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読書・映画・旅ノート(毎日更新目指す)
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2004年01月07日(水) ■
『死ぬまでにしたい10のこと』

『死ぬまでにしたい10のこと』
「10のこと」の内容はすでに予告やポスターでわかっている。
もっともな内容ばかりでそれだけで終わると
あまりにもありきたりなお話にならないかなあ、
と、実は危惧していた。
それでは、実は11があったりするのだろうか。
それともどんでん返しがあったりするのだろうか。
 実はない。
いくつかはあまりにもご都合主義的な展開もあったりする。
けれども見終わった後
「もっといろんな展開があってもよかっのでは」
という気持ちはなぜか起きてこなかった。
演技がすばらしいのだろうか。
細部の演出がすばらしいのだろうか。
実はそれらはほとんど傑出してはいない。
ただあと二ヶ月でできることとして、
あの10のことは実に実にすばらしい選択であった。
そういうことだけかがわかった。(03.11)
    



2004年01月06日(火) ■
「インファナル・アフェア」アンドリュー・ラウ、アラン・マック監督

「インファナル・アフェア」アンドリュー・ラウ、アラン・マック監督 アンディ・ラウ、トニーレオン、アンソニー・ウォン、エリック・ツァン、ケリー・チャン、サミー・チェン 85点
久しぶりに見応えのある犯罪映画(フィルム・ノワール)を見た。
特殊なドラマがやがて仏教の哲学的な命題に還っていくところなんか、
一種の抒情詩的雰囲気さえ漂わせている。
トニー・レオンは「HERO」より数倍かっこいい。
難点は少しストーリーが分かり難かったこと。
最終的には分かるのだが、
スピード感をつけるためには仕方なかったかもしれないが、
少し編集で切りすぎたかもしれない。
『もう一度見ろ』ということか。(03.10)



2004年01月05日(月) ■
「バリスティック」

「バリスティック」アントニオ・バンデラス リューシー・リュー
CGにあまり頼らない銃撃戦、カーレースは頑張っている。
活躍する場の少なくなったスタントたちの誇りが垣間見える映像だった。
ハードボイルドタッチのセリフのやり取りは大好きなところ。
ただし、いくら粋なセリフが在ってもその背景に
「深い想い」が無ければ大無し。
概してプロデューサーは頑張っているけど、
リューシー・リューも寡黙なテロリストをはまり役で演じていたけど、
監督、脚本家は単なるおたくではないかと思う。
すぐ忘れてしまえばいいような作品ではある。




2004年01月04日(日) ■
「長いお別れ」レイモンド・チャンドラー

「長いお別れ」ハヤカワ文庫 レイモンド・チャンドラー  清水俊二訳
いわずと知れたハードボイルドミステリーの古典である。ミステリーとは限らない、いろんな小説や映画の一人称で語る主人公はフィリップ・マーロウ私立探偵のプロトタイプである(らしい)。今回初めて「実物」を読んだ。マーロウは今まで読んだハードボイルドの主人公たちの誰にでも似ているようで、実に男臭く、クレバーで、似ていなかった。

この文章に接して、この文体にかぶれなかったら、本好きではない。マーロウの粋なセリフをいつか自分も呟いてみたいと思わなければ、男の資格はない。日本のどこかの評論家が「チャンドラーの小説は優れた独身中年小説だ」といっていたが、肯べなるかな。
42歳。いい女に「結婚に反対する理由がなにかあるの」といい寄られて彼はいう。「100人のうち2人にとっては素晴らしいことさ。あとの98人にとっては形式に過ぎないんだ。」かっこいい。こんなセリフを吐いてみたいものだ。むりだけど。



2004年01月03日(土) ■
「ひぐらし荘の女主人」小池真理子

「ひぐらし荘の女主人」集英社文庫 小池真理子
ミステリーとして優れているかというと答えはノーだ。ミステリー初心者の私でも充分結末が見えていた。(「彼なりの美学」を除いて)

この作品群の魅力は途中でにじみ出し、匂い立ち、密かに浮き出てくるような「色気」の描写である。例えば「花ざかりの家」では、男は妻の貴志子が家政婦として働いている屋敷の主人と不倫しているのにうすうす気がついている。そのときの描写はこうだ。「結婚当初から、どちらかというと色気とは縁遠く、少年と軽やかさと少女の無邪気さを併せもっていたような女だったのに身体の線にえもいわれぬなめらかさが加わった。体重が落ちた様子で、にもかかわらず張りつめたような眼差しには潤いばかりが増してくる。」やがて妻は謎の自殺を遂げる。

この本にいわゆる「性描写」は全然ない。しかしこれらの作品群は見事に「官能」的である。



2004年01月02日(金) ■
「ホテルハイビスカス」中江裕司監督

久しぶりのクレールです。
「ホテルハイビスカス」は「沖縄」の町の角にある
部屋が一つしかないホテルだ。
ビリヤード場併設、けれども客はぜんぜんこない。
美人でバーで働いているおかあちゃんが一家を支えている。
禿のおとうちゃんはとてつもなく優しいけど、
おこるとちょっと怖い。
おばぁはいつもにこにこしているけど、
魂(まぶい)を返す法も知っている、ちょっと頼りになる人。
黒人ハーフのおにィはボクサーの卵、チャンピオンを目指している。
白人ハーフのおねぇは母親に似てきだてのいい働き者。
そしてたぶんその後おとうちゃんと結婚して出来たのが、
野生児おかっぱ頭の小学生美恵子。

沖縄大好きの私にはなんとも懐かしい世界だった。
伝統的建築物なんか一つも無いなんでも無い町なのだけど、
特別でない普段着の沖縄満載だった。
基地が在って、美恵子たちはその中に紛れ込む方法をちゃんと知っている。
その中にはカメレオン(?)もいる。
バスの背もたれには相変わらず落書き(気がついたのは私だけかも)
三線の名手はどこかしこにいて、沖縄音楽はいつも身近だ。
(今回「ナビィの恋」みたいな音楽満載にならなかったのはちょっと残念)

なんでもないエピソードの積み重ねだけど、
最後の美恵子がしかられた時の言葉
「暴力はいけないことだ。それが大きくなると戦争になるんだぞ」(正確ではありません)
その後の展開が私はとても好きだ。
クライマックスにふさわしいエピソードだった。

中江祐司監督の挨拶には行けなかったけど、
先着限定のお土産「オリオンビール」は貰えた。
とても嬉しかった。アリが10匹。





2004年01月01日(木) ■
再開します「人生は、時々晴れ」

10月にPCが壊れて以来、休んでいた日記を再開します。
この間見た映画、読んだ本、旅の記録は相当あるので
しばらくはそれを載せて生きたいと思います。

「人生は、時々晴れ」マイク・リー監督
事故を起したタクシー仲間の同僚に主人公フィルはこう慰める。
「もしかしたら幸運だったのかもな。
その事故がなかったら次ぎの角を曲がったときに
人を轢いていたかもしれない。」
おお!人生の真実を発見したような気分になる人もいるかもしれないが、
騙されてはいけない。
同僚は自損事故をあて逃げ事故だったとウソをついているのであり、
フィルも「俺が家族を食わしているのだ」といっているが、
娘や妻からも金を借りるアリ様。
彼は運命を悟っているわけではない。
運命に疲れているだけなのだ。

この映画は普通を描いた作品だ。
美男美女はとうとう一人も登場してこない。
最後疲れた心に少しだけ晴れ間がのぞきこむ。
ケン・ローチだけがイギリス労働者の実態ではない。
こういう映画も時には見てもいいかもしれない。

映画が終ったあと、回りの人々を見て、少しだけ優しくなれるから。



2003年10月10日(金) ■
考古学今昔物語」坪井清足 金関恕 佐原真

「考古学今昔物語」企画・編集むきばんだやよい塾実行委員会 坪井清足 金関恕 佐原真
日本考古学の重鎮3大巨頭がほとんど無報酬で2回に分けて講演とシンポジウムを行った、その記録。そのうちの一人は数ヶ月前に「余命数ヶ月」と宣告されたばかりの佐原真である。その会場に数千名の人たちが集まる。考古学ファンとはこういう「物好き」たちが集まった良い意味での「素人」の集団なのだ。企画・編集はむきばんだやよい塾の人たち。弥生時代最大規模の遺跡・鳥取の夢木晩田遺跡のガイド養成を目的とした学習サークルである。
話の内容は日本考古学小史と現代考古学への提言。『現代の考古学者はどんどん物から離れていってしまっている』というような重要な指摘が語られています。考古学ファンなら必読の本でしょう。大手出版社発行ではないので一般書店においてある可能性は低い。amazon.com等のサイトで申し込もう。



2003年10月09日(木) ■
『陽陰師�供拌貪塚瞭麩佐篤�

『陽陰師�供拌貪塚瞭麩佐篤�
55点
いろいろとサービス精神たっぷり。
深田恭子のあえぎ顔は一瞬かと思っていたら案外長かったし、
萬斎の女装姿も見えたし(一瞬のみ美しかった)、
蝶々娘は今度はオウム返しのセリフだけではなくきちんと秘書していたし、
伊藤英明は分を知ってコミカル部分に専念していたし、
物語を分かりやすくする配慮か、
本来古墳時代に決着がついたはずの出雲との確執を
平安時代の「出雲村」に舞台を移し代えて描き、
本来伊勢に在るはずの聖剣を平安御所において在ったりするし、
中井貴一はあとの展望はなにも無くテロに走るし、
結局妖怪変化は今回はほとんど出てこないし、
すみませんだんだん不満点ばかりになってしまいした(^^;)
     
    



2003年10月08日(水) ■
大極宮〈2〉 大沢 在昌 宮部みゆき 京極夏彦

大極宮〈2〉 大沢 在昌
価格: ¥590
今回のモトネタ(ウエブ連載「週間大極宮」のこと)は2002年3月から10月までの8ヶ月しかない。というわけで「その他ネタ」がずいぶん充実しているので、毎週インターネットで彼らのHPを訪れていても退屈することは無いだろうと思う。今回、モトネタに対して三人が語り下ろしている分量はずいぶん多い。モトネタより多いのではないか。特に「ルパン三世」や「ゴジラ」「ガメラ」に対して熱く語っているところなんか面白かった。

この本の内容と、彼らの作品そのものとはずいぶんギャップが在る。大沢は私生活では飲んでゴルフしてダイエットして勝浦の別荘で楽しんでいるだけに見えるが、ハードボイルド作家としては日本では無くてはならない存在に年ごとになってきている。宮部はゲームばかししているように見えるが、いつのまにか作品は出来あがっていてその全てがベストセラーへ。彼女の超売れっ子ぶり、作品の各賞総なめぶりはいうまでもない。京極はこの本の中でいちいち進行度をチェックされていた「覘き小平次」が次ぎの年の春に見事に山本周五郎賞を獲った。
この本は作品と私生活のギャップを楽しむための本である。よって彼らの作品に接したことの無い人にはつまらない本だろうと思う。

去年彼らがやった私費での「大極宮フェア」(書店の中で出版会社の枠を取り払う試み?)は面白い試みだった。成功しているようには思えないが、出版不況をなんとかしたいという彼らの気持ちはよく伝わったので、せめてこういう本を買ってその想いに賛意を表したいと思う。