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V字経営研究所・酒井英之の4行日記 DiaryINDEX|past|will
白川郷の夜はどぶろく祭。公民館でどぶろくが振舞われてよい気持ちになると、誰かが盆踊りの唄を歌いだした。すると、地元のおじさんおばさんが、公民館の真ん中に立って踊りだす…この踊りが実に優雅で、男も女も魚のように艶っぽいのだ。見よう見まねで踊ってもああ優雅には踊れない。そこまでたおやかに舞えるのは、きっと踊っているときの心根が違うのだろう…心から楽しませてもらった。
白川郷の土産物屋「今藤商店」に立ち寄る。観光地の土産物屋は、だいたい大勢の観光客を短時間処理するためにお決まりの味気ない様相を呈しているもの。ところが、この店には地酒の立ち飲みコーナーがあり、いろんな地酒を試飲の上購入できるし、カップ酒としていただくこともできる。つまりここの店主は、お客様を1対1でお迎えしようとしているのだ。観光客が多いシーズンは大変だろうが、この姿勢を貫いて欲しい。
白川郷の集落を、荻町城址の展望台から眺める。その光景に同行したお客様が「テーマパークのようだ」とつぶやいた。確かに、アンデルセン童話に出てくる箱庭のようだ。そしてテーマパークである以上、テーマがあるはず。そのテーマを探すと、それは「結心」だった(2003.4.13のこの日記参照)。住んでいる人同士が、労力を惜しみなく提供し支え合う精神。それは、今も住民の間で受け継がれている。
白川郷の民宿・白弓荘。この民宿の暖かさは、座敷の障子を見ればわかる。障子のマスひとつひとつに、泊まった人のご主人や女将さんへのお礼が墨字でびっしりと書いてあるのだ。「メシうまかった!また来ます」「こんなところに住みたいなあ!」「あたたかいおもてなしありがとうございました」。平凡な言葉だけど、そこがまたいい。想いを伝えられる場があるのは宿泊者にもありがたいことなのだ。
ふじや旅館の夕食の献立表に「熊汁 月の輪熊の肉です。ぜひ食べてみてね。脂から、おいしいだしが出るよ」とあったから驚いた。一緒に行った3人とも熊なんて食べたことがない。熊は細かく刻まれていたが、熊汁は殊のほか美味しかった。女将によると、猟師が山で捕ってきた熊の肉を使っているのだと言う。このくらい強烈に客の期待を超える料理を出されると、すっかりファンになってしまう。
岐阜県の白川郷のふじや旅館(藤助の湯)に泊まる。日本秘湯の会に加盟するこの温泉宿の夕食に驚いた。すべてが、飛騨で採れたものだけで構成されていたからだ。献立表はすべて手書きで、一番上に「天然のならごけがとれたよ」と嬉しそうに赤いアンダーラインまで引いてに書いてある。そして「ならごけ 舞茸のこと。見つけると舞い上がって喜ぶんだそうです」と解説が添えてある。それを見ただけで、店主の喜びぶりが伝わってきた。
某社から、クレドを作る研修講師のご依頼をいただいた。きっかけは今年の9月1日の私の4行日記。「飲酒運転はダメ!」と言うよりも、「飲酒運転はしません。なぜならば私の大切な人は、誰一人としてそんなことを望んでいないからです」と言えば、相手を前向きに誘うことができる。このようなクレドを交通安全のために作りたいと言うのだ。それで人の命を守れるのなら、こんな嬉しいことはない。
ビジョン作りの研修講師を務める。できるだけドラッカーに忠実に行おうとワークシートを作ったら時間が足りなくなってしまった。前回、同じ講義でもう少し簡便なワークシートを使ったのだが、このときは飛躍がありすぎて戸惑う人が何人かいた。そこで細かくしたのだが、細分化しすぎて時間が足りなくなった。「及ばざるは過ぎたるに勝れり」という日光で覚えた家康の遺訓の意味を、身をもって知った。
宇都宮商工会議所で餃子の味起こしの物語を聞いた。たくさんある餃子店の一覧MAPを作ったのが始まりだという。以来、その成功例にならい、今ではジャズの街・宇都宮をPRするためのJAZZ・MAP、さらにはカクテルの街を訴えるためのMAPを作り、市民に情報発信していた。何でも地図化してくれると、客は自分にピッタリなものを探しやすい。多くから選べる楽しさが大ヒットに繋がったのだろう。
奥日光に宿泊し、翌朝「戦場ヶ原」を散歩した。雄大な自然にすっかり癒された。ここにはハイキングコースが幾多もあり、実によく整備されている。特に戦場ヶ原の湿原内には、歩くための橋が整備されているのだが、これを整備した人は本当にこの自然を守りたいと思って整備したのだろう…と、歩きながらその人の熱い想いが伝わってきた。自然もそうだが、そういう人の熱い想いが人を癒すのである。
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