まつや清の日記

2005年09月18日(日) 映画『日本国憲法』を観る

 ジャン・ユンカーマン監督の映画『日本国憲法』を観ました。アイセル21の会場は300人は優に超えていたのでしょうか、満席で私は階段に座って観ました。ほとんどが、インタビュー形式で日本の日高六郎さんという日本の民主主義を代表する方のコメントを中心に、アメリカ、韓国、香港などの知の巨人、現在、国際平和に関係する諸活動を展開している方々の意見をていねいにまとめたものです。その意味では、ドキュメンタリーです。

 小泉旋風後の国会での自・公政権320議席を越えた日本のこれからのなりゆきに不安を感じる人たちが一同に会したと言っていいのでしょうか。問題はこの映画を通じて何をつかみ取るのかと言うことです。アジア・太平洋の中での憲法9条の意味を問い直しているという点にこの映画のフレッシュさがあります。

 特に日本も韓国もイラクで人質が殺されるという共同経験をしているという中で、韓国でも民族主義的にイラクへの派遣を強め韓国のプライドを示すべきであるという世論があり、そこにいかに抵抗するかという韓国内での課題の指摘は、韓日の連携すべき水準が何であるかをしめしているという点でも、この映画の意義があります。またアジアの平和はアジア人の力でと脱アメリカを強調している点も同様です。

 ところで、民主党代表に選出された前原誠司氏は、就任演説で9条の改正姿勢を示しましたが、アジア外交重視を打ち出している前原氏が、持論とはいえ就任演説でこの点を強調するというのは、アジア軽視、改憲勢力の増長を促している小泉外交との関係の中で「戦う野党」としての対決軸をどこに置こうとするのか、また、党内での9条擁護派との意思形成プロセスをどう進めていくのか、実に不鮮明、そして危うさを感じます。

米米 
 静岡県5区選出細野豪志衆議院議員は役員室長の任に当たるという事のようでありますが、この際、当選組の細野・渡辺・田村ライン、榛葉幹事長がどのような静岡県民主党改革の道筋を考えているのか、きちんとした方向性を提示して頂きたい思います。脱労働団体を鮮明にする前原民主党を支える静岡県民党が連合静岡に対してどのような転換を示し得るのか。

 民主党が、連合静岡の意向によって石川県政への対応や静岡空港問題に極めてわかりにくい姿勢を取ってきたことは周知の事実です。静岡空港の強制収容に反対し住民投票を、というくらいの大胆な姿勢を明確に打ち出すと言うことがなければ、静岡県においては、「改革ってなーに」と聞き返しざるをえなくなる民主党評価になります。



 

 
 





2005年09月17日(土) 大井川町長のゼロエミッション計画についての議会答弁

 驚きました。今日の静岡新聞、中日新聞、朝日新聞で昨日の大井川町議会での町長のゼロエミッション計画についての答弁が報道されています。
 
 中日新聞−廃棄物ゼロ事業 民設民営では推進困難 大井川町議会町長「公設を原則に」
 静岡新聞−県ゼロエミッション事業 「公設以外に選択肢なし」 大井川町長方針転換要請へ
 朝日新聞−廃棄物資源化施設は公設に 大井川町長

 大井川町長と静岡県とゼロエミコラボは2月に基本協定を結んでいます。この協定を前提にすると大井川町長の発言は、とんでもない発言になります。この発言をする以上は、現在進行中の環境アセスメントの中止要請をまずする必要があります。これはどのようになっているのか。

 ごみ処理は市町村に処理義務があるから公設にすべき、本来公設なのに民設民営では処理費が高くつき原料が集まらないから公設にすべき、との議会答弁であるようですが、だったら、何故、基本協定前にそのことをハッキリさせなかったのか、よくわかりません。それらも想定できなかったのでしょうか。

 地元住民が地元説明会で何度も住民の合意を得る為の説明を求めてきたのにそれらを一切無視していてこのような町議会での答弁と言うのもその真意が何であるのか、よくわかりません。地元住民の反対が公設であるのなら受け入れられると理解しているのか、町長の説明責任に対する責任をどう考えるんでしょうか。

 一方で、町長の答弁によれば、県は町長から公設を申し入れられていたとのことですが、いつの段階で申し入れがあり、どのような内部での討論をしていたのか、問題点を説明する必要があります。9月議会の一般質問でもこの問題は取り上げられることが予測されます。大いに注目です。

※※ 民主党党首戦では前原誠司氏が党首に選出されたとのことです。新民主党が静岡空港にどのような態度を示すのか、石川県政にどのような対応をするのか。一方で、元中曽根首相が、毎日新聞「小泉ガリバー出現」の5で「8・8解散は政治クーデター」論を展開しています。これらも注目です。

 



2005年09月16日(金) 中秋の名月

 今日バイクで帰りながら、明るい月を観ました。満月に近く、走りながら感動してしてしまいました。今日は中秋の名月かとインターネットを調べて見ると、今年の名月は18日とのこと、でした。それでも、月を観ながらいろんなことを考えてしまいました。そして、自然に口ずさんでいたのが、吉田卓郎の『旅の宿』。「浴衣君は すすきのかんざし・・・・」。小さい頃は、中秋の名月に、ススキとお団子を縁側で見たような記憶があります。今は、それも遠い昔の話なのでしょうか。

 そして、月にいるのはうさぎさんでなく、人間・宇宙飛行士です。月から地球を観た多くの飛行士たちは、人間界の無益な争いを忘れて、宇宙の中の地球、生命体としての人間を強く意識してきました。そのことは、立花隆氏の『宇宙からの帰還』(1997年中央公論社)の中のアメリカの宇宙飛行士達の紹介でよくわかります。それにしても、アポロ13号の奇跡の生還は感動的でさえありました。

 この宇宙を描いたスピルバーグ監督の『宇宙戦争』。彼の作品で宇宙ものは、『未知との遭遇』『ET』、そして映画解説では、この2作品は宇宙人は友達だが、『宇宙戦争』では侵略者、ここに今のアメリカの9・11以降の国民の感覚の変化が表れているとの評論がされています。このアメリカに行って、小泉首相は国連演説。日本の国民の衆議院選挙選択に、9・11以降の日米同盟の強化は含まれているのかいないのか。

 何度観ても月は美しく見えます。

 



2005年09月15日(木) 9月議会がはじまりました

 きのうは9月議会はじまりの議会運営委員会、参加するつもりでしたが諸事情で不参加でした。提案される議案については総務部部付主幹から説明を受けていましたので何ヶ所かの直接の提案室からの説明をお願いしました。今議会に、こども家庭相談センター総合支援部診療所の設置が提案されています。

 児童虐待や発達障害のこどもや家族の相談、学校からの相談の為に専属に医師3名(2人は常駐、一人は心の医療センター医師に委嘱)、看護師2名、心理判定員、2名を置くというものです。支援スタッフとしてケースワーカー1名、心理判定員2名、教員2名、保健師1名をおきます。

 以前、児童虐待被害者サポートのNPO団体の総会に参加して、相談医師の常駐問題が討論されていました。この総合支援部診療所がどのような機能を果たせていけるのか大いに注目です。当然、NPOとの連携も大切になりますが、学校教育現場との連携も重要な柱になります。教育委員会がどのような連携を考えているのか、資料請求中です。



2005年09月14日(水) 大井川ゼロエミッション事業で住民団体、県議会に陳情

 今日の午後は、県議会に大井川ゼロエミッション事業について地元団体である「飯淵の環境を考える会」からの陳情提出に立ち会いました。議長が所用で不在で副議長の中澤通訓議員が応対してくれました。ゼロエミッション事業を白紙に戻し、地元住民とあらためて検討をはじめることを求めるという内容です。署名をはじめて2周間で1016名の署名が集まりました。なかなかのパワーです。

 住民運動と言うのは、まずは自分たちで体を動かし体熱を高めること、サポートしてくれる超党派の議員グループをつくること、マスコミに対しては常に透明性をはかること、問題点の理由を明確にする事です。今回は議員は、私一人でしたが、これから新しい仲間が加わってくれることを強く希望します。

 副議長に陳情のあと、急遽の記者会見。はじめての会見ということで住民の皆さんは興奮気味でした。明日、住民の皆さんの気持ちが記事という形で反映するといいのですが・・。その後、今回の事業者であるゼロエミコラボ(株)訪問したとのことですが、会社には誰もいなかったとのことです。きのう下記のFAXが届いたとのことです。

 「本日午前、貴殿より、「飯淵の環境を考える会」からの陳情の件についてFAXを頂戴致しました。弊社は、静岡県が推進する「静岡県ゼロエミッション事業」の円滑な推進を目的とした事業会社であり、住民の皆様からの陳情や署名に関する書類をお受けする立場にないと認識しております。したがいまして、弊社ご訪問に際する面談と陳情を差し控えさせて頂きたく、悪しからずご了承の程、お願い申し上げます。」

 2月に結ばれた基本協定第1条4項には以下のことが書かれています。

 「甲(静岡県)、乙(大井川町)及び丙(ゼロエミコラボ)は、事業予定地住民(以下「住民」という)の理解と協力が本事業の実現に、不可欠であることを認識し、住民への情報公開並びに住民からの意見聴取及びその対応について、積極的に、かつ、誠意を持って行わなければならない。」

 大井川町議会議長は、「飯淵の環境を考える会」の議長宛て陳情を、この事業に議会は直接関与していない、として受け取りを拒否してるとのことです。これだけ鳴り物入りの環境事業で、こうした初歩的民主的ルールの問題でつまづくというのはなんともはや歴史の皮肉としか言い様がありません。静岡県のリーダーシップが求められます。



2005年09月13日(火) 中部電力のプルサーマル計画動き出す

 昨日の定例記者会見で石川知事は、空港問題については「元々正当な権限でやっているのを、力で妨害するのは法治国会においてあるまじきこと」、そして「(選挙結果を受けて牧野聖修さんと海野徹さんについて)静岡空港問題を中心に、正直言って足を引っ張られ、苦労した。私の主張に世論が軍配を上げてくれたのではないかと思う」 と発言をしたとのことです。

 よくぞ言ってくれるです。法治国家は政治への信頼を前提にしています。地権者は、外部の人間に反対を言わせられているという趣旨の発言を繰り返してきた知事です。「県民ひとりひとりの顔」が見えない、見ようともしないその政治姿勢が今日の空港問題の膠着状態を作り出していることに早く気づくべきです。

 県の職員は、抵抗する住民から「公務員とは何なのか、公務とは何なのか」を問われ続けました。職員は、戦闘集団化して力で住民を抑えこもうとする職員と自分のやっていることが公務なのか、を問い返し始める職員に分岐しました。反対派住民も疲労困憊しましたが元気が出ました。県職員はどうなんでしょうか。

 この選挙での小泉旋風を自らの政治スタンスに重ねあわせて、空港建設をとりまく状況を手前味噌に解釈する石川知事です。同じように、中部電力もこの300を近づく自民党勝利にこれから4年間は反原発派は一番弱くなる時期と勝手に思いこみ、プルサーマル計画を持ち出しました。

 14日から10月14日まで御前崎市、掛川市、菊川市、相良町の計72000戸の戸別訪問をやるそうです。住民団体も対抗してそれぞれの自治体で街頭宣伝活動を強めます。新たな静岡県の政治争点となります。



2005年09月12日(月) 自民党圧勝、民主党惨敗の歴史的選挙、各マスコミ社説

 きのうからのテレビの選挙速報と各新聞社の朝1面をみて「憂鬱」の一言でしたが、少しずつ精神的回復に向かっています。比例区票の数字を追って見ました。

 自民党圧勝、民主党惨敗の中で社民党、共産党の横ばい、新党・日本の1議席確保は、2大政党制への動きに批判をもつ層が意外に存在していることを示しています。静岡県でも自民党40,1%、民主党33,6%、公明党12,7%、共産党6,1%、社民党3,9%、日本3,7%という比例票結果です。また、自民党+公明党=52,8%と民主党+共産党+社民党+日本=47,2%の拮抗する関係があります。小選挙区制度ゆえの「自民党+公明党」政権の圧勝ですが、だからといって私達がそれほどに萎縮する必要がないのではないかと思いますがいかがでしょうか。

 静岡市1区葵区で見ると、自民党38,9%、民主党29,9%、公明党14,2%、共産党8,2%、社民党4,3%、日本4,2%です。新党日本が意外に健闘しています。私が依拠する層は民主党の一部と社民党と日本のネットワークなのかもしれません。さて、各新聞社の社説の見出しを追ってみます。

静岡新聞ー戦いは終わった、厳しい「けじめ」 政治に求めた国民 首相の一喝が流れを決める コロコロと争点を変えた野党 公約を果たすのはこれからだ

朝日新聞ー「改革」選挙の弾みと怖さ 首相がガスに火をつけた 「古い自民」をぶっ壊せ 白紙委任ではない

日経新聞ー圧勝・小泉自民党は日本を変えられるのか 支持された郵政民営化 民主党は一から出直せ

毎日新聞ー国民の期待は「郵政」だけでない 真の改革へまい進せよ 民主党は迫力で負けた 白紙委任ではない

読売新聞ー郵政以外の課題にも取組め 功を奏した劇場手法 改革期待する有権者 民主は解党的に出直せ 大きく動いた無党派層

産経新聞ー自民圧勝 極めて重い首相の責務 外交含め官邸主導の強化を 民主は敗因検証を 負担を封印するな

中日新聞ー白紙委任と誤解するな 小泉自民党が圧勝 「小泉自民党」になった 衆愚政治に陥る危うさ 変わる選挙のありよう

 白紙委任ではないという趣旨の見出しの言葉が朝日・毎日・中日3社に出てきます。社説の中身に首相の任期に触れているものー毎日新聞が社説で「任期切れで退陣と明言」、日経新聞が社説で「仮にあと1年としても」、朝日新聞が政治部長コメントで「任期を延ばすのかどうかも決めるべき」、静岡新聞が大自在で「主役の任期延長でそらすようなら」、中日新聞が記事の見出しで「総裁任期延長論強まる」とあります。小泉首相、明言通りに1年で退陣するのか、自民党の政策政党への転換に関わる大きなテーマです。



2005年09月11日(日) 今日は投票日

 11:00くらいに投票所にいきました。
 すごい、行列です。
 今まで、大体この時間に投票に来ていましたが、こんな状態を見た事がありませんでした。投票率は相当に上がりそうです。

 知人に会いました。
 彼曰く「今まで民主党になんか投票した事がなかったけど、今度だけはいれたよ。いや、これだけの有権者の関心を高めたのは、なんだかんだ言っても小泉さんの功績だよね。だけど、それで選挙終わって見れば何でも出来る体制は生まれるんだよね。こわいよね」。

 有権者がどのような判断を下してくれるのか。
 不安と同時に期待もあります。
 果たして民主党など野党はどこまで頑張りきれるのか。

 新党日本の田中康夫田中知事の「地方から政治をかえる」というスローガンが気にかかります。私が共同代表をつとめる「虹と緑の500人リスト運動」の政治スローガンでもあります。東海ブロックに新党日本の候補者がいないと思っていましたが立候補されていました。田中知事の今後の身のふりかた含めて気になるところです。



2005年09月10日(土) ついに静岡県、トラストの森の小屋の測量あきらめる

 すばらしい闘いが繰り広げられた6日間でした。ついに静岡県は35条調査を完遂できませんでした。5日の時点でこのような闘いの勝利を予測できたでしょうか。5日目は、とにかく、大勢の仲間が集まってくれて測量をさせませんでした。2日目はどうなるんだろうと、思いきや地権者と住民による徹底的な抗議で持ちこたえました。3日目は、台風、神頼みもしましたが、これまた住民の粘り強さで、乗りきれました。4日目も辛うじて。そして、5日目の抜き打ちで、気分一心。今日の闘いになりました。

 6日間は、地権者の抵抗につきます。この経験は12月の闘いに大きな財産となります。これまでの空港反対運動をある意味で転換させる闘いになると思います。「現地の力関係」が政治を動かすという、当たり前の社会運動の原則ですが、この事を実感しました。静岡県において、新しい社会変革の主体が編成され直されたということでしょうか。静岡県の大誤算です。自分たちの強権的やり方が、新しい住民運動の主体を作っている事に気づくべきです。

 以下は今日の「空港はいらない県民の会」の声明です。

土地収用阻止闘争を闘い終えて   県民の会      9月10日

 本日、午後3時静岡県は、土地収用法35条調査の初期の目的を達成することなく終了宣言を行いました。最後に残されたオオタカの森・トラストの家は、地権者初め多くの静岡県内から集まった空港反対派住民によって埋め尽くされ、土地収用を阻む県民の力がいかに強いものであるかを明らかにしました。

 5日から始まった35条調査が、静岡県が議会やマスコミに説明していた「反対派への粘り強い説得工作」と「事業遂行における安全優先」方針とは程遠いものであったことはマスコミの皆さんの報道を通じて広く県民に伝えられました。土地の強制収用を食い止めようとする私たちに対して、県は、時に大部隊で威嚇し、手薄であれば強行突入を行い、そして、陽動作戦を用いるというやり方を繰り返しました。それらは、行政執行というより軍隊的執行スタイルで多くの県民からの強い批判を巻き起こしました。私たちは、この静岡県の姿勢に、強く抗議するとともに謝罪を求めるものであります。

 しかしながら、この悪辣卑劣・言語道断な行為に地権者は大地で生きる人間として、屈することなく、非暴力で体を張って敢然と立ち向かいました。私たちは、この地権者の戦いに感動し、勇気をもらいながら、雨の日も、台風の日も、暑い日も、この自然豊かな森や茶畑で、6日間を戦い抜くことができました。多くの県民の共感に支えられたこの戦いこそが、最後に残されたオオタカの森の家に測量隊を一歩も踏み込ませず、静岡県に35条調査をあきらめさせ、37条に基づく外観調査に方針転換をさせたのです。しかも、外観調査に対しても、反対派住民は、非暴力で抗議しながら測量隊を追い返しました。

 今回の闘いを通じて明らかになったことは、静岡県が土地収用法にこだわればこだわるほど、静岡県民の静岡空港への批判が強まり、土地収用に反対の声が広がり続けることです。静岡県は、12月にも制限表面区域の強制測量を計画しています。今回の教訓を生かして土地収用法に基づく空港建設を中断すべきであります。地権者と私たちの戦いの決意がますます強まっていることを直視すべきであります。この問題の解決に住民投票制度を活用することを真剣に考えるべきであります。

 私たちは空港中止に向けて今後も闘い続けることを宣言します。

※※ 選挙最終日。牧野さんの打ち上げに行ってきます。明日に期待です。



2005年09月09日(金) 夜明けの抜き打ち測量、オオタカの森の小屋は守る

 夜明けと共に抜き打ち的に開始された村田さん、桧林さんの3ヶ所の茶畑の測量は、桧林さんが5:30に発見するも、多勢に無勢で、抗議の声をあげつづける以外に測量を食い止める手段がありませんでした。その場で立ち尽くすしかなかった地権者の方々の胸の内を思うとなんともいえない複雑な気持ちでした。

 しかし、その後、続々と集まってきた反対派の住民グループは、怒りを胸に秘め、直ちに発想を変えて、下の松本さんの土地にあるオオタカの森の小屋周辺の測量を食い止めることに全力つくす体制づくりに入りました。夕方には参加者は60名ほどになりました。

 小屋の前の県有地を中心に3方から、さながら「出撃」という感じで小屋前のバリケードに県職員と測量班が「進撃」、そして県有地よこの松本さんのみかん畑と県有地の測量をはじめる、これを迎え撃つ住民グループ、「白兵戦」の様相であったようです。混乱から県側の測量班はみかんの木を折ったとのことです。

 現場の藤田泰秀空港建設事務所副所長は、住民への説明責任は形式的に「35条調査にご理解下さい」、安全優先姿勢をかなぐり捨てての実力行使。その手法は、軍事作戦と同じで、「力を誇示しての正面戦」「弱い所があれば徹底して叩く」「時に陽動作戦の活用」です。行政の事務執行とはほど遠いスタイルです。これが公務員の姿なのか、大いに疑問です。

 山の中の空港反対の観音様がある周辺では、朝の茶畑の陣頭指揮をとった岩崎富夫管理室長が、その成果を誇示せんがばかりに、藤田さんよりも強硬姿勢で調査を推し進める、こんな感じだったようです。現場の責任体制は、小松幸雄建設事務所所長をトップに藤田ー岩崎体制であるようです。その上に谷和美空港部長がいます。その強攻策も成功しませんでした。小屋は守られました。

 結局、5日間で調査を終えることが出来なかったわけです。そして明日が6日目最終日になります。県側の職員は勿論の事、反対派住民もこのようなやり方で行くとエキサイトして双方に怪我人が出ることが十分に予測されます。空港部長は、明日の測量は航空測量に切りかえる決断をすべきです。

 総括集会で、松本さんは「心の中に測量の杭をうつことはできない」とあくまでも非暴力で抵抗することを宣言しました。住民グループはひょっとして夜中の調査もあるのでは、とオオタカの森に泊まりこみ体制で警戒しています。とにかく、明日は現地に出切る限り大勢の方々に来てくださる事を訴えます。

 バスは、6:30に静岡駅南口です。自分の車で行く方は出来るだけ早く現地入りして下さい。夜明けは5:00くらいです。

※※ 衆議院選挙もあと残すところ1日となりました。依然として民主苦戦です。選挙戦にも全力です。


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K.matsuya

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