V字経営研究所・酒井英之の4行日記
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2017年05月03日(水) 株主は企業の理念型経営の遂行を注視せよ

花房先生は、今の世の中は「理念的になっていない」と嘆く。ガバナンスやコンプライアンスが重要視されるが、「権利ばかり主張する株主はおかしい」という。日本に限らず今、世界中が自分の権利ばかりを主張し、利権を守るために他を排除しようと必死だ。どこもかしこも相田みつをの言う「奪い合えば足らぬ。分け合えば余る」の「奪い合い」となり、「分け合う」を忘れてしまっているようだ。株主は長期的な企業価値の向上を望む存在であり、何より理念への共感者であるべきだ。そして、企業が儲ける行動ではなく、理念に忠実な行動をとっているかどうかを注視するべきである。ズレた価値基準の国家元首&ビジネスマンが多い中、自分はそれを見失わない生き方がしたいと思う。


2017年05月02日(火) 建設的な討議の場づくりこそ社長の仕事

昨日の花房先生の「考え方がハッキリしていれば、行くべきところに行く」のひと言は多くの経営者に勇気を与える言葉ではないかと思う。というのも、先日ある社長に私が「ビジョンを幹部皆で議論しながら作るといい」と伝えたら、「言い合いになって譲らなかったらどうしたらいいのか?」と問われたからだ。また、その少し前にはある若手コンサルタントから「討議して修羅場になったらどうしたらいいか」と質問された。これに対し、花房先生は「考え方をしっかりしない。自分たちの理念に忠実であれば大丈夫」という。私も経験的に、場の空気が建設的なものであるならば、決して壊れるようなことはないと考えている。どこまで建設的な場にできるかは、何を目指して集まっているのかによるところが大きい。そこを共有できていれば、「行くべきところに行く」のである。


2017年05月01日(月) 考え方がハッキリしていれば必ず良い答えは出る

80代半ばの元日立キャピタル社長の花房先生の勉強会に参加した。先生は講師だが、自分で講義は打たず、10人の生徒の質問に答えるだけである。その冒頭で先生は次のように語った。「何から話しても、考え方がハッキリしていれば、行くべきところに行く」。花房先生は「理念なき経営は哲学なき人生と同じ」が信条だという。理念型経営の先人にお会いできるのは望外の幸せ。しっかり学びたいと思う。


2017年04月30日(日) 「マネジメント=場づくり」だと伝えたい

某大手企業の新任管理職研修のオファーをいただいた。依頼内容は「当社で実行していくべきマネジメントとは?を実践を交えて理解していただき、気づきを得て帰っていただく。そんな研修にしたい」である。そこで自分の持論を展開した。私の持論は「マネジメント=場づくり」である。「問題発見の場」「問題共有の場」「問題解決の実践の場」「成果をシェアする場」「自分の成長を実感する場」「振り返り次につなげる場」「イノベーションを創発する場」…大事なのは単独で走らず、皆が到着するのを待って、議論できる場を作ることと、場の中で一定の結論に至るまでじっと待ち、そこへ導くことだ。それにはテクニックはいらない。上司が部下を信じ、「力を貸して欲しい」という姿勢。その信頼が、チームを必ず良い方向に向かわせるはずだ。そのことを伝えたいと思う。


2017年04月29日(土) 体温を感じられる、皆で共有するビジョンをつくる

某社で管理職を巻き込んだビジョン開発プロジェクトを依頼された。これは私の最も得意とする仕事ではあるが、話を聴いていると同社には立派なビジョンが存在していた。社長や一部の役員が作ったものである。なぜこれで不十分なのかを確認すると、「このビジョンはまだ皆のものになっていない。どうやって実現していくべきか、皆のものにしないといけない」と語った。実行に至るには、その想いがひとつになること。それには皆が参画することが大事だと語るのである。それを聞いて、今回のご依頼の意義に納得した。ビジョンに全員の想いを込める。やりがいのある仕事である。「刀に魂を吹き込む」という言葉があるが、皆が体温を感じられるビジョンにするのが私の役目だ。


2017年04月28日(金) SNSにどうアップされるかから逆算して考える

洋菓子メーカーの社員と新商品のデザインについて話をした。案は2種類あった。1つはデザイン的に見栄えがするもので、おいしそうだった。もう一つは見栄えは良くないが、味の評価はこちらの方が良かった。さらに製造も簡単だった。多くの社員は後者を推した。しかしある女子社員は「この商品をインスタグラムにアップすると、前者の方が見栄えがしていいな」と意見した。その意見を聴きながら今どきのSNSの威力に気が付いた。普及手段から逆算して考えるのはデザインを考えることがとても重要な時代なのだ。


2017年04月27日(木) ミッションがお客様とやりがいの場を引き寄せる

その昔、出版コンサルタントの土井英司先生から「あなたは誰に持てるのか?」と問われた。当社は大企業から20人以下の小規模企業まで顧客規模は様々だ。そのときはクライアントを企業規模でしか切れずいろいろとしか答えられなかった。提供するサービスもマーケティングから人財育成までバラバラだった。しかし、ようやくその答えを得ることができた。当社のミッションは「居場所のない人に居場所を創る」である。市場から追われそうな中小企業はもちろん、大企業の中でも他部門から「ごく潰し」「わが社の癌」と呼ばれているようなお荷物部門を何とかして欲しい、との依頼は多い。ニーズで切っているから規模は様々だ。だからこそ、この仕事は面白い。


2017年04月26日(水) 部下が輝くステージを提供出来ていますか?

経営方針発表会の後の懇親会で、社員の皆さんの表彰式が行われた。壇上に上がる人たちは誰もが誇らしげ、ではなく、照れくさそうにしていた。それは、受賞者に対し会場から大きな暖かい歓声が上がっていたから。受賞者は「皆のおかげで受賞した」と思っているから『照れるし、皆も「あなたが一番頑張ったから」と素直に認めている。中には「なんであいつが獲るのだ?」という冷めた人もいたかもしれないが、私にはそんな人がいるようには見えなかった。このような称え合える表彰式ができるのは日頃のチーム力の賜物だろう。歩合給の会社のセールスコンテストとは違う表彰式を観られて感激した。


2017年04月25日(火) こりゃ驚いた!商社マンの商魂の逞しさ

理念型経営を推進する会社の経営方針発表会で、某大手商社の幹部が来賓のスピーチをした。その中で彼は、方針発表会の中で放映されたVTRで紹介された同社の業績グラフに触れた。多くの感動的なメッセージが図られるVTRにも関わらず、彼が興味を示したのは数字だった。そして、話の後半には同社のグループ企業であるコンビニを利用するように聴衆に語り掛けていた。それを聞いて、彼の頭の中には、理念の実行よりも目標達成や結果として数字を出すしか関心がないのだろうと思った。さすがは商社マン。その商魂の逞しさに驚いた。


2017年04月24日(月) 自分を高める「逆境本位」の思想

先先日の社長の方針の中でもう一つ印象に残った言葉があった。「逆境本位」。意味は「面倒で手間暇がかかっても嫌がらずに行動すること」。楽なことに走らず、人の嫌がる苦労を買ってでもやるということだ。竹内日祥上人は「人は深刻な逆境との遭遇により、自己の能力の限界を知る。そのことを通して、はじめて自己を相対化してとらえることが出来る」と教えてくれた。逆境の中で人は、感謝とか謙虚さを覚え、かつ勇気を身に着けるのだと思う。「逆境本位」はこれから大事にしていきたい言葉だと思った。


酒井英之 |MAILHomePage

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