paranoia kiss
    

当時の僕は強さの欠片なんて持ち合わせていなかった。
弱い。と思い込んでいた。
それを言い訳にいろんなことから逃げまくった。

逃げられない今。
時間は確実に過ぎ、
人は僕を強い。と言う。
親でさえも認めてくれるようになった。

いつから、何がきっかけで強くなったのか
なんてわからないけど。
時間が僕を強くしてくれたのかもしれない。

周りが僕を見捨てなかったから
僕は今日も呼吸できる。

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君のいない夜。
君のまくらをのけて、自分のまくらで眠ることにする。
シーツに君の香りが残っていた。

なんだかどきどきした。
こんな気分になるなんて。
少しだけ恋しくなる。

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身体と心は疲れているのに、
思考だけが活発で眠れない夜。

何度もメールを確認したり、
あれやこれやと考えるうちに
新聞がポストに入る音がした。

かといってぐうたらできない朝。
昨日の楽しかった時間の片鱗を片付ける。

また、今日も同じ事が繰り返されるというのに。

2007年01月19日(金)



業者の男性からエゴイストの香りがした。
ふっと記憶が戻ってしまう。

初めてその香りが鼻をかすめたのは、
タバコの煙とアルコールの匂いが入り混じった空間だった。
本当にエゴイストというにふさわしい彼。

その香りが気に入って、譲ってもらった。
以来手放さず、自分の香りとした。
彼は海が好きでよく出かけた。
二人して同じ匂いで。

時が流れ、エゴイストとは程遠い彼に
自分の使いかけを贈った。
なぜだかわからなかったけど。
アロハシャツにエゴイストの香り。

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赤い糸は1本しかないから、
きちんと見定めてほしいと思う。

僕も時々この赤い糸が赤なのかどうか
わからなくなる瞬間があるけれど。

そうして、エクストレームを香らせる君に惹かれる。

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エゴイストの彼はもうとっくに
この部屋を去ったというのに、
残り香に悩まされている。

窓を開け放っても
鼻についた残り香。

いや、記憶が香りとなって残っているだけなのか。


2007年01月16日(火)



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