫さんが細く見える。 ジャバ夫さんが椅子を確保してくれて、皇帝を座らせてくれたけど、座っているのが申し訳ないくらい、他の人が重力に苦しめられている。 妊婦なのに恐縮。 というか、誰も皇帝を妊婦だとは思っていまい。 やせっぽちの幼児体型レベルだ。
日暮れとともに船は出発。 船内を探検。 甲板には室外プールが二つ、屋根つきが一つあり、周りにピザスタンドとホットドックスタンドがあり、それぞれ無料。 船内には24時間無料のバイキングレストランと、夜無料のレストランが3件、有料レストラン(要予約)が2件。 おデブちゃんたちが、食っちゃ寝食っちゃ寝して、だらだら海の上を移動するのですね。 シュール。
ショッピングアーケードと、映画館、カジノもある。 カジノは喫煙可なので、皇帝は近づけない罠。 ついでに、船内あっちこっちでアルコールサービスがあるのに、飲めない。 各階のあっちこっちで、バンドが生演奏をしているので、グラスを片手にジャズやクラシックを聞くもよし。
夜にはつわりも治まり、海上に映る月を見ながら、ベランダでだらーんとする。 旅の間中、ずっとだらーんとしている。
今15センチ程度ではないかと思われる赤子。
どうだろう、このぐらいで、母親に気がつかれぬうちに産まれて、自力でお腹の外の袋に入り、袋の中のお乳を飲んで、成長するのだ。 ある程度大きくなって来たら、時々袋から顔を出して、観光客にちやほやされれば良い。 やがて袋が狭くなって来たら、自力で母の背中にはい出して、首につまっていれば良い。 母は両手が自由に使えるので、優雅にユーカリを食べて、授乳で失われた栄養素を補給するのだ。
父は暇と土地さえあれば、ユーカリを植樹する。 ボーナスはすべて、ユーカリの苗木を購入する資金になるのだ。
やがて地上は緑に覆われ、二酸化炭素も激減し、温暖化も緩和し、北極の氷も厚くなり、海岸線も下がる。
人間は有袋類になるべきだ。 というか、コアラになったら良い。
と、昨日食欲のない時に考えていた。
今日は豆腐のみそ汁作ったよ。
皇帝

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