大袈裟に言え
今この街をほんの少しでも離れる事は悪くない 長い時間電車に揺られながら 僕はなるべくいろんな事を考えないようにした 左手に見える海の上に虹が出ていた 海に浮かぶ半円の虹 残りの半分も静かに海の中を漂っているんだろう
知らない土地の光や音や匂いが僕を安心させる 海が近すぎるこの街は何処も彼処も汐の匂いに溢れている 悪くない
最愛の音楽とビールと浅い眠り
今日一日、僕の周りの空気はとても薄かった まるで高い高い山の上にいるみたいに 脳にはまるで酸素が回って来ない
周りの人間は皆怒鳴り、一様に苦しそうな顔をし続けた 僕は関わり合いたくなんてないのに 誰もがふと思い出したように僕に笑顔を求める
僕はただじっと 吐きそうになるのを堪え続けた 関わり合いたくなんてない
身体中に可笑しな色の血液が流れている それが時々僕を壊す
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