皇帝の日記
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ジャバ夫さんの休みを待って、家具屋に行ってきた。 なんてったって、家具が無いのだ、今の家は。
本日購入予定だったのは、
ベランダ用にアウトサイドテーブルセット ダイニングテーブルセット リビング用照明 リビング用コーヒーテーブル
でした。 つまり、無かったのだ、それらが。
結局、ベランダ家具だけはぴったりの物が見つからず、その他の物を全て、ベニスビーチでお買い上げ。 月初めなのに、もう残高がいけてない事になったが、いいのだ。 だって本当に欲しかったのだ。 ダイニングテーブルと、照明と、コーヒーテーブルが。
アメリカ人は、何故か間接照明が好きなので、ホテルでも普通のアパートメントコンプレックスでも、直接照明がほとんど無い。 我が家も、キッチンのライトが直接照明の他は、あっちこっちに小さな照明が散らばっているだけで、リビングがなんだか薄暗い。 これでは、日が落ちた後本が読めない。 雑誌も読めない。 今は日没が8時頃だから良いものの、冬は耐えられない。
家具の購入が後手後手に回ったのには、ジャバ夫さんが真剣に家具の必要性を考えていなかったせいではないかと思う。 でも、皇帝は一日のほとんどを家の中でイサムさんと過ごしているのだ。 ソファーの納期が3ヶ月も遅れているってだけで、脳みそが沸騰しそうなくらいイライラしているのに、この何も無い感が耐えられん! と、先週から激しく訴えていたのだが、本日その甲斐あって、なかなか良い感じに揃ったんじゃないだろうか。
家具が入ったら、部屋が狭くなるかと思ったが、今までぼよ〜んと床に置かれていた物達が、有るべきところに集まったので、むしろ広くなったような。
家具って大事だ。
あと、ダイニングテーブルには、あれがついているのだ。 あの、中華料理屋さんにある、ぐるぐる回るオボン。 イサムさんを回せる。 ぐるぐる。
「死ぬ瞬間ー死とその過程について」著E・キューブラー・ロス
という本が有る。 母の母が亡くなった時に、母が読んでいた本で、母が亡くなる前に渡されたのである。 著者が、死んでゆく人々にインタヴューしながら、死について色々考えてゆく、という構成。
普通の人は死ぬ事についてあんまり考えたがらないわけで、まして、死んで行く事が決まっている人の話をわざわざ聞きたがる人も、なかなかいないのではないだろうか。 そういう意味でも、著者の力作である。
母は3年前に余命を宣告されていたので、死について考える時間が多かったのではないかと思う。 死ぬ事ではなくて、死んで行く事について。
雨の日に考えると気が沈むので、晴れた日に一度考えてみると良いかもしれない。
昨日おじいちゃんの事を思い出していたが。 本当に、おじいちゃんは救心を私に飲ませていただろうか。 いかに天然ぼけのおじいちゃんでも、子供に救心は飲ませないだろう。 私の頭の中の消しゴムが、どっかを消して、記憶を書き換えてしまったのではないだろうか。
と、じっくり考えてみたが、あの粒は、もしや宇津救命丸だったのではないだろうか。 そういえば、銀色だった気がする。 皇帝はあんまり疳の虫とか夜泣きとかなかったらしいが、おじいちゃんは子供にはとりあえず宇津救命丸を与えておこうと思ったのだろうか。
さて、イサムさん、誕生して3ヶ月になりました。 おめでとう、イサムさん。 あんなに小さく生まれたのに、今では成長曲線の上の方になったし、片手でひょいと持てたのに、腕に余るくらいに成長した。 この調子でガンガン大きくなってしまうかと思うと、そんなに急がなくても良いよ、と思ってしまうのだが、そういうわけにもいかないでしょう。
イサムさんが学校に行くようになって、寂しくなったら猫を飼おう。 猫とか犬は、一生一家の赤ちゃんのままだし、将来の心配をしなくて良いからなあ。
ところで、イサムさん写真がまだ出来上がらない。 3ヶ月も過ぎてから、ご挨拶のカードを書くのはどうだろうか。 写真間に合わなくても良いかな・・・。 いや、もうちょっと待ってみる。
母方の祖父が亡くなりました。 長い事寝たきりだったので、一番最近会ったのは、結婚の報告に夫とお見舞いに行った時でありました。 亡くなる前日に、ふらりと立ち寄ったホールマークで、父の日のカードを見つけて「今年はお母さんの代わりに、私が書こうかなあ」と思って買って帰って、書いたばかりでありました。
おじいちゃんには、妻と子供二人が先に死んでしまった事を言わなかったので、天国で皆に会ったら、さぞびっくりするとこでしょう。
私は「親より先に死ぬのは不孝だ」というのは、親が子供の死を悲しがるからだと思っていましたが、今回はそれだけではないと気がつきました。 お婆ちゃんが亡くなった時は、母がよく祖母との思い出話をしてくれたのに、祖父の事を我が家で一番良く知っている人が、もういないのです。 親の存在した歴史の大部分を、子供が持って逝ってしまうということなんでないでしょうかねえ。
夕飯時に、じいちゃんが長い人生に幕を閉じたのです、とジャバ夫さんに報告したら、「じゃあ今日はおじいちゃんの思い出を語ろう」と言われて、あーお母さんがいたら、また新しい話が聞けたかもなあ、と思ったのでした。
ところで、思えば祖父は無口な人であった。 私はよくおじいちゃんの膝に座って、一緒に相撲や野球中継を見て、時々明治のコーヒー牛乳か、オロナミンCをもらって飲んでいた。 でも、何か話をした記憶が、あまりないのだ。 というか、ほとんどない。
母はよく、祖父が私をとてもかわいがっていた、と言っていたが、とてもかわいがっていた孫にさえ、ほとんど話をしていないということは、他の孫にもあんまり話をしていないのではないか。
そういえば、おじいちゃんは救心を飲んでいた。 時々内緒で一粒くれた。 子供に救心は良くないんじゃないかと思うが、あのツブツブがファンシーに見えて、喜んで食べていた。
騙されるな、当時の自分。
オズ。 ではなくて、オンス。 oz。
アメリカが、世界の流れに逆らいながら、独自の単位をかたくなに使い続けているのは有名だが。 なんと「US oz」と「UK oz」まで別物だとは。 UK ozはユナイテッド・キングダムのオンス、英国の単位。 両者の違いは、ほとんど鼻くそ一欠片くらいなので、もう統一しちまえば良いじゃん!と机を叩きたくなる。
で、なんでそんな話を始めたかと言うと、ミルクなのである。 粉ミルクを水に溶くのに、説明を読むと、「2オンスの水におさじ1杯(アメリカ単位で)」とか書いてあるのだ。 んで、皇帝の使っている哺乳瓶の方には、3種類のメモリが付いていて、これが「cc(ml)」「US oz」「UK oz」なのだ。 ね?イライラするでしょ? 特に、深夜起こされて、明かりのついてない所で手探りでミルクを作ると、まあ〜自分が合衆国にいるんだか英国にいるんだか、どうでも良くなりますよ、奥さん。
そして、1US ozは、だいたい30ccで、差は耳垢一欠片と言ったところでしょうか。 じゃあ統一しちまえよ!!と、隣の家の扉を叩きたくなる。
しかも、入院中はもっと脳みそが沸騰しそうだった。 何故なら、看護婦さんが教育を受けた時代に寄って、それぞれの人が違う単位を使っているのだ。 最近、医療現場では「ヨーロッパっぽい単位を使うと、先進国っぽいんじゃない?クール!」という風潮らしい。 年配の看護婦さんは、まだアメリカ単位を使っているのに。 がっでーむ。
2時間おきくらいに、違う看護婦さんが入ってきて「赤ちゃん、何オンス飲みました?」と聞かれて「えーと・・・(皇帝はもちろんミリリットル換算している)2、5オンスくらい?」と答えると「じゃあ午前中は全部で6オンス飲んだのね?」「えーと・・・・・・でも1オンスぐらい吐いてました」。 もう頭の中は数字で一杯。 只でさえ疲れているのに。 そして、違う看護婦さんが「何cc飲んだ?」と言いながら部屋に入ってくるのだ。 でーむ。
入院中は、オムツの重さまで測っていた(汚れたオムツ−新しいオムツ=排泄量)ので、「おしっこ何ポンド?」「何グラム?」とか聞かれて、吠えそうになっていた。
おかげさまで、すっかり「cc=oz」の計算は得意になり、寝起きでも答えられるようになったが、是非改善してもらいたい、アメリカ単位。
先進国に仲間入りを果たしてくれ。
2009年06月02日(火) |
カーペントリアとヴェンチュラ |
そんなわけで、義父母の新しい家を見てきた。 サンタバーバラから南へ20分。 カーペントリアとヴェンチュラの間くらいのビーチハウス。
家の前はプライベートビーチなので、オットセイやらペリカンやら、海の生き物やらがわらわら集まっている。 イサムさんがもう少し大きくなったら、ヒトデのつかみ取りなどして楽しめる事でしょう。
でもって、キモイ事に、砂浜にイソギンチャクが沢山生えている(?)のである。 引き潮時、これが気持ち悪いドーナツ型のナマコみたいな様子になって、浜のあっちこちにうずくまっているのだ。 踏まずにはおれないほど密集しているし。
義父母はそれを只の黒い石だと思っていたので、平気で踏んづけて歩いていたが、踏まれた後の奴らときたら! ぐにゅ〜っと小さくなって、砂の中に沈んで行くのですよ!! ぎゃー! 気持ち悪い〜。
さて、義父母にイサムさんを託し、カーペントリアとヴェンチュラを探検してきた。 カーペントリアの方が、建物が古くて、全体的に「田舎の海水浴場〜」という、もっさりした雰囲気。 半日もかからずにまわれてしまう。
ヴェンチュラは、ピアも有るし、観光用に整えてあるな、という道がちらほらあって、日帰り旅行にちょうど良い様子。
そして、ピクサーの新作を観てきたが・・・。 子供用ではないと思うくらい、悲しい話でありました。 考えてみれば、いつもピクサーの映画は悲劇から始まる。 そう思うと、いつも通りなのかもしれないが。
週末はカーペントリアに行っていました。
ジャバ夫さんには内緒なのだが。 実はイサムさんは奇跡の子なので、5月に入ってからは、コンスタントに夜6−7時間ぶっ続けて寝ている。 ただし、寝はじめるのが8−9時なので、起きるのは真夜中2−4時。
この時はお腹がすいて目が覚めるのだが、泣いたりしない。 「にゃー・・・(すいませんがー・・・お腹すきました・・・)」と、普段よりか細い声で訴えるだけ。 ジャバ夫さんはそんな音では目は覚めないが、どうも母親はそういう時なんかのバイオリズムで、スムーズに覚醒するようになっているらしい。 粛々と、明かりも付けず音もたてずに、あらかじめ枕元に用意しておいたミルクを4オンスばっかり飲ませると、また3−4時間の眠りに戻って行くのだ。 で、次イサムさんが目覚めるのが朝の5−7時。
もうそこで諦めて、イサムさんと起きてしまえば良いのだが、朝の苦手な皇帝は、3度寝を試みるのだ。 でももうイサムさんは長中期の眠りに戻ってくれる事は無い。 ばっちり起きているので、一時間おきか30分おきに「にゃー!(お腹すいた!)」「にゃー!(遊んで!)」と来るので、たいてい7時くらいにジャバ夫さんを起こす事になる。
で、なにがジャバ夫さんに内緒なのかと言うと、この朝の段階で、いつも皇帝は嘘をついているのだ。
「ごめん。夜イサムに何回も起こされてたから、眠くて。後は頼みました。ぐう(眠)」
という嘘を。
そして、朝は7−9時頃まで、ジャバ夫さんが育児担当。
いや、悪いとは思ってますよ。 ・・・多少・・・。
でもお父さん帰ってくる頃には、起きているイサムには会えないわけだから、朝イサムさんの面倒を見る事で、親子の絆が深まるのではないでしょうか。
と、反省してない母であった。
こないだ義母がロスのホテルに滞在していた時、机の上にカタログが出してあった。 ページの端が折ってある所を見たら、ベビーベッドのページだった。
ははあ。 このベビーベッドを買って、イサムさんが遊びにきた時に使おうとしているのだな。 と思いながら、パラパラページをめくっていたら、子供用の木馬が有った。 そのページの端を、そっと折っておいた。 間違えて買うかなーと思ったのだ。
で、昨日「今週末新しい家を見に行きますんで」と電話したら 「ベビーベッドも買ったから、一泊して行きなさいよ」 と言われた。 やっぱり、あのベッドを買ったのだな。 「あとね、木馬も買ったの。ちょっと早いかもしれないけど」
騙されてるー!!
エープリルフールでもないのに人を騙してしまったので、ジャバ夫さんに事の次第を説明したら 「お母さんは馬が好きだからじゃないかな」 とのこと。 そうか。 そうだと良いな。
ところで、イサムさんが眠っている間に、家事をやり溜めできないかな、と思い、野菜を沢山切って、料理の下ごしらえだけ先にやってしまったのだが。
教訓:野菜は切ると早く傷む。
野菜をあらかじめ切るのは、おすすめしません。
ロスにいたら、有名人に会えるんじゃないかと思っていた。
でも東京にいたって、別に芸能人と偶然会ったりはしない。 有名人遭遇率が低いだけでなく、ぶっちゃけ、相当顔に特徴のある人でないと、ちょっとすれ違ったくらいでは、気がつかないという事もある。 皇帝が東京で見た事のある有名人は、愛川欽也が何かを渋谷で収録していたのを目撃したくらいだ。 それも、なんかの収録中だから気がついただけで、カメラがなかったら、たぶん気がつかなかった。
ところが、こないだ成田ーロス便に乗った時、梅宮アンナちゃんを見たのだ。 というか、同じ便だったのだ。 妊娠中のだったので、ビジネスクラスに乗ったのだが、アンナちゃんはファーストクラスで、娘と一緒だった。 おー有名人じゃーん。 こんど誰かに自慢しよう。 と、思ったまま、日本人とあまり話をしなかったので、このネタは封印されてしまった。 アメリカ人に言ってもねえ・・・。
で、ロスに来て、有名人と会えたかと言うと、二年くらいいる割にはあんまり出会えていない。 ロデオドライブで、パパラッチの山が出来ていたので、覗いてみたらリンジー・ローハンだった。 それっきりだ。
あと、ちょっと良い所で食事をしていると、「ああ、この人はきっと有名人なんであろうなー」と思われる格好の人を見る(夜の室内なのにサングラスとか)くらいだ。
遭遇しそうな可能性のある人は、実はイライジャ・ウッドだ。 彼は近所に住んでいる気がする。 何故なら、うちに遊びにきた友達が、手土産にしようとピザ屋で並んでいたら、イライジャ・ウッドに横入りされたのだ。 そして、ジャバ夫さんも、近所のサンドイッチ屋さんでイライジャを目撃している。 是非お会いして、飲み会の時ネタにしたい。 「まじで小さかったんだよ!」的な。
この、有名人を見たら誰かに言いふらしたい、という気持ちは、アメリカ人にも有るんだろうか、と思っていたが、こないだジャバ夫さんの会社のボスが、「ジェニファーロペスに会った!」と自慢していたので、きっと万国共通なのだろう。 「まじで尻でかい!」そうです。
ミルクをだらだらこぼす、生存本能の薄いイサムさんは、服がミルクのシミだらけになってしまう。 しかし、強い味方を発見したのです!
それは、どこのスーパーでも売っているような、安い染み抜きなのだが、これが高性能。 霧吹きタイプで、広範囲にしゃっと付けられて、しかもどんなシミも取れる。 ミルクだけでなくって、食べ物のシミも、ドロ跳ねのシミも。 うっかり付けたまま一晩置いておいても、柄が取れたりしない。 ついでに、過去の諦めてしまったシミも、驚く程取れる。 色々試したけれど、多分北米大陸最強の染み抜きなんでないだろうか。
SHOUT action gel ADVANCEDという名で、青いパッケージ。 http://www.shoutitout.com/clean-stains-home.aspx?box=3&tab=ultra
お土産にも良いんじゃないか、というくらいプッシュしたいが、アメリカに行って、お土産が染み抜きってちょっとどうだろう。
アメリカにお住まいの人が、結構遊びにきてくれているようなので、たまにはお役立ち情報でした。
皇帝

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