paranoia kiss
    

君はどうして自分を正当化するのか。
あたしは、ただごめんね。という一言が欲しいだけなのに。
君がサーフィンやバイクを大事にするのは、
昔からよくわかっている。

だからこそ、たった一言が欲しいのだ。
夢中になるあまり、
何か大切なことを忘れているんだよ。

人の気持ちを察することに
鈍感な似たもののあたし達。
人を傷つける分、
自分たちも傷ついている。

一緒に喜んでくれた君は
一緒に悲しんでくれる?

---
君に電話をしたなら、一喝された。
とりあえず、急いでもう一度行って。というので、
あたしは大切なものたちを家に残したまま、
自転車で急ぐ。

間に合わなかった。というと、
君は謝っても許してもらえないよ。と。

あたしはどうしていいかわからず途方に暮れる。
どうにでもなってしまえ。と思う自分がいて、
いや、投げやりになるな。という自分もいる。
結局、大切な人を困らせて
今日も世に蔓延る自分がいる。

---
こうやって、縁が途切れていくんだろう。という一瞬。
あたしは凍りつくような、
その瞬間を何度経験しただろう。

何も連絡なく途切れていくより、
まだ受け入れられる。
電話であったり、メールであったり、
口から発せられる一言であったり。

あたしは一言、そして
一行動余計なのだ。
そして、大切な人を困らせてしまうんだ。

ぐっと飲み込まなければいけないこともある。

心の距離と物理的距離がどんどんと離れていく。
もう考えてもどうにもならないことばかり。
なのに、ぐずぐずと考えて。

あたしがもう少し大人ならば、
大切な彼女を悩まさずに済んだのだろう。
もうこんな思いをするのは嫌だ。
にっこり笑ってさらっと流せればいいのに。

もう言葉を交わすこともなくなってしまうだろう。
心からのごめんなさい。を込めて。
大切な彼女がほんとうに元気になって
幸せになる日を心待ちにしている。

あたしは暫く冬眠。
春がきて、芽吹く頃、笑顔になれるように。
それまでは、どっぷり物思いにふけるのもいい。
いや、思考停止の方がいいのか。



2006年11月14日(火)



とても読書量が多い彼だった。

いつもお互いが最近読んだ本で盛り上がった。
彼は仕事のストレスで、
頭の一部分の髪が抜け落ちてしまっていた。
それも、まだらに。

あたしはそんなことを気にせず、
色んな店に出かけた。
ワインの日もあれば、
水割りの日もあり。
気分によって店を使い分けた。

鼻にかける。といった嫌な部分はなく、
珍しくあたしが素直に話を聞ける相手だった。

店ではそんな雰囲気は見せず、
いつも握手だけして帰る彼だった。
そんな彼の転勤が決まった。

お互い、本当は言いたいことがあったけど。
敢えて言わなかった。
彼は、あたしがついてゆく女でないと分かってたんだろう。

悲しいかな、彼の上司が
あたしの職場復帰を未だに待っている。

2006年11月13日(月)



My追加
Skin by yukie