言いたくなかったことを言ってしまった。 築き上げたものを自分の手で壊すということ。 何が本当で、何が嘘かもわからなくなってきて。
黙ったままで居心地のいい空間を作っていれば それだけでよかったのかもしれない。
君の顔色が変わってゆくのを見届けた。 ほんとうのことをしりたかっただけ。
うそにうそを重ねて。 そうやって時間が過ぎてゆくのを ただ待ってるしかないのか。
どうしても君と体をあわせることができなくて、 現代医療に頼ってたいせつなものたちを手に入れた。 君はそれに気づいていた? 何事もないように振舞っているあたしが 何も気づいてないと思ってた?
君がいない夜に、お酒とタバコで紛らわし、 連絡のとれる相手と言葉を交わしていたのは、 やりきれないからだ。 一人の夜に君の事を想えない。
そんな君を選んでしまったあたしが甘かったのか。 何も言わなくても気づいてしまったあたしを 選んだ君が悪いのか。
父親には苦労ばかりを選んでいると言われた。 あなたに言われたように、 成功しても自分の努力、 失敗しても自分の責任。という育て方を 忠実に生きてみたらこうなってしまった。
勝ち組を演じているあたしは、 ほんとうは誰よりも負け犬。
2006年11月16日(木)
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なんだか、日付がずれてきている。 そんなことはいいのだ。 思いつくままに書く。
あたしが思っていた以上に彼女は大人で。 過去までどうにもならないのに、 それでも気にしてしまう。というのは よく分かる心境で。
--- お店にいた頃、勤務中絶対にタバコは吸わなかった。 みんなのタカ。であるために。 同伴やアフターのときは吸うけれど。
彼女は店を仕切っているママと呼ばれる存在で。 綺麗で背が高く、憧れだった。
そんな彼女から誕生日を偽る。ということを教えてもらった。 あたしは、店では誕生日を偽り、 ほんとの誕生日は恋人と過ごすという 彼女のやり方をまねた。
そんな彼女のほんとの誕生日に あたしはタオルを贈った。 翌日、昨日お風呂から上がって使ったよ。 手触りがよくて。と。
あたしは、憧れだった彼女から そんな言葉をもらえて幸せだった。
みんなのタカ。であるために、 あたしはもらった名刺の裏に特徴を書き込んでいた。 店がはねたあと、一人で飲みながら。 そして、季節の便りも忘れずに。
そうやって、君と知り合った店から お客を奪ってしまい、 酔いどれのおばちゃんママは店を閉めてしまった。 今でも君の会社の人に笑われるけど。
憧れだった彼女も店を閉めてしまい、 今でもきっとあの土地のどこかにいるんだろう。
あたしは、あなたから得たものは大きい。 店を閉めるという、年末最後の出勤の日、 誰よりも小さい花束を贈ってしまった。 でも、それが精一杯の気持ちだった。 胡蝶蘭にまぎれた、バラとカスミソウだった。
オードリーヘップバーンのように髪をセットし、 人が振り返るようなドレスを着たあなたが、 外国産の車をひっくりかえしてしまった。 そして今は、軽自動車という愛車で、 消えてゆく姿をお客さんと見送った。
あたしはあの頃と変わらず、 ショートカットで生きています。
2006年11月15日(水)
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