ぶつぶつ日記
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2002年11月14日(木) こんこんと

上総掘り、というのを知っているだろうか。
上総、それは今の千葉のことだけれど、
その名前をもつ、井戸を掘る技術。
動力を全く使わず、竹と人力でのみ井戸を掘っていく技術。
具体的には丸太でやぐらを組み中央部には大きな車をすえつけ、
この水車かと思われる装置を使う。
鉄棒に替え竹を使っていて、
その竹の(しなやかさ)おかげでそれまでの10倍以上も深く掘れるようになり、
温泉や石油のボーリングに大活躍したそうだ。
しかし、明治から昭和にかけて大活躍したこの技術も、
日本の経済力が上がっていくにつれて衰退し、
やがてはなくなってしまった。

ここに、1人の上総掘りの職人さんがいた。
上総掘りの仕事がなくなったとき、
その人は警備員として働き始める。
しかし偶然にも担当したのは民族博物館。
そしてそこには、上総掘りについてのコーナーもあった。
ある時、この人は熱心に上総掘りコーナーを見ている男性と知り合い、
それがきっかけで、途上国での井戸掘りプロジェクトに参加する。

昨日見た番組は(いわゆるバラエティーなんだけど)、
それを手短に紹介する番組で、
スタッフは一番最初にこのプロジェクトによって掘られた井戸を見に、
フィリピンのミンダナオ島まで出かけていく。
青々とした畑の中、その井戸はまだこんこんと水をたたえていた。
そして、その時この職人さんと一緒に井戸を掘った男性に会う。
20年近く前、たった2ヵ月一緒にいただけなのに、
この男性もその奥さんも、
「コンドーサン」とはっきりとした日本語発音で、
その職人さんを懐かしがった。
彼は今、ミンダナオの農業関係の事務所に所属し、
彼の研修生とともに、
「上総掘り」で井戸を掘りつづけているという。
「フィリピンのコンドーサンです」と自分のことを、
うれしそうに話していた。

71歳という、今の日本ではまだ惜しまれる年齢で8年前に亡くなった近藤さん。
フィリピンの男性はそれを聞き、
「きっと、天国でも井戸を掘ってるんじゃないかなあ。」とつぶやいた。
アフリカで、アジアで、「コンドーサン」のことを
覚えている人がたくさんいるんだろう。
そして、「コンドーサン」のことを知らなくても、
彼の伝えた技術で命を救われた子供たちがたくさんいるだろう。
お金やものを与えるだけでは本当の助けにはならない。
彼らが自分の手で井戸を掘れるようになること、
それが「コンドーサン」の願いだった。
支援とは何か、人が人に何かを伝えるということ、
声高にさけばなくても、実践し行動した人がいたこと。
こんこんと、世界で湧きつづけているだろう井戸を想像し、
そんなことを考える。


2002年11月13日(水) 遠い空の下で

実はそのことをメールに書いた時、
その勉強法を彼女も気に入るんじゃないかという、
確信犯的なものを感じていた。
会ったことがないが、本の趣味でかなり重なる部分を持つ人で、
お互いに活字中毒なこともわかっていたし。
そしてメールの返事は、思った以上だった。
なんとなんと、すでに彼女も先生に勧められて、
そのシリーズの本を読んでいるという。
すごいなー、とちょっと思った。
私の勘も、あながち捨てたもんじゃないぞ(笑)。

東京とロンドンと、必要に迫られる度合いは全然違うけれど、
同じような本を手にとって、
英語の勉強をしようとしている友人がいる。
これからは、お互いに英語の本の書評もできるとなると、
なんとなく心強い気がした。
遠い空の下で、私たちは1人本屋の棚の前に立ち、
目を凝らして新しい本を選ぶ。
読み終わって満足したら、
きっとお互いに本の題名をメールで送りあうだろう。

この勉強は、何となく続けられそうな気がしている。
Happy Reading!



2002年11月12日(火) 具合が悪い

基本的に健康なのだが、
その健康が災いして、具合が悪いのに大変弱い。
具合が悪いと我慢できないのだ。
つらくて。
38度熱があっても平気な顔をしている人がよくいるけど、
なんで大丈夫なんだろうかと唖然とする。
時折具合が悪いと思うと、
平熱が35度を下回っていることがあったりするくらい
私は平熱が低いので、
熱が上がると完全にダウン、である。
ひたすら寝る。起き上がれなくなる。

今日はどうも熱はないようだが、
昨日の夜からの頭痛と、それに加えての胃痛、
ダブルパンチ。
お昼に胃薬と頭痛薬を飲んで、
誰もいないのをいいことに、
席でうっつらうっつらしていた。
何せ、今日は火曜日、夜の授業の日。
孤立無援な部隊で学校中から何の手助けもしてもらえないので、
代わりの先生なんているわけない。
だから帰るわけにはいかないのだ。
宮仕えはつらい。

働き始めた頃は、そう言うことが理解できなかった。
具合が悪いものはしょうがないだろう!
って思う気持ちが強かったけれど、
エジプトでのガイド、日本語教師、
ぎりぎりで代替の立てられない状況の仕事をしてきて、
ようやく少しぐらい具合が悪くても、
働かなくてはいけない時がある、
ということを渋々ながらわかるようになった。
何せ、カイロ観光ならいざ知らず、
南に出てしまったら、代替にガイドを呼ぶなんて、
よっぽどでない限り無理だったから。

だからこそ、あまり無理はしてはいけないなとも思う。
今日はもう少し、がんばらなくてはいけないけど(苦笑)。


2002年11月11日(月) 時には

そんなつもりはなかったのだけれど、
メールの文面からなにやら「疲れ」が見えたらしい。
滅多にそう言うことを書いてこない人なのに、
気にかけた様子のメールが届いた。
お月様のせいでなんだかだるいということもある。
職場で聞いた話にウンザリとしたと言う事もある。
いつもいつも、元気でいると思っていて欲しいが、
その反面、いろいろなことに気がついて欲しいとも思う。

時には甘えてみるのもいいでしょうか。
ちょっとそんな気分。


2002年11月10日(日) 綱渡り

転んでもただでは起きない人ってのがいるが、
前の学校の会長がそう言うタイプ。
見るからに半分(以上)やーさんに見えるし、
やることはめちゃくちゃだけど、
私はこの人のことが嫌いではない。
ろくでもないこともたくさん考えるが、
企画力がありそれを実現する行動力もある。
結果は・・・なかなか難しいけれど(笑い)。
そして何が一番肝心かと言うと、
彼の綱渡り力の見事さだ。
自分も何かを、誰かを利用するが、
それは自分ばかりに有利ではなく、
出すところにはきちんと金を出し、
きちんとした駆け引きが成立する。

まずい情況になっても、ある程度意識しているので、
次の手がうってあったりする。
それはそれは、嗅覚が鋭い。

危ない綱渡りをしている人の下で働くのは、
確かに大変だ。
ただ、彼は確実に自分でも危ない綱を渡っている事がわかっており、
そして自分でバランスを取っている。
なぜなら、落ちて死ぬのは自分だから。

一番やっかいで一番怖いのは彼のような人物ではなく、
他人が作り上げたものの上にあぐらをかき、
自分が危ない綱を渡っていると意識もせずにいる人たちだろう。
彼らは、綱から落ちて地上に追突する瞬間まで、
自分たちが綱を渡っていたことにすら気がつかないだろう。
それに巻き込まれたくはないと思う。

バランスは、自分たちで取りましょう。


2002年11月08日(金) グリセリン

自分のうちでは定番だけれど、世間一般には定番じゃないものって、
多分結構ある。
例えば、我が家の場合はグリセリンと馬油。
子どもの頃から家にグリセリンがないことはなかった。
今みたいに、色々なハンドクリームなんてなかった時代、
冬でも水と薬品を使う両親の手は、
荒れがひどかった。
グリセリンは、塗った瞬間は飛び上がるくらい痛いんだけれど、
即効力で手荒れが治る。
多分これってのは、職人さんの知恵ってやつだったんだろう。
私も冬の風でかさかさの足とか唇とか、
お風呂上りによく塗ったものだ。
グリセリンはなめるとちょっと甘いので、
唇に塗っておくとついついなめてしまい、
逆にひどくなってしまうこともあったけれど。

色々便利でおしゃれなものが身の回りに溢れて、
しばらくグリセリンのことを忘れていたのだけれど、
手作り化粧品を始めたら、
これが化粧品作りには必須アイテムだった。
そして、グリセリン、というものが、
世間一般では全くと言っていいほど、
定番商品ではないと知った。
「どこで売っているの?」とよく聞かれること!

今年はずいぶん乾燥がひどい。
何をやってもなかなかしっとりしない。
こんな時は子どもの頃を思い出して、
グリセリンを塗ってみよう。
我が家のお風呂には、今もきちんと、
グリセリンの買い置きがある。
少しなめると、子どもの頃を思い出した。


2002年11月07日(木) 息切れ中

これから授業。
今週はなんだか息切れております〜。
だから3行だけ、すまぬ。


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