まつや清の日記

2005年10月18日(火) 岩手県工業技術センター視察

 静岡から4時間半かかって盛岡に到着しました。さっそく、視察先である工業技術センターへ。全国都道府県知事会のリーダーの一人として注目される増田寛也知事が推し進める岩手県政の産業分野での施策がどんなものであるのか、期待してきました。

 様様な成果を聞かせてもらいましたが、一番は何といってもこの工業技術センターの所長に、4年前、増田知事が富士通タイランドの社長をされていた斎藤紘一さんを民間人から召請した事でした。当時、所長というのは博士資格をもっているものに限られていたとのことですが、民間人を採用した増田知事の先見性でしょうか、要請されたとのことです。

 斎藤さんからのプレゼンテーションで、いくつも成果が説明されましたが、基本方針として3つを熱っぽく語ってくれました。
1、当センター発の技術や開発製品の市場化支援強化ーどんなに素晴らしい支援・研究でも売れてなんぼ。
2、連携拡大による新たな技術、産業創出ー海外も視野に入れた北東北など広域連携。
3、地方独立行政法人化に向けた強固な体制作りー全国ではじめて。

 委員の皆さんも当然ですが、やはり、民間人としてこの研究所をどう運営されようとしているか、に質問が集中しました。私は、その点と同時に、世界中で始まっている自然エネルギー開発の中で、岩手発木質バイオマスのストーブ開発について質問をしました。

 館内視察では、お酒の醸技術ということでお酒を試飲しました。どうして寒い地方のお酒が辛いのか、その技術はどうなっているか、知りたかったことが。ここでわかりました。そして、木質バイオマスストーブの実際のものを見させていただきました。ドイツの国際会議で疑問におもっていたことを質問でぶっつけさせてもらいましたが、的確な返答が帰ってきました。大いに勉強になりました。

 斎藤さんは、富士通時代、沼津に4年間勤務されていたそうで、静岡県からの視察が大変うれしいとのことでした。意外な関係ですね。

 



2005年10月17日(月) パブリックコメントは、まだ一件

 「戦争に反対する市民ネットワーク・静岡」(代表 森 正孝)のメンバー4人と私と政務調査スタッフの6人で、国民保護協議会事務局の県防災局防災政策室の副参事の曽田尚寿さんに市民団体からの「国民保護計画案へのパブリックコメント」を申し入れしました。コメントについては速報にアップしてあります。

 6月と8月の協議会でほとんど意見が出されず、傍聴者もいないという県民の関心の低さの中で、当然と言えば当然かもしれませんが、9月22日から今日までプブリックコメントはゼロとのことで、今回の市民団体のコメントが第1号とのことでした。防災政策室としては、協議会での意見が出ないことや、コメントゼロにはとても残念そうでした。

 議論になったことは、いくつもありましたが主な点を紹介します。
 第1は、まずこのコメントの協議会での取扱いでした。市民側としては、協議会委員に市民の声を代弁してくれる人がいない、だから、少なくもこのコメントは資料として全文を次回の協議会に提出して欲しい、という要望に、内容を紹介するが、このままかどうかはここでは返事できないとのことでした。

 第2は、武力攻撃事態の4類型のうち、着陸上侵攻や航空攻撃などに対する保護計画を県単位で作ることはできない、実際380万とか半分の190万とか、避難移動は不可能で、そうしたことは外交問題であり、長期的視野で特別法を作るとかで対応してもらうしかない、このことは消防庁もよく理解している、だから、自衛隊や米軍との関係についてはモデル計画でもぼかしている、したがって、出来るのはゲリラ攻撃に対する保護計画の範囲くらいかと考えている、とのことでした。

 おそらく事務レベルでの正直な感想だろうと思いました。そこから、当然、第3の問題は、着上陸侵攻など対応が難しいのにこのような保護計画を作ることの最大の目標は、自然災害対策の組織や体制を国民保護計画訓練に重ねることで、武力攻撃あるかもしれないという意識を国民に醸成することが本当の目的ではないか。またゲリラ攻撃は、警察対応の問題で、したがって、このような計画を拙速につく必要はないのではいか、ということでした。
 
 そのほか、無防備地域宣言、法定受託事務と自治事務の区別と連関、武力攻撃辞退に至る前の県判断による事前体制づくりなど多岐に渡りました。一応、この申し入れをプブリックコメントととして資料的に扱う、ただ、その場合、申し入れに対する考え方は計画が確定したあとでインターネットで公開される、ということから、個別の項目に対する防災政策室として考え方を早急に回答すること、を確認して会は終わりました。

 市民グループとしては、11月と言われる第3回協議会の傍聴、福井県の全国ではじめての国民保護計画訓練の監視、そのあとに再度の防災政策室との話しあいをおこなうことを確認して解散しました。

 



2005年10月16日(日) 友人の結婚式

 30年来の友人が中国籍朝鮮族の女性と結婚しました。1年前には結婚していたのですが、不覚にも最近になってその事実を知らされるという事態。いくら何でもお祝いをせずには友の名がすたると、急遽、古い仲間に呼びかけて披露宴を呼びかけました。

 とても楽しい会でした。私が静岡大学を中退して社会変革にがっぷり4つのとっくみあうという血気盛んな時代の仲間です。普段はなかなかあえず、同じ静岡市に住みながらも、「おーっと、何十年ぶり」というメンバーもいました。人間のつきあいというのは、不思議なものです。

 会の呼びかけはしたのですが、全体の準備は別の友人が一生懸命やってくれました。持つべきは友ということでしょうか。多くの仲間がお祝いの言葉を述べましたが、1人1人の人間の温かさが伝わってきて大いに感動してしまいました。

 彼女と彼が末永く幸せに、というのは月並みですが、とってもいいカップルです。「この二人が幸せということは、アジアが平和と言うことです」。そうかもしれません。
 



2005年10月15日(土) 歯が痛い

 今日も、私が共同代表を務める虹と緑の500人リスト運動のメンバーとの意見交換会の会合があり、午後から東京に出かけました。支持者の方から地元のことをちゃんとやってね、との念押しもいただいてしまいました。2日続けての東京に警鐘ということでしょうか。

 岡山市の市長選挙の実情を直接関わった議員の方から話を聞きました。市長が国政に、国会議員が市長選に出るという刺客選挙があった岡山市です。保守が二つに割れたのに民主党出身の無所属候補がかなりの差をつけられて敗れたとのことでした。

 一方で、武蔵野市長選挙においては民主党中心の野党共闘が前市長後継者を僅差で破ったとのことで、東京・三多摩地区においては極めて大きな政治的位置を確保したとのことです。今回の小泉政権圧勝の中で自治体の政治がどのような形になっていくのか、地方政治に関わる立場からすると大いに気になるところです。

 静岡県で12月とも言われる静岡空港強制測量に全国の自治体議員による監視団を作って参加してもらいたいとのアピールをしました。まだ、どのような方向に行くかわかりませんが、期待大と言うところです。

 それにしても今日の朝からずーっと歯が痛くて、虫歯なのか、どうかよくわからないのですが左の上側がずしんという感じです。体の一部が調子が悪いとどうも精神的にも憂鬱な気分になります。月曜にはとにかく歯医者に行かないといけません。28日から20日まで岩手県、宮城県に商工労働委員会で議会視察です。その前に何とかしないと・・・。



2005年10月14日(金) 韓国・平和フォーラムメンバーとの意見交換会

 今日は朝9:00から国会議員会館で韓国・平和フォーラムの政策スタッフメンバーの皆さんとの意見交換会、なかなか内容の濃いものとなりました。参加メンバーのほとんどが40歳前後で80年代は大学生で民主化闘争の先頭に立った方ばかりでした。
 参加者は、6名。
具甲祐さん―北韓大学院大学校 副教授(祐は当て字、漢字がありません)
李南周さん―聖公会大学校 助教授
李恵正さん―中央大学校 助教授
李貞撤さんー三星研究所研究員 (撤は当て字)
李起豪さん―平和フォーラム事務局長
安敬哦さんー平和フォーラム (哦は当て字)

 韓国のもつ民主主義のパワーを感じました。静岡県政における政治争点についても報告しましたが、とても熱心に聞いてくれました。静岡県にも米軍の演習場、自衛隊基地もあり、また小泉政権の憲法改正の動きの中で東北アジアレベルでの平和政策のあり方の基本認識についての意見交換でした。

 昨日、本会議が終わったばかり、肉体的には、かなりハードな1日でした。



2005年10月13日(木) 9月議会が終わりました

 今日で9月議会が終わりました。
 常任委員会委員長への質問は、
1、総務委員会委員長に
(1)簿外郵券問題について
 ア、過去の不祥事との関係
 イ、全庁調査の調査メモの議会提出
(2)中部電力と安全協定について
 ア、事前了解項目
 イ、原子炉運転停止項目
2、企画空港生活文化委員会委員長に
(1)プルサーマル計画について
 ア、MOX燃料の不安定な制御
 イ、核燃料サイクル
(2)静岡空港について
 ア、9月5日〜10日の35条調査の実体
 イ、35条から37条適用
 ウ、住民の抵抗と収用手続、開港スケジュールの見通し
 エ、円満解決と土地収用、住民投票
でした。

 反対討論は159号議案(空港関連大規模造成事業の牧之原市の負担金確定)について行いました。質問と討論原稿は速報コーナーにアップしてあります。12月議会は11月21日の議会運営委員会、12月1日から12月20日です。制限表面区域での強制測量スケジュールがどのようになるか、緊迫した議会になりそうです。



2005年10月12日(水) 急がば回れ

 今日は明日の本会議の質問と反対討論の準備で1日が終わりました。
 午前中選挙対策特別委員会を傍聴しました。
  
 急がば回れ。
 今日は本当に慌てているものですから、しなくていい忘れ物を何回もしてしまいました。その度、腹の立つこと、立つこと、でも、自分に言い聞かせ。あせらなくてもいいんだから。取りに戻っても、遅れは10分なんだから・・・。

 今日から韓国の友人であるイ・キホさんが東京に来ます。
 その打合せもあります。
 会えることが楽しみですが、まずは明日の本会議です。

 10:30からです。
 反対議案は、静岡空港関連の大規模農地造成事業です。
 榛原町選出、今は牧之原市の大石哲司議員が賛成討論を行います。
 先日の強制測量を中心に討論を行なう予定です。
 お時間のある方は傍聴してください。



2005年10月11日(火) 弁護士・中野麻美さんの話を聞く

 静岡ふれあいユニオン主催の『パート・派遣・契約社員で生きる』というテーマの弁護士・中野麻美さんの講演会に参加しました。以前よりお名前は聞いていましたが、直接の面識を得たのは今日がはじめてでした。パワーを感じさせる方です。今回の商工労働委員会での「正規・非正規」問題の質問を組み立てる上で中野さんの論文は大変参考になりました。

 日本の労働者会の男性と女性の賃金格差、それは男女の性役割分担がもたらす構造的差別である、とするテーゼから全てが出発し、現状を鋭く分析します。非正規でありながら職場では正規労働者と同じだけ働く人の言葉「親が死んだ悲しみはみんな同じなのに、葬儀に正規の人達は有給で休み、私達は何故無給なのか」。こうした格差は心に大きな傷を残す、そして、この格差を再確認させられる給料支払日に職場にいきたくない、という方の声を一つの事例を紹介されました。

 古い労働理論で「パートは正規職員の安全弁、自分たちの労働を守る為に非正規は非正規は必要悪、正規の職員が切られる前にパーと労働者が切られる」は、もう現実にあわない、現実は非正規労働者が増大し、正規労働者を駆逐している労働社会が始まっているとの指摘は考えさせられます。また、人間は商品より値崩れしやすい、沢山取れすぎたイワシは、値段を維持する為に倉庫に入れられたり捨てられたりする、人間にはそれは出来ない。

 格差、差別をなくするということに本当に向き合う時、人間に仲間意識が生まれる、連帯こそ私達が横につながっていく基本、中野さんの口から次から次に吐き出される「弾丸」のような言葉、私自身の胸を突き破るかのようでした。ノートにとったメモを読み返していますが、現場をしっかり見つめて、その中から労働法の改正という普遍性を掴み取ろうとするその集中力に脱帽でした。



2005年10月10日(月) カン・サンジュンさんの講演を聞く

 今日は、午後から戦争に反対する市民ネットワーク主催の「静岡県国民保護計画についての勉強会」に講師で参加しました。20人くらいの方が参加していました。9月22日から10月21日までのパブリックコメント募集が始まっている中での勉強会だけに皆さん、熱心でした。

 この会合の後にカン・サンジュンさんが講師の静岡県近代史研究会の総会記念講演会に参加しました。会場あふれんばかりの参加者でした。何回か話を聞く機会が過去にもありましたが、今日は今までの印象と違って、ある意味でアジテーターという感じの話振りでした。

 ご自身が2年前に提唱した「6ヶ国協議」、今回の合意が出なかったら、学者とは言え自分の見通しに誤りがあったことになり、熊本に戻るつもりであったという、「6ヶ国協議」にかける並々ならぬ決意があったからだと推察しました。1時間20分の時間があっという間に過ぎました。

 歴史の話なのですが、現在の朝鮮半島の分断、拉致問題含めた日本の北朝鮮パッシング、小泉首相大旋風と言う現在の状況にどのように立ち向かうかという強い緊張感を持っての話なので、歴史がまさに生きてくるのです。乙巳条約から100年と竹島、東北アジア戦争としての朝鮮戦争とアメリカの戦略としての分断政策、韓国発生と日本の55年体制=李承晩と吉田茂、韓国・日本に重なる満州国人脈と言う具合に、なるほど、とまさに歴史を学んでいる感じです。

 拉致問題は、言語道断であることは明白、しかし、拉致問題の解決は、北朝鮮崩壊によっては実現しない、金正日に解決できるか、日本が関わった韓国の金大中氏拉致事件は解決しているか、ブッシュは、アメリカのKCIAの拉致問題は解決しているか、イギリスは、ロシアは。拉致問題解決は、そんなに簡単なことではない。解決の為に日朝国交回復は大きな条件となる、人々が往来しその中で拉致問題がも解決する、その為には核問題を解決する6ヶ国協議という多国間協議の場が必要だ。

 今回の合意によって、韓国と北朝鮮の統一の道は切り開かれた、米朝正常化もうたわれている、60年間続いた東北アジアの国際的秩序が大きく変わる、55年体制を維持してきた日本の支配層は危機感を持つことになる、100年間ではじめて強いアジアが目の前に登場してくるから。これからは非核の朝鮮半島と日本の連携が重要だ。そこにモンゴルが入る、米中に核先制戦略を放棄させ軍縮に向かわせる、6ヶ国協議は多国間安保として継続していく、新しい東北アジアの未来を作り出していくべきだ。

 これからは、地域それは狭い意味のローカルでなくリージョナると言う意味だが、東北アジアはリージョナルな関係になっていく。しかし、今、韓国でも、中国でも、日本でもナショナリズムが勃興している。ナショナリズムが求められるのは、捨てられる国民がいるから国としての求心力が必要だからだ。ナショナリズムの道でなく、アメリカに組する道でなく、アジアの一員として、中・韓・日の連携を作り上げるべきではないか。東北アジア共同の家、家長のいない家として。



2005年10月09日(日) やはや衝撃的な映画『BUS174』

 10月30日の外国人検診会のチャリティ「フェスタ・ラチーナ」。
 『黒いオルフェ』は、なつかしく、ブラジル料理も意外に美味しく、ミニショーもカボエラ、サンバで盛りあがりました。

 そして、メイン企画『BUS174』、こらは衝撃的なブラジル社会の深部をえぐる社会派作品。重すぎました。参加者100名くらいでしたが、どのように受けとめられたのでしょうか。

 収益的にはかなり難しそうですが、若い大学生の方々がボランティアで沢山参加してくれて、それは大きな救いでした。10月30日が楽しみです。


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K.matsuya

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