V字経営研究所・酒井英之の4行日記 DiaryINDEX|past|will
女性が活躍する会社のアドプランナーの副社長にインタビューした。同社は世の中が女活と言い出すずっと前から育休制度、在宅勤務、フレックスタイム、時短などを導入。例えば産休中の女性がメンターとして若い社員の営業をネットではもちろん、同行(現場へ直行直帰)でサポートしたりしている。女性社員の既婚率は57%でそれだけ両立ができている、ということ。人が辞める=赤字、辞めてもらっては困るという発想で女活に力を入れてきたというが、正直言ってこんなに女活が上手い会社が名古屋にあったのかと驚いた。
静岡のお客様を、岐阜のお客様の見学にお連れした。狙いは、同じような業態のFC経営を行っているものの、静岡の会社は不調で岐阜の会社は好調だからだ。特に、働いている従業員の数は同じなのに、なぜ静岡の会社は利益が出ないのか、そこを検証してみたかったという。そこで浮かび上がったのは本部のサポート力の差。岐阜の会社が加盟しているFC本部は大変手厚く、オーナーの経営が軌道に乗るまで援けてくれる仕組みがある。一方静岡の会社は任せっぱなしの所がある。その差はそのまま初期投資の差でもあるのだが、両社長の会話を横で聞きながら、FCのようなサービス業成功の秘訣は何はなくとも本部のサポート力だと痛感した。
ある研修に参加したら、そこに豆腐メーカーの人がいた。会社の住所が私のクライアントの食品メーカーととても近かったため雑談していたら、豆腐を原料した食品はヘルシーでいいかも!という発想が生まれた。そこで両者に会ってもらうよう、早速段取りした。そうしたところすぐさま意気投合し、今まで一度も試したことのない豆腐を原料にした試作品開発まで話が進んだ。マッチングは狙ってできるものではないが、こんなセデンディピティが世の中を動かす。だから開発の仕事は面白くてやめられない。
スタートアップ企業の話を聴いた。スタートアップとはベンチャー企業が持っている新しい技術と大企業と結び付け、その技術に大企業が持っているコンテンツを載せて一気に普及させてしまうビジネスのことだ。直近の例ではポケモンGOや、スターウォーズに出てきたBB−8などは、そのようにして生まれたという。マッチングは投資会社のような専門企業が行うが、大企業の商品企画部門は、こうした情報をゲットできる仕組みが必要だと感じた。自社技術のみで明日を生み出そうとしていたら、置いてきぼりを食らうだろう。マッチングからの急成長の大切さを改めて感じた。
5Sプロコーチ認定講座の準備に入っていることを認定ビジネスで成功している先生に伝えたら、私のコンサル商品のうち『ビジョン開発』でそれをやってみてはと勧められた。「V字経営研究所(V字研)認定経営ビジョン開発コンサルタント」を、認定講師養成講座を開設し、育成するのである。そのような制度を創るメリットは、社会的な価値提供ができること。同じ事ができる人が増えれば私が理想とする100年企業の創出に貢献できるということだ。デメリットは、独占性が失われること。が、大義の前に何かを「独り占めする時代」ことが望ましい時代でないことは明白だ。「酒井先生のようになりたい」という希望者がいる限り、これは真剣に考えないといけないと思った。
世間では認定ビジネスが流行っている。私に置き換えて言えば、自分が実施しているコンサルのやり方を希望者に教え、それを習得した人を「V字経営研究所(V字研)認定〇〇コンサルタント」として認定するもの。そこで4月から5Sに関しては「V字研認定5Sプロコーチ」希望者を集めて開校予定で準備中である。これまで5Sを指導した会社の中に「プロコーチ」を育て、彼らに社内の全従業員を育ててもらう試みだ。既に14人の受講生が集まっている。素晴らしい勉強の場になるように、良い準備をしていきたい。
30代半ばのコンサルタントにお会いした。彼の話を聴いて驚いた。彼は開口一番、「私は戦略の立案はできないのですが戦術は得意です」。聴くと「対面営業に強い、SNSマーケティングに強い、広告宣伝に強い、エンドユーザーの気持ちがわかる」が戦術に強い、ということらしい。確かにそのようなニーズは強いが、「戦略がわからない」ということを恥と思わないコンサルタントがいることに驚愕した。私たちの時代では考えられなかったことだが、これもニーズが細分化され、その細分化された市場のひとつひとつが大きくなっているからこそ言えることなのだろう。そのひと言に自分の時代遅れ感を痛感した。
商品企画研究部会の取り組みで、静岡県掛川市にあるビューテックという会社を訪問した。同社はスピルニナという藻を育て、健康食品に加工して販売している会社だ。スピルニナはスーパーフードの大様と言われ、自動車会社の新規事業創出プロジェクトで唯一採択されて取り組んでいる事業だという。藻を育成する設備、加工場などを観ながら担当者の話を聴いたが、その熱意に圧倒された。課題は「販売無くして経営無し」というように、健康食品はいかにして売るかにかかっている。が、こういう人が挑むのなら、きっと成功するだろう。新規事業の成功者は「何を創るか」も大事だが、誰がやるかも大事なのだ。
稀勢の里がついに横綱に昇進した。結びの一番で白鵬を破っての優勝だから誰も文句はないだろう。その結びでは、稀勢の里よりも白鵬に感動した。とにかく最短距離で稀勢の里を寄り切ろうと直線的に攻めに攻めた。大横綱が健気なぐらい一生懸命勝ちに行った。しかし、稀勢の里はそれを凌いだ。猛攻を正面から受けてしのぎ切ったことは、大きな自信になるはず。そのような自信を生み出したのは先輩横綱の意地。その精神力に大拍手したい。
高卒の新入社員が活躍し、定着率の高い会社に、なかなか新人が定着しないクライアントの社長や専務をお連れして、なぜ新入社員があんなにも生き生きとしているのか話をお伺いした。すると、まず高校の卒業式に会社から花束を贈る。次に、新入生に親への手紙を書いていただく。これを入社式で読み上げる。本人が読み上げると泣いてしまうかもしれないので先輩社員が代読する。その後社章を授与し、無限大握手をするという。これを聴きながら、歓迎力というかリスペクトの仕方の違いを感じた。新入社員にいかに喜んでもらうかの想いに溢れている。「新人なんて面倒くさい」と考えている会社とは大違い。これを機にクライアントが変わってくれればと思う。
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