皇帝の日記
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痛みの果てに、何かあるんじゃないか。 というか、痛いけど、更に上を行く痛さがこの世にあるんじゃないか。 そんな求道者的な考えが、判断力を鈍らせている気がする。
6日に、ベッドから起き上がって歩くように言われたのだが、これがとてつもなく痛かった。 これが噂に聞く、開腹手術後初歩きか。 いてー。 本当にこんなに痛くて、大丈夫なんだろうか。 いや、皆が痛いって言うんだから、このくらい痛くて当然だ。 我慢しよう。
というわけで、また我慢してしまったのだが、なんとこの前に痛み止めの点滴を抜いた事をナースがすっかり忘れていて、痛み止めの経口薬を皇帝に渡していなかったのだ。 痛み止めなしで、トイレにまで行ってしまった。 死ぬんじゃないかと思ったけど、我慢していた。
ばかばかばか! もう我慢なんてしない。
というわけで、ナースに痛みのレベル(1−10)を聞かれるたびに、 「もうレベル8くらいの痛さっすね!」 と、張り切って答えていたら、やたら強い痛み止めをがんがん飲まされて、しばらく眠りから覚めなくなってしまった。
昨日今日、ようやく薬を半分にしてもらったので、1時間くらいぶっ続けで起きていられるようになった。 でも眠い。
個人部屋で、術後すぐに赤ちゃんと同じ部屋に閉じ込められたので、イサムさんと好きなだけ引っ付いていられるのは良かった。 おむつ替えと授乳は、ジャバ夫さんがやっている。
今朝は横浜のじじも来てくれたので、イサムさんお披露目。
明日は退院できるもよう。 本当にこんなラリラリで退院しても良いのだろうか。 眠い。
これから語られる物語は、あまりに恐ろしいので、怖いのが苦手な人は回避されたし。 どろどろー。
なんだかスピーディーな展開だったので、これを難産と言って良いものかどうか迷うのだが。 たぶん、100人中100人が「最も選びたくない出産コース」に挙げる自信のある歩みであった。
あと、思ったより自分は痛みに強いという事がわかった。 新しい発見だ。 ちょっとしたことで大げさに痛がる割には、耐えられる痛みの上限が、かなりハイだ。 というか、耐えすぎたのがいけなかったのか。 いや、なにがいけなかったとか、自分で運命を選択できるもんではないな、と思った。
さて、何が起こったかというと。
まず、3日午後に超音波検査をしたところ、羊水が足りていないと診断された。 赤ちゃんの周りに、全然スペースがない。 このままにしておくと、自然分娩ができなくなるので、今日生んでしまいましょう、ということになったのだ。 今日!?
朝ロスに送り出したばかりのジャバ夫さんを、再び電話で呼び戻し、入院の準備をして、夕方もう分娩室に座っていた。 まあーどうしましょう。 今日中に生まれたら、お節句生まれだわ。 などと、この辺りまでは暢気にしていた。 義母と、「出産前の私」「病院食を食べる私」とか言いながら、写真撮影をしている余裕ぶりであった。
17時、看護婦さんが、陣痛と胎児の心拍数を計る機械を持ってきて、装着してくれたら、「あら、もう陣痛始まってますよ」と言われた。 言われてみれば、痛い。 でも、ちょっと激しくお腹がはってるのかなーくらいに思っていたのだ。 投薬しなくても勝手に陣痛が始まっているなら、これは自然に安産なんでないの?とすら思った。 ジャバ夫さんが到着し、義父母と付き添いを交代する。
が、子宮口が0.5センチから一向に広がらないので、20時に子宮頸管を柔らかくする薬を投与。 この時点で、ようやく陣痛が強くなり始め、痛いー痛いーという波に。 でもまだ暢気な皇帝。 「ドラマみたいね、うふふ」とか思いながら、武士らしく黙って痛みに耐えていた。 武士じゃないけど。
夜中に隣の部屋に、別の妊婦さんが担ぎ込まれてきて、「ぎゃああああああああああああ!!」と大騒ぎを始めた。 うっそんなに痛くなるのか、とびびったが、なんとこの妊婦さん、すでに無痛分娩の処置が済んでいるというのだ。 あんまり激しく悲鳴を上げるので、看護婦さんたちが「本当に薬入ってるの?」とか、「まだ陣痛始まったばっかりなんだけど」とか大声で確認しているのが聞こえてくる。
あ、もしかして、私も悲鳴とか上げてみるべき? とかちらっと思う。 でもここは粛々と痛みに耐え、一応控えめに「痛くて眠れないです」と言ったら、お尻にモルヒネを打たれてしまった。 痛い。 お尻に打たれた注射の方が痛い。 やっぱり黙っていよう。
うつらうつらしていたら、どばーっと液体が出て行った気配。 破水かしら?と思いながら、痛くて何もする気になれないので、ジャバ夫さんに「破水かどうか確認して」と言って、またうつらうつらしていたら、ジャバ夫さんが何か言いながら、部屋を出て行ってしまった。 どうもこの時、大出血したらしいのだが、ジャバ夫さん、何故か皇帝を驚かせないようにしようと思ったらしく、ナースコールではなく直接ナースを呼びにいっていたのだ。 一人でいるときに、またどばーっとなったが、痛みに耐える事で頭がいっぱいになっていたので、じっと我慢していた。 ナースが来たので、何か言おうとして口を開いたら、なんと吐き戻し。 ベッドの上が惨劇状態。
で、何故か走り続けたマラソンランナーのようにハイになってしまった皇帝は、「まだ耐えられる」と思っていた。 子宮口は朝8時でまだ2センチ。 ここで出産のスピードアップを狙って、医者が人口的に破水。 更に一時間粘ったところ、胎児の心拍数が落ち始めたので、また羊水を戻して、プレッシャーを減らす作戦になったらしい。 どんどん体につながる管が増えていくので、「あーもしかしてあたし難産なんじゃー」と思ったら、ようやく「痛いー」と声に出てきて、10時には医者が数人やって来たのであった。 自己申告なのか?
この辺から、胎児の心拍数ががくっと落ちたので、なんと帝王切開に。 ああ、結局背中から注射。 だったら始めっから無痛分娩をお願いしたのに。 14時間の陣痛の末に帝王切開って。
こっからが早いもので、30分ほどで赤ちゃんは無事外へ。 結局、最後は赤ちゃんの足にへその緒が絡まっていた事が判明。 で、へその緒が絡まって引っ張られて、酸素が足りなくなって、心拍数が下がっていたのだ。 あー。
自然分娩をしたいから、その日のうちに入院したのに。 全ての目的を外しまくって、そのように落ち着いたのでした。
そして、帝王切開なのに4日で退院しろって言われた。
とりあえずベッドから起き上がれるようにならねば。
2520グラム。 47センチ。 イサム君、3月4日生まれです。 目が何故か青いです。
出たというか、出したというか。 ちょっと小さいけど、母子ともに元気です。 来週には家に帰れるので、また更新します。
眉毛が金髪。
そんなわけでサンタバーバラにプチお引っ越しをした。 なんと、ゲストルームの半分が、おもちゃ満載の遊戯室になっていた。 さすが初孫だ。 どちらの親に取っても初孫なので、横浜のじじも、初節句の準備に余念がない。 この子は産まれたら、インドの王様のごとく甘やかされてしまうのではないだろうか。 まあ我が世の春は、下の子が来たらすぐに終わるんだけど。 ふっふっふ。
気になるのは、用意されている靴下の数。 日本のお母さんが、あんまり要らなかったものTOP10に挙げる、赤ちゃんの靴下。 これが大量にクローゼットに配備されている。 歩かないのに何故。 と思ったが、家の中でも皆靴を履いているわけだから、外出時だけ足を覆えば良い日本の赤ちゃんと違って、いつでも足をなんかで包んでいないといけないのかもしれない。 朝ベッドから出る時に、もう靴下を履くのだろうか。 どうなんだろう。 皇帝は大人だけど、靴下が嫌いだから、朝起きたらサンダルだ。
さて、来て早々、夜中に陣痛もどきがやってきて、隣でいびきをかいているジャバ夫さんを叩き起こして、大騒ぎしたのであった。 陣痛の練習みたいな痛みで、人によって有ったり無かったり、痛みも強かったり弱かったりするらしい。 これが、とっても痛かったんだ。 しかも3時間ぶっ続けで。
あんまりしつこく痛いので、もう産まれるんじゃないかしら?とまで思い、夜中にモソモソ入院の準備までしてしまった。 冷や汗が出たり、唸ってみたり。 ジャバ夫さんは暢気なもんで、「大丈夫〜?」とか言いながら、時々起きては、またいびきをかいて、皇帝に起こされたり。 結局3時間後に痛みは消えてしまったので、どうやら今回は違うらしい、とようやく眠れたのであった。
ああびっくりした。 翌朝はちょうど定期検診であったので、医者さんに訴えてみたが、いつも通り「フツーです」とのお言葉。 指の先を針で刺されて、前回不足していた鉄分が回復しているかどうか調べ、ついでにバクテリアに感染してないか調べてもらったりした。
もしかしたら、赤ちゃんの頭が大き過ぎるかもしれないから、超音波検査してきなさい、と言われたので、今日また病院に行かなければならない。
前駆陣痛は、出産までの間、何度かあるかもしれないそうなので、嫌だなーと思っている。 そんなに痛いなら、もう産まれちゃえば良いのに。 痛みの練習って何だ。 痛いだけで産まれなかったらもったいないじゃないか。 と、ブツブツ言ってみる。
早く無事に出てこないかなー。
昨日は更新後、また二時間くらい停電したので、ケンタッキーでチキン食べてきた。
サンタバーバラに二ヶ月はいるだろうから、色々準備を整える。
まず、冷蔵庫の中身を全部使って、さくさく料理する。 カレーと、煮物と、ハンバーグを作ってタッパーに入れておく。 料理にしないで、具材だけ置いて行ったら、間違いなく腐らせてしまうだろうから。
次にお掃除。 お掃除中の注意点を、気がついたらメモに書いて、ぺたぺた部屋中に貼って行く。 「フェイスタオルで床を拭かない」とか。
洗えるものは、全部洗っておく。
これで、二ヶ月ジャバ夫さんは一人で生きて行けるだろうか。 いや、生きて行けるのはわかっているのだが、生活できるだろうかという問題。 サバイブではなく、リブできるか。
他所の旦那さんが、妻のお留守番中に心配〜、なんて話を聞くと、「子供じゃあるめーし」と思っていたが、確かに心配だ。 旦那が心配というよりは、家が心配だ。 一体留守中に、どんなジャングルダンスなことになってしまうのか。 乞うご期待。
さて、妊婦服を全部鞄に詰めて、クローゼットの空いた所に、妊娠前の服を詰め直していたら、その小ささにぎょっとした。 BEBEのジーンズが00だ! ぎょえー、太ももまで入るかしら。 試しに履いてみようとしたら、なんとふくらはぎから上に上がらない。 しょえー!! ベッドの上でゴロゴロ転がってみたけど、どうしても膝より上に上がらない。 産後はどうなるのやら。
ところで、太って顔が丸くなってくると、このボーカルの人に似ていると言われる。 http://www.youtube.com/watch?v=5OLjDpvZEDQ&feature=related たまたま帰国中に、テレビで懐かしのヒット曲を流していた時、「あ、皇帝が歌ってる!」と夫に言わしめたくらいに似ている。
そういえば、皇帝兄も、古いアイドル顔と言われる。 わしら産まれるのが遅過ぎた。
気分は伊達政宗。
でも二人とも音痴なので、早く産まれていても天下は取れない。
朝起きたら停電していた。
そのうち復旧するだろうと思って、近所のコーヒー屋さんで朝ご飯を食べ、ジャバ夫さんを送り出してアパートに戻ったら、なんとオートロックで閉め出されて、中に入れない。 電動だから。 別の住民が出てくるのを待って、するりと中へ。
帰ってからも、全く電気の気配がない。 サンタバーバラに行くから、掃除して洗濯しないとな〜と思っていたのに。 困った。 と、思いながらも、服やら哺乳瓶やらおむつやらをパッキングし、電気の要らない掃除をしていたら、近所に引っ越してきたお婆ちゃんがやってきた。
お婆ちゃん、多分90近いんじゃないかってくらいよぼよぼしているので、玄関のベンチを勧めたら、それから延々とおしゃべりを初めてしまい、伝記が書けるくらいにお婆ちゃんの人生に詳しくなってしまった。
お婆ちゃんの両親はギリシャ系移民。 お婆ちゃんは昔ヒッピーだった。 サンタバーバラでマリファナを吸って、ハイになって、海岸でハイヒールを無くした。 その時将来の夫に出会った。 子供は6人。 でも6人も産むと、骨が曲がる。 子供は3人で良い。 パクチョイは茹でると美味しい。 夫が7年前に亡くなったときは、死にたいと思ったが、6人の子供が支えてくれたから、乗り切れた。 妊娠中はソファーで居眠りしない方が良い。
というような事を、皇帝の返事とは関係なく話し続けていた。 途中で、記憶の中の誰かと皇帝が混じってしまったらしく、韓国でスチュワーデスをするのは大変でしょ?とか言われた。 そんな素敵なキャリアは持って無い。
やがてお婆ちゃんは隣の家に襲撃をしに行ったので、夕方昼寝を決め込んで、起きたら暗闇。 なんと、日が落ちても電気が戻っていない。 仏壇のロウソクと、結婚式のお祝いにもらったキャンドルに点火して、暗闇の中に座っていたら、外の人が「水が出ない!」と叫んだ。 そいつあ大変だ。 と、蛇口をひねったら、確かに水が出ない。 おーのー。
ジャバ夫さんに電話をしようと思ったら、電話の充電も切れそう。 おーまいがー。
トイレにも行けないぜ。 それから1、2時間くらい、更にふて寝を決め込んだら、突然拍手の音で起こされる。 どうやら、電気が蘇ったのであった。
あーびっくり。 そして、すっかり元通りになった頃、何も知らないジャバ夫さんの帰宅。 大変だったんだからねー、と言っても、あんまり大変な感じが伝わらなくて、がっかり。
話の大半がお婆ちゃんの情報だからか。
今日は母の月命日なので、仏壇にはミカン。
昨晩すき焼きだったので、今朝残りの汁でおじやを作ったが、ジャバ夫さんはあんまり好きじゃなかった様子。 でも、好きじゃないとは言わない。 なんとなく、箸が進まないのを、妻は観察。 べちゃべちゃがいけないのかな?
さて、大人になると、ゲームをやりすぎても、誰も叱ってくれない。 そんな発見に戸惑いつつ、そういえば母はいつも一日1時間とか2時間とか、制限をつけていたな、と思い出してみたりした。 ぽちぽち。
少ししんみりしたので、誰にも叱られない自由について、考えてみた。 そうだ、あれをやってみよう。 あれ。
大量のコーンスターチ(片栗粉)に手を突っ込んで、ぎゅっぎゅっとする。
丁度、タッパーのなかの粉を使いきったので、新しく箱から出さなければならない。 新しい粉に手を突っ込んで、良いものだろうか。 いや、良くない。 良くないからこそやってみようと言う話じゃなかったか。 しかし、今やバイオ燃料の原料にもなっているコーンの粉を、粗末にしてはいけない。 別に捨てるわけじゃないけど。 でも、もふ〜っと舞い上がるかもしれない。
で、結局やったんですが。
やろうかどうか悩んでいる人がいたとしたら、是非一度やってみたら良いと、お勧めしておこう。 一度やると気が済むから。 洋服にくっつくと、繊維に絡んで、はたいても取れないので注意。
ところで、ジャバ夫さんの仕事が週末にこんできたので、今週末の検診が延期になってしまった。 つまらないので、大きなお腹に絵を描いて遊んだりしてみた。 それから、義母に 「今週末行けないから、来週頭に行きます」 と連絡の電話をしたら、後ろでピコーン!ポコーン!とパズルの音が。 「ゴーレムが何度やっても死なないんだけど・・・」 ここにもゲームやりすぎても怒られない人がいたよ!!
でも義父はすねてるらしい。 かまってもらえないから。
暁を覚えず。 毎日よく寝ている。
ジャバ夫さんは宵っ張りなので、たいてい日付が変わって1時とかに眠る。 で、起きるのが朝8時。 朝食べて、お弁当包んで、送り出すのが9時半前後。 それから妻が何をするかと言うと、なんと又寝る。 ぐ〜ぐ〜。 お昼にお腹がすいて目が覚める。 時々、そのまま目が覚めないで、おやつという時もある。
元々良く眠る人だが、妊娠後期から、やたら睡眠時間が延びている気がする。 それで、夜眠れないかと言うと、そんな事もなく。 朝はやっぱり起きるのがおっくう。
でもやっぱり、一日中外に出ないのは健康に良くないんじゃないかと思うので、お昼寝から目が覚めたら、できるだけ近所の散歩をしている。 毎日ちょっとずつ用事を作っては、ちょろっと出かける。
実は家の近くからブルーバスの3番が出ているので、サンタモニカに出ようと思えばいつでも出れるのだが、そこまで行ってしまうと、疲れたときサッと帰れないので、バスの冒険は出産後にとっておこうと思う。
さて、体重管理のために、カレンダーに毎日体重を書き付けているのだ。 今月に入ってから、実に3キロ増。 これはいけないんじゃないか。 と思って、「最近すごい速さで太ってるんだよね」とジャバ夫さんに言ったら、「いや、痩せたよ」と言われた。 そんな筈はない。 だって、確かに体重は増えているのだ。
ジャバ夫さんによると、顔が痩せてきた、とのこと。 言われてみれば、そうかも知れない。 妊娠初期に丸々としていった顔が、ちょっと普通くらいになった、気がする。 手指も、コロコロになっていたのが、細くなった気がする。
じっと全身鏡で見て気がついたが、増えた体重は全部お腹についているのだ。 ものすごい勢いで、お腹だけが大きくなっている。 でーんと。
後期に体重を増やさないという事は、自分の体重を減らして、赤ちゃんだけ大きくするという事か。 理屈はわかるが、それってものすごい難しいのではないだろうか。 だって、本体の脂肪は減らなければならないのだから。 しかも、一応食事に気をつけて、本体分は減らしつつあるというのに、容赦なく赤ちゃんはどこからともなく養分を奪ってきているのだ。
予定日までまだ一月もあるのに。 やっぱり寝てばかりいないで、積極的にお散歩して、母子ともに余分な油を落とさなければならないのか。 ごろごろ。
「赤ちゃんが朝までぐっすり眠る方法」 エリザベス・バントリー著
著者はアメリカ人なので、ジャバ夫さんは英語版、皇帝は日本語版で読む事ができる。 2ヶ月で90%の赤ちゃんが朝まで眠るようになっちゃう、夢のようなお話なのである。 (英語では「the no-cry sleep solution」アメリカの多くの育児書では、赤ちゃんが泣こうが叫ぼうが、放っといて寝るまで待つと言う、乱暴な方法が長らく採用されていたため)
先日我が家に来てくれたアダム君も、実践の結果8時間くらい眠ってるとか。 週末、映画スタジオのパーティーに行ってきたが(ドレスで、しかもヒートパッドを持って・・・)、そこに来ていた4ヶ月の女の子も、6、7時間はこの方法で眠っているらしい。 すごい。
「こうしなさい」と、一つの方法が明記されているわけではなく、基本的な赤ちゃんの睡眠の構造と、それに即した寝付かせ方がいくつか書かれているので、人によって、どの方法のどの段階で眠るようになるかは、賭けみたいなもんなのだが。
お互い読み終わったので、緊急家族会議を開き、ジャバ夫さんと感想を言いあってみたのだが。 なんと、二人で全然違う読み方をしていることが判明。 皇帝は、赤ちゃんが長く眠ってくれれば、一緒の部屋で寝不足にならないで眠ることができる、と思って読んでいた。 ジャバ夫さんは、赤ちゃんが長く眠れば、早く自立した部屋を持たせることができる、と思って読んでいた。
目的が違うので、二人で「これはやってみよう」と思う方法もバラバラ。 同じ本読んでも、読み方で全然違う内容になってしまうのだなーと思った。
さて、週末のパーティーは、同じ主催のパーティーを3回も断っていたので、断りきれなくなって出たのだが。 妊婦座っていると、巣鴨の地蔵様のように、皆がお腹を撫でて行く。 たまたま胎動があると、まるでなんかのご利益があるかのようだ。
毎日皇帝のお弁当を持って行っているジャバ夫さん。
夕飯を多めに作って次の日のお弁当に入れるか、多めにお弁当の具を作って皇帝のお昼ご飯分もまかなうか、という2パターンで構成されている。 たいてい残さず食べてくれるので、作りがいものあるもの。
ある日、「もっと男らしいの持って行きたい」と言って帰ってきた。 男らしい弁当? ハンバーグ? シャケ?
ではなくて、男らしいナフキンを欲していたのだ。 お弁当と一緒に入れてあるナフキン。 それは、皇帝が高校生の時に使っていたやつだから、女らしいというより、むしろ女の子用。 可憐なお花柄や、サンリオの動物柄。
お弁当を持って行く、という行為自体が、すでに南部の男にとってはガーリーなのに。 かわいそうなので、今日は何の飾りも無いIKEAの白い布巾を入れておいた。 しかし、世のお父さんは、どんなナフキンでお弁当を包んでいるのだろうか。 男の子用の布巾と言っても、パワーレンジャーやトイストーリーの柄ではあるまいし。
そういえば、幼稚園の頃、みんなキャンディーキャンディーとかのかわいいアルミ弁当箱だったのに、皇帝は兄ちゃんのお下がりの怪物くん柄弁当箱だった。 でもだからといって、特にどうとも思わなかった。
ここは男らしく、スヌーピーやキキララちゃんのナフキンで、黙って口を拭ってもらいたいものだ。
ところで、美容師が伝導から帰ってこないので、ジャバ夫さんの髪をベランダで切ってあげた。 伸び伸びになっている襟足だけだが、初めての割に、上手にできたと思う。 でも髪切りハサミが無かったので、キティちゃんのおもちゃハサミで切った。 ものすごい痛がっていた。
明日、背中が痛くなかったら、ビューティーサプライにハサミを買いに行こうと思う。
皇帝

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