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V字経営研究所・酒井英之の4行日記 DiaryINDEX|past|will
トヨタ系車体工場の中に、何枚もの改善前の写真が貼ってあった。特に整理整頓がなされた場所では、以前の状態とは天と地ほど違っていた。改善前の姿を残すことで変化させることの大切さを教えたり、少し怠けると元の悲惨な状況に戻ってしまう…それを警告しているようでもあった。改善箇所に改善シールを貼る例を見たことはあるが、旧の状態を示す写真を見るのははじめて。これは効果的だ。
車体工場の社長の話を聞く。驚いたのは社長の検査に対する考え方。検査には結果を検査する「結果検査」と、不良の発生原因を調べそれを撲滅する「プロセス検査」がある。プロセス検査は不良があれば発生原因を調べ、設計や作業方法を変えることを言う。同社が重視しているのは結果検査よりプロセス検査。プロセス検査が機能すればやがて検査はいらなくなる。「検査は検査を無くすためのもの」が同社の考え方だ。
車体工場の見学中、主催の高井先生が講義で「人を連れて行く時も、お迎えするときも何事も心臓に錐で穴を空けるくらい真剣にやらねばならぬ」とおっしゃったのには驚いた。真剣さを「心臓に錐で穴を空ける」と喩えるとは…先生は以前も「相手の口に手を突っ込んで心臓をゆさぶるくらいの衝撃を与えないと…」と言われたことがある。これだけで普段からすさまじい生き方をしている人だとわかる。
WBCの勝因は投手の制球力にあったが、ホームランを打たれない投球術が身についているのだという。工場も同じ。面積が狭いなど制約条件が多いほど、人は創意工夫を重ねて何とかしようとするもの。車体工場の中の何箇所かで、スキー場のゴンドラのようにクルマのボディの下をくぐった。横に大きく動かすよりも上にヒョイと上げて横に動かす。こっちの方がトータルコストダウンにつながるだろう。
昨日のトヨタ系車体工場視察に、畑違いの接骨院の先生が参加していたので驚いた。それも遠方からの参加である。わけを聞くと、自分の院にはトヨタ系の社員の方が多い。その人たちは肩や腰の痛みに苛まれている。そのため、どんな仕事をしているのかを見たくて参加したと言う。治療のため、痛みが発生した根本原因を確認する。現地現物を大事にするこの先生、いずれ名医になるだあろう。
お世話になっている高井法博会計事務所の企画で某トヨタ系車体工場を見学する。世間で元気がないといわれているトヨタだが、本当にそうなのか今の「ナマ」トヨタが見たくて参加した。結果は…予想に反して、皆粛々と、しっかり仕事をしていた。1台あたりを生産するタクトタイムを2.7秒から4.2秒へと伸ばしたと言っていたが、かえってゆっくりジャストインタイムを見ることができた。不況でも、トヨタはしっかりしたいい会社だ。
指導をお手伝いしている少年野球。昨年末にエースピッチャーが辞めたことで、2月の練習試合から今日まで1分挟んで10連敗。今日の練習試合も最初に4点先制したものの、途中で6点を奪われ、最終回の時点では4点のビハインド。また「負けるか…」と思ったが、選手は諦めてなかった。そして、最後は11対10で逆転サヨナラ勝ち。皆が繋いで塁を埋めた結果だ。久しぶりに大人も子供も喜んで家路に着いた。
某社の会長と社長と面談。二人は不仲だが、その原因は二人の出身にある。会長はたたき上げだが社長は銀行出身。今回の不況に対しても、会長は「秋には昨年対比70%にもどるからそれまでに手を打たねば」といい、社長は「経常利益率4%以上確保できる会社にしたい」という。それを聞きながら、社長は計算はできても予測が出来ない人だと思った。会長はそのような力を持たない社長が歯がゆいのだ。
某社の経営方針発表会で基調講演する。バブル後の苦境を自分自身がどう乗り切ったかを勇気を持って話した。その内容が投資の失敗であり、その借金苦のどん底から脱出する物語だからだ。経済的な落ち込みからは、誰かの立て替え払いで脱出できる。しかし、精神的な落ち込みからの開放には「自分にしかできないことで、他人を喜ばすことが出来ることを徹底的にやる」しかない。それが伝えたかったのだ。
某クライアントに、高卒新人が4人(男女2人づつ)採用された。同社にとって新人4人は歴史的なこと。総勢70人の会社は、それだけで随分フレッシュな雰囲気になった。彼ら彼女らに大事に育ってもらいたい周囲の心配りや緊張感も伝わってきた。中小企業トップにはオイルショック時の入社組みが多く、中核には就職氷河期の入社組が多い。こんな時期の入社の彼らには人一倍頑張って欲しい。
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