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V字経営研究所・酒井英之の4行日記 DiaryINDEX|past|will
静岡県駿東郡長泉町。沼津ICと裾野ICからも三島駅からも距離のあるこの町に、ルートインなどのホテルが次々建設されている。「なぜ便利でもない場所に?」と不思議に思い地元の人に尋ねたら、近くにできた「静岡がんセンター」の影響だという。このセンターの患者を見舞う人、かかる人が宿泊施設として使用するらしい。寺の前に市が立った門前町と同じ理屈。現在は病院の前に市が立つ時代なのだ。
ある労金職員に、感動的な話を聞いた。多重債務に陥った人がいる。彼は3人の息子の父親だった。彼を救うには、子供に連帯保証人になってもらうしかなかった。そこで長男にそのことを伝えると、長男はびっくり。そこで兄弟3人で協議し、お父さんの借金を全部払ってくれたという。「どうしても借金のことは子供たちに言い出せなかった」とお父さんは言う。そんなやせ我慢をする父親の姿は、子供には魅力なのだ。
昨日指導した金融機関の次期店長の中には、長期ローン等の支払いが遅れている個人客からの回収を仕事にしている人が何人かいた。彼らは客先の家庭を訪ね、現在の収入の状況を確認し、実現可能な返済計画を再設計する。その親身な姿勢に「今月はお支払いできそうです」と自ら電話して来る債務者も多いという。お金を貸すときも人助けだが、回収するときも人助け。労金職員の本来の姿がここにある。
某金融機関の次期支店長を養成している講座で、1日に28人もの受講生と個別面談をする。私の手元には、彼らが書いた2011年4月1日の「未来日記」。各店の目標達成に向けてこれから起こる出来事を、さも実際に起きたように過去形で書かせるのである。その日記を題材に「具体的にはどうするの?」「できないとしたらどういうとき?」「その問題はどうやって解消するの?」と少々意地悪な質問をしていく。一種のイメージトレーニングだが、Happy endを前提にしているだけに楽しい。28人はあっという間だった。
御殿場にある某社の研修施設に泊り込みで研修の講師をする。この研修施設からよく富士山が見える。研修所の所長は、「毎日見ても飽きないねえ」という。私もここに何度も来ているが、富士山はそのたびに違う表情をする。毎日変わらずにそこにあり、見てて飽きないもの。見えない日はとても寂しく、見えた日はそれだけで気持ちよくさせてくれるし、安心もさせてくれる。そんな存在は滅多にない。
岡崎市のまるや八丁味噌の隣には、カクキューという同業の八丁味噌の会社がある。両者はライバル同士だが、お互いの足を引っ張り合いではなく「あいつのここには敵わない」「あいつのここが凄い」と褒め合う戦いをしよう!そして、岡崎に財産を残す戦いをしよう!と誓い合っているという。自分だけ良くなることを考えていてはいけない時代。大儀のためにお互いを高め、助ける生き方がしたいのだ。
まるや八丁味噌の浅井社長が懇意にしているのが、サムライプロジェクトの安藤竜二さん。彼は地方の逸品を発掘し「サムロック(サムライ+ロック)」ブランドで統一し、世に送り出す仕掛け人だ。統一ブランドを持たせることで伝統の逸品がメディアの目に留まり、報道される。それが伝統を受け継ぐ職人のモチベーションアップに繋がる。浅井社長は「味噌の価値をわかってくれる人とどうやって出会うか。それを手伝ってくれるのが安藤さん」「応援してもらったから彼を応援したい」と紹介してくれた。地方をよくするために命懸けの人に出会えて幸せだった。
岡崎市でまるや八丁味噌の浅井社長の話を聞いた。同社の味噌は地元産の大豆にこだわり、昔ながらの製法で作る。見込生産はせず、オーダーがあればそのオーダー分を樽から掬って売る。そのため、100g当の値段は一般の味噌に比べ10倍以上もする。が、「その価値をわかってくれる人と付き合えばいい」という。同社の商品は海外にも輸出されているが、価値観の共有に国境は関係ないと改めて認識した。
オフィス・ファニチャーメーカーの社長と話す。社長はi-padは大変な脅威だという。なぜなら書籍の電子化は、書籍ラックの必要性を消してしまうからだ。また、クラウドコンピューティングも大変な脅威だという。なぜなら、自分たちが市場としてきたオフィスの有り様を変えてしまうからだ。それを聞きながら変化に敏感な人は、早い段階から対応策を考えているものだと感心した。彼には既に始まっている未来が見えているのだ。
某建築会社の会長と話す。会長の話の節々に「儲けさせていただいている」という言葉が出てくる。「儲けは必要だ」というが、「いかに儲けるか」とはいわない。会長曰く「儲けさせていただいている=納得していただいている」ということ。単に「儲けよ」と言っていたらそれは「むしり取るみたい」。少しの違いだが、会長には明確な区別があるのだ。それを聞きながら同社の売り物は住宅ではなく「納得感」だと感じた。
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