2005年10月28日(金) |
事業評価委員会傍聴・太田川ダム |
太田川ダムに関しての事業評価委員会を傍聴しました。最終決定は次回のようですが、向坂委員長の「大筋で継続」という形で結論でまとめられました。傍聴者は、私と住民グループを代表しての岡本尚さんの2人。マスコミ取材も何社かありました。
審議事態は低調でほとんど議論はありませんでした。前回の委員会で住民団体の話合いをとの提言が出されたとのことがあって、期待して傍聴しましたが、予想が外れました。出された資料は、前回に委員から出された質問への回答と住民団体からの公開質問状への回答、住民団体からの意見書。参考にと前回の厚い審議資料をいただきました。
問題は二つでした。一つは、住民団体と前回から話し合いなど何か進展はありましたか、の委員長の質問に山田企業局長以下、誰も答弁しなかった事です。委員長は再三にわたって返事を求めているにもかかわらず、一切、対応がありませんでした。委員長ももう一歩突っ込んでもいいのに、長い沈黙に抗し切れず、次の議題に移りました。企業局のひどい対応にあきれました。
もう一つは、前回の委員からの質問への回答や住民団体への回答説明の後に再度の質問が委員の皆さんから出ない事です。確かに、内容が専門家っぽくて相当に勉強していないと前に出る事が出来ません。しかし、専門化として参加しているんですから、何らかの形で企業局の回答に更に質問をして欲しかったと思います。
例えば、馬込川の水が余っている、との住民団体の指摘に、農業用水に水が流せなくなるので、水道事業にまわせない、との回答がありました。馬込川の天竜川水利権量は、11,086立方メートル/秒(掃流用水10,85立法メートル/秒、灌漑用水0,236立方メートル/秒)、太田川のダム分は0,654立方メートル/秒です。馬込川分を太田川ダム分として考えられないのか、などの質問は出来ます。
今年の天竜川で渇水の時期がありました。明日にでも水がなくなるかのようなキャンペーンが行われましたが、馬込川には、並々と水が流れていたそうです。事業評価委員会の委員の皆さん、頑張って下さい。私の方は、12月議会の企業委員会を待ちたいと思います。
今日の朝刊のトップ記事は、静岡新聞の中教審、国庫負担金現状維持記事を除いて全ての社が、普天間基地沿岸移設合意に関する記事です。夕刊の一面トップ記事の見出しは以下のようです。
朝日新聞―教育費国庫負担 中学分8500億円廃止へ 教職員給与 地方要求通り 中日新聞―TBS安定株主55%に 楽天の買収に「歯止め」 読売新聞―米軍再編に特措法検討 埋立や環境影響評価 許認可、国が代行 手続迅速化 日経新聞―虚偽記載 堤被告に有罪 東京地裁判決 西武に罰金2億円 毎日新聞―ビジネス戦国 三木谷流 強力人脈 根回し身上 一橋大、旧興銀・・ 静岡新聞―株偽装 堤義明被告に有罪判決 東京地裁 西武鉄道罰金2億円
堤氏有罪報道は、日経と静岡が1面トップで、中日は1面左面に載せています。毎日は有罪の見通し、朝日は午後に判決、読売は扱わず、です。これは、全国紙は原稿が間に合わないと言う中での対応ですが、日経だけが1面扱いです。これはどうやって記事が作られたんだろう、と興味がわきます。夕刊のトップ記事は、朝日、読売が独自記事になります。ただ、特措法問題は、静岡で朝刊に1面左面で扱われています。
教育費国交負担問題も、米軍特措法も、いずれも分権問題にからみます。その意味で地方政治に関わる立場の人々にとって大きな問題です。そして、全部の夕刊に掲載されているニュースに宮城県警の報償費公開訴訟の仙台高裁判決があります。やっぱり、夕刊にもしっかりと目を通さないといけないようです。が、そんなことしていると1日中新聞を読みつづけなければならなくなります。
ということで、いつも読めない夕刊を今日はじっくり読んでしまいました。
9月28日の毎日新聞の夕刊で、議員の海外視察の際の支度金が取上げられました。記事の中で47都道府県での制度の有無についてアンケート結果が載せられています。それによると47都道府県のうち30の自治体で支度金制度があり、17の自治体が廃止しています。静岡県は、支度金制度を存続しており、04年度113万円を支給したとあります。
実は、私は来年度の4月11日から17日の中国視察の参加メンバーになっています。1回生議員がその対象で、2年目に半分の方が既に視察にいかれ、そして4年目に残りの議員が参加することとなっています。9月議会の最終日、本会議終了後に最初の打ち合わせの会合が持たれ、大橋議長が訪問団長になりました。視察内容を決める委員に私も選任されています。
当然に、現段階では海外支度金が支給されることになっています。こうした、マスコミの批判キャンペーンの中で、議会の中で返上の動きも出てくる事も予測されます。私としては、今の時代にこのような支度金制度は廃止すべきであると考えています。近々議長に支度金制度の廃止を申し入れしますが、私以外にもこうした考えの方々がいらっしゃるのではないかと思います。
本質的問題は、公費を使っての海外視察は必要なのか、また、その視察で何がえられるか、また、納税者への説明責任をどう果たすかです。これだけ、公務員パッシングが強まる中で、政治家への厳しい批判は強まりこそすれ弱まる事はありません。心して、この問題に臨みたいものです。
2005年10月25日(火) |
郵政民営化法案をあらためて読む |
静岡市の竜南地域に作られた「エコハウス静岡」。紹介チラシには、市民グループが運営しています、とあり4つのことが書かれています。 1、不用品を受け取り、それを安く販売することで、物の要らない人から必要な人へ渡します。 2、より環境負荷の少ない暮らしをするために情報提供をします。 3、生涯学習の場とします。 4、小学生、中学生、高校生が授業を楽しく受けられるよう、学習をサポートします。
ということで、「エコハウスしずおかニュース10月号」を見ると、ダブリも含め21もの企画・学習の場が1ヶ月のの中に設定されています。よくもこんなに多くのテーマが、と感心してしまいます。「秋まき野菜の作り方」、「布ぞうり作り」、「英字新聞で読む世界情勢」、「パソコン講座」、「13の月の暦」、「おいしいアフターヌーンティ」、「セーター人形作り」、「簡単裂き織り講座」、「アスベストから身を守る」、「初級英会話」、「ツルでかごを編もう」、・・・・。
この企画の中で、明日13:00より「郵政民営化の行方」という講座が準備されています。といいますか、私に講師をと依頼があり、引きうけました。あらためて、法案の成立した10月14日の翌日の新聞を探し出して読みなおしているところです。小泉首相、郵政は終わったと靖国参拝、政府系金融機関の再編、増税・・・次から次に公約もしていないことをやり始めています。まずは、郵政法案をもう一度という方は、ご参加ください。
2005年10月24日(月) |
島田市の政務調査費返還問題 |
島田市では、議員の政務調査費をめぐって市長から不適正な使用があったとして議員に対する訴訟が起こされ、政務調査費とは何かという事があらためて社会問題となっています。ただ、「政研21」メンバーの3人は、返還がなされたとして訴訟が取り下げられるとのことですが、旧「新清クラブ」(現在「政研21」)の2人は「報道を見る限りニ議員に反省はないようにみえる。行政は反省の声を一切聞いていない」(静岡新聞)として訴訟は継続される模様です。
そして、市長は、更に27日に無会派の津田恵子市議会議員に対して返還訴訟を起こすとのことです。実際に起こされるかどうかは、まだわかりません。が、津田議員は提訴の場合には、裁判の場で政務調査費の使途規定の範囲であるとして、返還は行わず争うとのことです。津田議員は、政務調査費もホームページで公開するなど市民派議員としての実績があり、これまで島田市議会で果敢に市長と対決してきただけに大きな関心が集まります。
こうした中で、一連の問題について、毎日新聞の10月20日の「ショートメール」企画で小林慎記者は、「桜井市長は今春、廃プラスチックごみ処理業務の委託問題について議会で追及されたにもかかわらず、十分な説明をしなかった。この問題は訴訟となって係争中だが、その原告の多くが政務調査費の被告になっている会派の議員たちだ。政務調査費を正すとは分かりやすい正義だ。しかし、「自分の責任は棚に上げ、相手の責任を追及する。意趣返しだ」との見方を否定する事もできない。」と指摘しています。
津田議員が問題にされているのは、伝えられるところの飲食での政務調査費の使用と異なって、議員活動の報告ニュースでの郵送費が後援会活動ではないか、との指摘のようです。しかし、議員活動報告は、会派活動の報告同様に政務調査費規定では認められています。市長は、そのことで争うとのことのようですが、果たして勝訴できるのか、おおいに疑問です。一歩間違えれば、予算編成権を盾に、議員活動を制限しようとするもので、自治体の首長と議会という二元性の民主主義原理を犯す事につながります。
さて、桜井市長は、27日にどのような論理を組みたてて津田議員を提訴するのか、おおいに注目です。
2005年10月23日(日) |
牧之原市議会議員選挙と市長選挙 |
牧之原市議会議員選挙と市長選挙が告示されました。市議会議員に虹と緑の500人リスト運動の大石和央さんが立候補しています。9:30から事務所での出発式には、30人ほどの支援者があつまり、7日間の闘いがはじまりました。定数22人に候補者は27人、相当に厳しい選挙ですが、当選を目指して頑張っていただきたいと思います。
このところ榛原町には3日連続で訪問しています。一昨日はプルサーマルの街頭宣伝で、きのうは空港現地調査、そして選挙応援。その中で、ちょうど大石さんの事務所近辺の環境が私の実家と同じことに気づきました。高速道路、丘陵、農地。私の柏崎市がどんな街になっていくのだろうかというふるさと感覚。しかし、その中で静岡空港の強制測量が行われている事を平行移動させてみると、いかに大変な選挙環境にあるか、を再認識しました。
一方で、市長選挙は、旧榛原町、旧相良町の現職町長、県議会議員、前回の榛原町長選挙で敗れた方など5人が立候補し激戦の様相を呈しています。いまだ、地域のしがらみが大きく影響力を持つ政治風土の中で、5人という市長候補がもたらす政治的流動化がどんな風に生まれてくるのか。二つの町の町長が出馬していますので、地域エゴの要素が強く浮かび上がりますが、一方でその古い枠組を突破しようとするエネルギーも自然発生的に醸成されるはずです。
これが、市議会議員選挙にどのように波及するのか。予測はつきません。各陣営もそこが読めず、必死な闘いが展開されています。市民が政治を変えるムーブメントが短期間に生まれる事を大いに期待したいものです。
2005年10月22日(土) |
空港現地、制限表面区域の調査に参加 |
17日、国民保護計画へのパブリックコメント提出に立ち会っていた最中に、谷空港部長は、記者会見を行い、静岡空港の制限表面区域の土地収用の保留手続を解除し、強制収用の対象とする事を発表していました。私は、翌日の新聞でこの事態を知りました。本体用地での測量が「混乱もなく」終わっているとの認識ですから予定通りの進捗状況なのかもしれません。
問題は、いつ強制測量を開始するかですが、谷空港部長および静岡県としては予定通り12月中にやりたいとの事のようです。12月は1日から20日まで議会開催中になります。幹部は議会に拘束されますので、どの部分で10日間を確保するのか、大いに関心がわきます。議会無視で、あるいは、幹部抜きで、現地集中を行うつもりかもしれません。
空港はいらない静岡県民の会でもこれを受けて、今日、対象の制限表面区域の現地調査を行いました。私も参加しましたが4、9ヘクタールというのは相当に広いという印象です。あかみちや買収された土地、そして反対地権者の大井寿生さんの土地、共有地など歩きました。あちこちにトラストの木と所有者の名札が目につきます。前回の反対派の土地が分散しているのとは違って今回は、一つのまとまった土地で、尚且つ山になっているので、測量はかなり大変と言う印象を持ちました。
また、この土地には、オオタカの営巣木があるところでもあります。県側がどのような方法でこの山全体を測量する計画を立てるのか。「安全確保」の約束はどのように履行されるのか。早く計画案を知りたいものです。既に、本部事務所建設場所と思われる土地はきれいに整備されていました。この間にも、ガードマンによるパトロール車がひっきりなしで道路を走っており、空からは、ヘリが飛びまわっています。あのヘリは何をしているんでしょう。
一昨日の土地収用取消しを求める訴訟では、県が行政法に基づいて補助者の申請を行ったことです。この法律的意味はなんであるのか、傍聴者からは大きな批判で出ていたようです。私の視察中にもいろんな事が起きています。事態はドンドン進行していますが、気を引き締めていきたいと思います。
歯がひび割れを起こすということを経験しました。視察前から歯痛で出かける前に応急処置をしました。しかし、食事をして噛むと2時間くらい左上の奥歯が猛烈に鈍痛を感じる、それが3日間続きました。視察中の食べ物のおいしさに目を奪われて、ガマンガマンして食べていましたが、かなりきつい3日間でした。
とにかくと、今日の朝一番に歯科医に出かけ再度の診察を受けました。そして、歯のひび割れを発見して貰いました。どれくらいまでにヒビがはいっているか、中をあけて見ます。といわれて、中をあけるってどういう事するんですか。いや、削ってみるだけです。虫歯でもない歯を削るなんて、やめてほしい、心の中で叫びながら、迷いながらの治療。
やっぱり、ひび割れだ、これが痛みの原因でした、と削っていったら歯がポロリとかけたとのことで、これじゃ、痛いわけだ、と歯科医。どうして、歯が割れるんですか、たまにこういうこともあります、と自分の経験を話してくれました。歯科医なので、歯には絶対的に自信を持っているんだけれど、つらかったけれど、治療しました、と。
ただ、もう1ヶ所まだひび割れがあるとのことで、ここに手を入れると抜かなければならなくなるので、少し様子を見ましょう。あのときせんべいを食べたのがいけなかったのか、歯を食いしばったの悪かったのか、そういえば、プロ野球選手のホームランバッターは、みんな歯がぼろぼろとのこと、なんかツライ、今日の歯の治療でした。
2005年10月20日(木) |
仙台港貿易促進センター視察 |
3日目は、仙台港貿易促進センターへの視察でした。ホテルから港に近づいていくとだだっ広い空き地が眼前に見え始めました。同行の職員の方が思わず「野球場ができますね」、という具合であったのですが、あとでその訳がわかりました。
促進センターは、1995年に2006年までの時限立法で作られた輸入促進地域に仙台港が指定された事を受けて設立された宮城県、仙台市で7億1000万づつ出資し、残りを銀行など地元企業が出資して21億8750万の資本金で設立された第3セクターです。
事業としては、仙台港国際ビジネスサポートセンターの運営、仙台国際貿易港物流ターミナルや仙台港コンテナターミナルの運営が主なものです。港事態は、1970年代に陸地を掘りこむ形で作られたという事をビデオで見ました。仙台というと政令市、国際貿易に重要な役割を持っている拠点というイメージです。
ところが、促進センターの代表の方の説明が始まると、実体はとてもそのような状況でないとのことがよくわかりました。バブル崩壊の後、財政危機の中で港への投資が思うようにすすまず、例えば、港への公共交通インフラが全く整備されず非常に不便な場所であるとか、商業地域を港の後背地に230haを確保して準備しようとしたが、未だ、10%も売れていない、サポートセンターにはテナントとして入る企業が見当たらないということで教育空間にしているとか、とにかく、どうにもならない厳しい経済・財政環境が、投げ捨てるように語られたのです。
政令市・仙台、宮城県の違った側面を見せられた思いで、これまた大いに勉強になった次第です。
2005年10月19日(水) |
花巻市起業化支援センター視察 |
今日は花巻市起業化支援センター、中尊寺、(株)一ノ蔵を視察しました。全国から注目される支援センターのコーディネータの佐藤利雄さんも民間出身でこちらに勤続10年とのことでした。が、きのうの斉藤所長と同じ、起業の支援だけでなく「営業支援」まで責任を持つこと、といっていました。斉藤さんとは、工業技術センターに来られてお会いしたが何が変わったかといえば、とにかく対応が早いということ、問題を持ち込むと普通は検討しますから始まるが、とにかく関係者をすぐに集めてその場で結論を出すとのことでした。
この花巻支援センターの存在意義を学者として全国に伝えてくれたのは関満博一橋大学教授とのことでした。私は、もう10年前でしょうか、川崎市主催の政策研究会で関教授の話を聞いたことがありましたが、それ以来、先生のファンになっていましたが、いみじくも今日このような形で関先生が目の前に現れるとは、驚きでした。企業誘致だけでなく、地域の内発的発展を柱に掲げる花巻市の姿勢にエールです。
そして、近くに2500メートルの花巻空港があるのですが、こうした地元の工業団地との関係での貨物空港の役割はほとんど果たしていないとのことで、静岡空港で知事が叫ぶ地元物流と空港との関係で言えば、別の意味で花巻市の実態がよくわかり勉強になりました。
2番目は酒造メーカー(株)一の蔵さんでは、昨日の工業技術センターでの醸造の話がもっとわかりました。そして、酒造メーカーの原料はお米、つまり、地元松山町の農業をどうするかと直結しており、農業問題の解決とお酒を造ることは同じことであるとの認識には感心しました。そして、これまた産業観光というか、お酒の造り方がよくわかる、工場の作り方になっていて感動しました。夏に県内視察で観た浜松でのうなぎパイの工場と同じでした。4つの酒造メーカーが一緒になってこの会社を起こしたが、お酒の消費量はこの30年で半分に減っているが、一の蔵の生産量は5倍に増えたとのことでした。
それは、地産地消と手作り、安全・安心の酒造りの姿勢に尽きています。 純米酒のみが米100%で作られていることは正直初めてわかりました。日本の93%が、米からのアルコールでなく、別のアルコールを混入させているとのことです。つまり、本物は7%しかないということです。本醸造と書かれているお酒はみんな別の混じり物だそうです。でも、その方が消費者に受けるそうです。社長の桜井さんからはお酒製造の歴史をじっくり聞きました。新潟県出身でお酒には詳しいつもりでしたが、大いに反省させられました。
この社長の桜井さんとこう工業技術センターの斉藤さんが高校の同級生とのことで地域発展の中での人脈の大切さも学ぶものがありました。昼休みを利用した中尊寺の視察は、今、NHKの義経ブームの中で平泉の1200年代の歴史を学ぶいいきっかけになりました。ただ、この中世の都市は、蝦夷征伐=侵略の拠点であったことも忘れてならないことです。
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