皇帝の日記
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おっす、おらイサム!
てなごときに、イサムさんの髪の毛は天井に向かって生えているわけだが。
これが、どうもアメリカ人の笑いのつぼを刺激するらしく、「髪が!」とか「あなた、素敵な髪型ね」とか「どうしたの、その髪」と言われ、むふふむふふと笑われてしまうのだ。 特に、洗髪直後、乾いたばかりの時が、もっともふわんふわんとしている。 よくもクリリンを殺したな!ってくらい立っている。
ベニスビーチを散歩していると、通りすがりの人にむふふ、と笑われたりする。
ディランママとコリアンマーケットに、食器の買い出しに行ったらば、イサムさんは韓国アジュマ(おばちゃん)に大人気だと言う事が判明。 ハーフの赤ちゃん=かわいい、の図式は、日本だけではなく、韓国でも公式らしく、皇帝とジャバ夫さんがならんで歩いていると、その子供を見てみたい、というアジュマ達が行く手を阻み、ベビーカーを覗き込むのである。
さんざん「キヨオ!キヨオ!」(かわいい)と言われまくって、イサムさんもはりきって「うふ!」とポーズをとりまくり。 ファンに微笑みまくり。 愛想を振りまきまくる。 サービス精神旺盛なイサムさん。
しかし、「モリカラ・・・」(髪の毛)との呟きを、母は聞き逃さなかった。
冬は帽子をかぶらせて、髪をぺたっとさせてみよう。
そんなわけで、サンディエゴから4ヶ月の赤ちゃん、ディラン君が3日程滞在してました。 可愛さ2倍。 オムツゴミ2倍。
赤ちゃんが複数居ると、どんなことになるかわかった。 あっちで吐き、こっちで吐き。 異臭がすると、どっちだどっちだの大騒ぎ。 そして、お母さんが違う赤ちゃんを抱き上げると「それ僕じゃないよ!お母さん!騙されないで!」の大合唱。
保育園はいったいどんな阿鼻叫喚の地獄絵図になっているのか。 想像もできない。
ディラン君は、まだ他の赤ちゃんを認識できる月齢ではないので、割と静観、という感じ。 イサムさんは、小さくて、もじょもじょ動いている生き物に興味津々なれど、どう接していいかわからず。 とりあえず、ほっぺを食べたりして、泣かれていた。
かわいいなあ。
ディランママとは、オムツかぶれや夜泣きなど、一体どうしたらどうなるのかを二夜連続で会議したり。 かわいくなきゃ、やってらんないわよねーということで着地した。
本当に、かわいいだけだな、君等・・・。
どっかのレコード会社のコピーのごとく、ノーミュージック、ノーライフだったら、皇帝の寿命はハムスターよりも短かったであろう。
というのも、音楽的素養が全く無いからだ。
音楽を奏でる技術が壊滅的に乏しいだけでなく、かなりの音痴。 リズム感も無い。
そして、世の中には音楽を愛でていないと、人間ではないかのごとく、他人を見下す輩が居るので困るが(ジャバ夫さんとか、ジャバ夫さんとか、ジャバ夫さんとか)、実のところ、音楽が無くても平気な人なのである。
こういう事を言うと、てめえの体に流れている血は何色だ!と罵倒されるほど、音楽は多くの人にとって、とても重要なものらしい。
あ、でも別に音楽を嫌っちゃいないですよ。 ライブの音楽は色々聞きに行ったりするし。
でも、無きゃ無くてもいいのです。 しーんとした家の中で、何時間でも過ごせます。 車を一人で運転してても、音楽があってもなくても平気。
片時も音楽なしでは生きられない人とかには、信じられないそうなのだが。
皇帝の音楽シーンは、クラシックはモーツアルト。 邦楽なら1970年代ポップ(婆ちゃんの家にCDがあったから)。 洋楽なら、ビートルズが口語を音楽に用い始めた時代(母ちゃんが聞いていたから)。 中国物なら、ジェットさんが、発音的に中国語には不可能と言われていたラップを、見事クリアした頃。 その辺で終わっているのである。
そして、更新しようとする意欲も無い。 皇帝の耳には、ショスタコービッチも、ヒップホップも、黒人演歌歌手も届いていないのである。
ものすごい狭い音楽の中で生きている。
わかりやすいポップしかわからないので、いい年してブリトニー・スピアーズを口ずさんでは、夫に笑われる毎日である。
長々と主張したが、これは日本でカラオケに誘われた時の為の布石です。 僕は何も歌えんよ、という。
今日はサンディエゴからお客。
さて、イサムさんがとても成長した。
8ヶ月になったその日、なんと「ダダ!(お父さん)」と言った。 ジャバ夫さんを指差して、はっきり「ダダ!ダダ!」と言ったのだ。 感動した。
インフルエンザ、二度目のワクチンを打ちに行った。 美人の(ここ重要)看護婦さんに「かわいいねーかわいいねー」と言われて、いい気になっているうちに針を刺され、気がつかないまま終了。 泣かなかった。 感動した。
そして次の日、お気に入りの絵本を見ながら、「ダダ!」と言っていた。 プレイジムも「ダダ!」
楽しい物は全部ダダか。
ミキモトだ。
就職活動の時、採用担当者が「うちはピンポン球みたいな真珠を買う顧客に支えられているので、店頭で数万のカス真珠を買うような客は屁です」(概訳)とほざいていた事から、イメージは地の底まで落ち果てた彼らである。
だがしかし、以前ロデオドライブ店での親切な対応から、あっという間にイメージを回復させられた。 皇帝の人物、会社評は、その程度の薄っぺらなもんなので、あんまり何の参考にもしないでいただきたいものです。 その日の気分だけに左右されています。
さて、そんなロデオドライブ店に、また行って来た。 母が遺した真珠のイヤリングが、ミキモトの箱に入っていたからだ。
金具をピアスに変えたい。 でも、もしミキモトのもんなら、こないだ行った適当金具交換店で変えてもらうのもなんだろう。
というわけで、プラプラ行って来た。 しかし、どうもミキモトの物ではなかったので、「ほんではまた」と店を後にしようと思ったら、店のおじさんが「週一回、信頼している日本人の職人さんがお店に来るから、金具を変えてもらえるよ。うちのじゃなくても良いよ」というので、あずけて来た。 親切だった。
前回ブローチを洗浄してくれたおじさんと同じ人であったが、あの店にはあの人しか居ないのだろうか。 いつショーウィンドウの外から覗いても、あの人と警備員しか居ないのだ。 謎である。
そして、ピンポン球どころか、カスを買いに来る客の姿も見た事が無い。 店の人二人に客ゼロだ。
親切なおじさんの為に、つぶれないで欲しい。
フェニックスの友達から電話が有ったので、「信号無視の切符切られちゃってさ」としょぼしょぼ話をしたら、「私も先週切られちゃったの」と言うではないか。
ちなみに、彼女は初犯ではなく、8回目くらいだと言う。 その度に学校に通っているのだが、一向に何も学んでいない事は、再犯具合からも伺える。
もちろん彼女も、例の間抜け写真を撮られたのである。 彼女はその時夫と口論の真っ最中であり、写真には、助手席を鬼の形相で睨みつけている様が、ばっちり激写されてしまったのだとか。 そして、信号が赤である事に気がついている、「志村!後ろ!」的表情の夫も。
コントみたいだ。
オンラインで見れるビデオを見たい。 でもアカウントが無いと見れない。
私のアカウント教えてあげるから、そっちのアカウント教えてよー。 という物々交換は成立せず。
運転手を激昂させては行けない、という話。
そろそろ8ヶ月になろうとしているイサムさん。
よく赤ちゃんは弱いもの、守ってあげるもの、と言う。 いやあ、本当に弱い。 想像以上の弱さだった。
新生児にいたっては、自分の顔の上にかかった布をどかす事が出来ず、窒息する程の弱さなのだ。 布の下から呼吸する程の肺活量も無いとは。 世界最弱の生き物ではないだろうか。
ばい菌にも弱い。 普通に洗った物を口に入れても病気になる。 ありとあらゆる可能性から守らないといけない。
そんな弱かったイサムさんも、8ヶ月。 大きくなったもんだ。 滅多に煮沸消毒の出番も無くなった。 ちょっとやそっとの雑菌よりは、強くなったのだ。
おめでとう、イサムさん。
ところで、一体いつ土足の床転がりデビューをすればいいのか。
アメリカ人の赤ちゃんだったら、どうやらとっくに土足の床に直接ごろごろしながら、絨毯を舐めている年頃らしいのだが。 悩む。
ツイッターで、何故に夫の愚痴を言う妻は多くて、妻の不満を口にする夫が少ないのか、という疑問を見た。
それは、男は人もうらやむ女と結婚した、という栄誉を得たいからではないかと思う。 「あいつの奥さん美人だ」 「かわいい嫁さんもらった」 「料理が上手」 「優しいらしい」 「おもしろい」 実際そうであろうがなかろうが、そう思われたいのである。 そして、そんな素晴らしい家庭を手に入れた、あの男は「できる男」なのである。 仕事も任せたい。
そんなわけで、わざわざ「僕はこんなくだらない女と結婚した無能です。見る目が無かった。無念です」と吹聴する男はいないのである。 結婚相手の程度すなわち、自分の程度が知れてしまうと言っても過言ではない。
で、なぜ女は平気で夫の悪口を言うのか。 しかもオンラインで不特定多数に向けて。
それは、女には自分の意志や決断ではない、何かのっぴきならない事情によって、その男と結婚させられてきた時代が長かったせいではなかろうか。
(それが大部分と思われるが)親が決めた結婚であったり、暴力で手込めにされたからであったり、妊娠してしまったからであり、村に適齢期の男が一人しか居なかったからであり。 自らの聡明さでは抗えない事情で、それこそ無念、こんな男と一緒になるしかなかったのです。 という言い訳が、長い事存在した功罪。 駄目な夫が居る女には、「苦労するね、かわいそうに」という同情の余地があったのである。
妻が夫の文句を隣の奥さんと言いあうのは、長年許されて来たストレスのはけ口なのであります。
しかし、時は21世紀。 今や多くの日本人女性は、男性を自分の判断で選び結婚するも、しないも自由。 一生独身でも、のたれ死ぬ程には困らない時代になった。 多少の愚痴であれば「微笑ましい」「あるある〜」で済むが、あんまりにひどい夫だと公言すると、「じゃあ何故一緒に居るの」とつっこまれても仕方が無い。
これが、ちょっと上の世代だと、ガチで親の決めた結婚で、本人に選択肢が無かったりするので、黙って愚痴を聞いてあげましょう。
あと、舅姑が嫁の悪口を言うと、同じく自分で嫁を選択したわけではないので「苦労するね、かわいそうに」という同情が一時得られるが、実のところ「そんな駄目な嫁を選んだ、駄目な息子を育ててしまいました」と言うようなもんなので、こちらも程々に。
心配かけちゃいけないので、最初に言っておきます。 事故とか起こしてないです。
それにしても、アホな事をしてしまった。 ばーかばーかばーか。 自分の馬鹿。
どんだけアホか。
それは土曜日の深夜であった。 学校が終わって、さっさと家に帰ろうとしている時である。 別に急ぐ必要は無いのだけれど、気持ちは「一刻も早く帰りたい」と思っていた。
家でイサムさんを抱えて待っている、ジャバ夫さんが心配。 いや、そんな言い訳はむなしい。
日本では考えられない程見晴らしの良い8車線の道路を、とっとことっとこ車を走らせていると、先の先の信号が黄色になった。 それが、まあいつまでも黄色なのである。 「黄色?どうする?」 どうするもへったくれも無い。 黄色は止まるのだ。
しかし、この時私は油断していた。 「黄色は急げば渡れるだ〜」という間抜けな油断。
そして、そのままアクセルを踏んで、がーっと渡ってしまった。
それが一週間程前の話である。
そして今週。 お手紙をいただいてしまった。 丁寧に写真入りで。 「あなた、信号無視しました」 というお手紙を。
私は、中高時代から早退はするけど遅刻はしない、という、微妙なまじめさを持っている人であった。 だからもう、お上(シュワちゃんだけど)からのお手紙と言うだけで、がくがくぶるぶるである。 その上写真入り。 確かに、私が道を横切る瞬間、信号は赤だったのです。
しかも、その時の自分の顔の間抜けさ。 口半開きで「渡っちゃえ・・・」という間抜けさにあふれている。 ワールドワースト間抜け面。
ばーかばーか。 たまたま誰にもぶつからなかったから、間抜け程度で済んでいるものの、そんな間抜け面で運転を続けていれば、いつかは事故を起こすに違いない。
更に、オンラインでビデオも再生できるのだ(本人限定だけど)。 あー・・・。 黄色の信号を、次々に渡って行く他の車の最後尾。 私も走り抜けました。 ああ。 そして変わる信号。 ああ。
反省。
そして、車のナンバープレートが、ジャバ夫さんの名前で登録してあったので、手紙はジャバ夫さん宛。 あまりに間抜けな妻を気の毒に思ったのか、ジャバ夫さんは全く怒る事なく、手紙の内容を教えてくれた。
これから私ができる行動の選択肢は二つ。
①罰金500ドル支払って、運転免許証に「違反者」の刻印を押される。 ②罰金500ドル支払って、教習所に通う。
運転免許証に「違反者」の刻印を押されると、自動車保険が値上がりするので、②の道を選択しようと思う。 教習所にはイサムさんを連れては行けないので、ジャバ夫さんにあずけて。
このいずれの手続きにも応じないと、裁判所に出頭となる。 その出頭命令も無視すると、パリスヒルトンのごとくに逮捕されてしまうのである。
更に間抜けな事と言えば、写真を撮られた瞬間を、おぼえているのだ。 深夜の交差点で、運転手の顔が照らされるくらい強烈なフラッシュを炊くのだから、それは相当まぶしかった。 ピッカー! と光ったので、「うわ!あぶないなーこんなとこで写真?事故ったらどうすんだよ」とか思っていた。
危ないのはテメーだこら。バカヤローこのやろー。
と、思わずビートたけしになって、その時の自分をピコピコハンマーで殴り飛ばしたい。
それでは皆様、「黄色は止まれ」です。 とほほ。
今まで、信じられないくらい良い子だったイサムさん。
何故に、どうして。 上の歯でも生えそうで、イライラしているのか。 なんだか一日中「ぶーぶーぶー!」「だーだーだー!」「あーあーあー!」とグダグダしている。 今までは外を連れて歩いても、それなりにおとなしくしていたのに。
これから飛行機に乗ろうと決意した瞬間に。 ああ無情。
いつまでも良い子じゃ居られない事くらい、わかっていたさ。 でもそれが、こんなにも突然だなんて。 オオマイベイビー。
思いはいつも、一方通行。
そんなわけで、今日のハロウィーンパーティーは、ずっとイサムさんぐずりっぱなしでした。 ああ。 せっかくベストドレッサーだったのに。
イベント物は時期を逃せないので、明日あたり「イサムさん写真」でハロウィーンをアップします。 お母さんもお揃いシリーズのコスチューム。
皇帝

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