2006年02月15日(水) |
マスコミ各社の06年度予算評価 |
発表された06年度予算額は、昨年と同額の1兆1403億円、ゴロ合せの好きな石川知事らしい。「集中治療室から一般病棟に戻り流動食状態」とのことです。基本的な財政構造の危機は、税収の増額にもかかわらず基本的に変わりはありません。
財政危機をもたらしている条件は2つあります。一つは、90年代の不況回復のための交付税で後年度措置するからとの国の景気誘導策にのり、公共事業をはなばなしく展開したそのつけです。グランシップ、小笠原運動公園、静岡空港、太田川ダムなど総事業費5240億円で起債額3345億円。1700億円の基金はこれら事業に投入。
もう一つの条件は三位一体改革で地方交付税の削減のよる影響です。交付税特別会計の累積赤字は53兆円、地方分は34兆円といわれ、3年前に突然の交付税削減に地方は大混乱し、その後2年間だけは、税収+交付税の枠は維持することになり、今年のように税収が増加しても、総枠はかわらない状態です。
各社の予算分析はそれぞれに厳しい状況を指摘しています。見出しを追います。
読売新聞―「一般会計1兆1403億円 新規は目玉不足 05年度と同額 縮み志向そのまま スローガンが先行 集中改革プラン 県職員500人削減 外郭団体OB役員の退職金廃止」
中日新聞―「税収6、6%増4670億円 「満足度日本一」目指し 7年ぶり減額予算脱出 満足度空港整備に111億8000万円 耐震補強に11億6300万 国の地方対策に翻弄 県職員3145人削減と試算 集中改革プラン2010年3月まで」
朝日新聞―「総額で1兆1403億円に 一般会計05年度と同額 前年より借金増やし貯金崩して年収保つ 県新年度予算の主な事業」
産経新聞―1兆1403億 同額死守 薄く広く重点なく 税収増・・・7年ぶり下げ止まり 「団塊」退職 19年度以降が試練」
日経新聞―規模横ばい 1兆1403億円 知事「歳出増やせない」 健康・安全など10分野重点 不足財源 基金取り崩し341億円 「地方財政冬景色」変わらず」
毎日新聞―7年ぶり緊縮脱し 少子高齢対策支出増 一般会計1兆1403億円 財源不足341億円 基金取り崩す 県財政 知事、厳しく評価 県債残高 上限まで張りつく」
静岡新聞―一般会計前年と同額 マイナスに歯止め 「健康」「安全」など力点21年度目途に県が集中改革プラン 一般財源据え置きの場合 19年度456億不足 先行き不透明さ警戒 歳出抑制重点化でやりくり 5年で職員500人削減」
各社の解説記事も簡単に触れると
読売新聞―「現時点で4期目は、構想から20年近くも費やした空港問題で締めくくるはずだが、多大な投資を、どう県民の満足度につなげるのか」
中日新聞―「知事が十分野で日本一を目指す「県民暮らし満足度」は目に見えないだけに「何となく満足」にならないよう注視していく必要がある」
朝日新聞―「県庁内には「知事は何でも日本一というが、財政危機の不安のほうが大きい」・・。いっそうの工夫と改革が求められている」
産経新聞―「県民には、県の取り組みをを厳しく監視するとともに、財政再建の「痛み」を共有する覚悟も求められている」
日経新聞―「三位一体改革が進む中、硬直化した予算像にとらわれず、新たな財政運営を模索する姿勢も必要だろう」
毎日新聞―「団塊の世代の大量退職や国の苦しい財政の影響などから、厳しい情況から脱するのは難しいようだ」
静岡新聞―「余裕のある予算が編成出きる見込みは薄い。実行性の高い施策を展開するためには、さらに徹底した目的志向型の予算編成に取組む事が求められる」
はげしいガッツポーズのあとにスタート。 直後に転倒。 トリノ五輪スノーボードでの日本女子選手の闘い。 ほんのちょっとだけのテレビ観戦だけれども、何か、変。 実力の問題なのか、他の選手のレベルが上なのか。
それにしても若い世代のたった1分ちょっとの競技前の緊張感における自己表現には、世代の違いか、ちょっと違和感を覚えます。もっと静かに集中力を高めた方がいいのではないかなんて勝手に思ってしまいました。最高のプレーをする選手の意識はどんな状態にあるのでしょうか。
集中力、リラックスそんな繰り返しに中で選手は自分の力やスタンスを見極めていくものだと思います。そんな中、「僕のような日本のプロ野球で平均か、それよりちょっと上の投手が、メジャーでもやっていけると証明するミッション」(今日の静岡新聞スポーツ欄)を持ちつづけた大リーガー長谷川滋利選手は、「僕のような選手は逆に生活全体のバランスを取ることで長続きできた」と引退の弁。
金メダルを獲得できなかったスノ―ボードの女子選手達。何を思い、明日の自分を思い描いたのでしょうか。彼女達の中に自分の生き様を重ねる人たちは大勢いるはずです。スポーツが魅力となる一瞬です。ただ気になるのは、こうした選手の闘いに妙にナショナリズムを重ねようとする傾向です。一流プレーヤー達にこの事は聞いてみたいテーマです。
さて、そんな中、今日の朝、久しぶりに走りました。そして、さわやかな気分で議会運営委員会、予算の概要が提示されました。2月17日19:00議会セミナーを開催します。ご参加下さい。
2006年02月13日(月) |
予想したより早かった収用委員会へ採決申請 |
今日の午後に静岡空港の土地収用に関して、起業者である県から収用委員会に対して、採決申請が行われたようです。何人もの方からニュースを見たとの電話を頂きました。予測したより早い動きです。
10日の収用委員会とのやり取りは、既にこの日が決まっている中でのものであったことがはっきしたわけですが、事務局の担当者の発言を振り返って見ますと、ポーカーフェイスというか、何だったんでしょうか。
いずれにしても縦覧が始まりますので、意見書提出が早急な課題となります。収用委員会が、民主的手続を重視して、公平・公正な委員会運営を行うのか、が大きな焦点になります。その意味では、10日の話合いに意味がありました。
明日は、民間運営会社の立ち上げといわれておりますが、そこへのアピールとでもいうべき今日の申請。第一回収用委員会は、5月との事で会場が用意されているとの情報もあります。しかし、制限表面区域での申請はまだ先になります。
いよいよ2007年の静岡空港反対の新しい闘いが始まります。
2006年02月12日(日) |
「収用委員会は市民集会イメージで考えたほうが・・」 |
昨日の研究会からトンボ帰りで第11回空港がいらない県民の会総会に参加しました。80名以上のメンバーがいたと思いますが、結構みんな元気に報告や議論の展開をしておりました。
進行は、力のはいった島野さんからの挨拶を兼ねた基調報告、来賓挨拶(私はここで発言)、地権者の決意(松本さんが遅れてくるとの事で、大井さん、村田さん、桧林さんあいさつ)、05年度活動報告と決算、06年度活動提案、質疑・討論。
第二部で、弁護団長の渡辺弁護士の事業認定取消訴訟準備書面報告、東京・日の出の森処分場での収用委員会の戦いの経験を事務局の吉田さんからの報告、遅れて地権者・松本さんの決意、最後に佐野静岡市議の閉会挨拶。
私の報告は、この日記で報告している2月7日から8日の鹿児島視察と熊本視察についてでした。地権者の村田さんの「いつもにこにこと思うのだけれど、闘いが始まってしまうとどうしても怖い顔に、どうしたものか」(大爆笑)発言が印象的。
今年1年間の闘いの方向性が見えてきた感じがします。吉田さんの具体的な収用委員会への臨み方は、とても参考になりました。「収用委員会は市民集会というイメージで考えたほうが、リラックスしますよ」に妙に納得してしまいました。
メンバーとの討論は元気を生み出してくれます。18年間の地権者の闘いに支えられた相互の信頼関係は、とても貴重な財産です。頑張ろうと。だけど、このところ、スケジュールがハードでちょっと休まないといけません。
2006年02月11日(土) |
アジア太平洋平和フォーラムの政策研究会 |
今日は、アジア太平洋平和フォーラムの政策研究会です。韓国からのゲストをお招きしての徹底討論。日韓関係の行き詰まりの中で、市民外交と平和政策の、日米安保の新たな再編の中で、その議論のレベルアップが求められています。会場のインターネット環境がどのような状態かわからないのでとりあえず出かける前に報告です。
2006年02月10日(金) |
評価の分かれる森林条例 |
瀬名地区で県政報告会を持たせてもらいました。二つの質問がでました。ひとつは、どうしてこの時期に課税条例ですか。この事業は本来、国がやるべき事業ではないんですか。
もう一つは、森林国の日本で、国産材が使われない理由は何ですか。外国産材の輸入が多いのですが。森林税の増税的要素と地球温暖化の中で私たちの生存環境の荒廃をどう建て直すか。
意見の分かれる森林税の評価の分岐。財政難で法人税率はそのままで、定率減税廃止および消費税値上げが議論される時代、一方で分権時代の課税権の行使をどのように理解するか、に関わります。
当然にも環境税の議論に重なります。十分な説明責任の必要さを痛感した報告会でした。
2006年02月09日(木) |
熊本県収用委員会の公正さに驚く |
鹿児島県から熊本県、新幹線でしたが、トンネルの多さに驚き。山々を越えるとそこは桜島そびえる錦江港湾とは違った不知火海の広がり、やっぱり、風土は違うのだ、感動。駅から路面電車、県庁がえらく遠い場所で、市役所とも離れ、市と県の意思疎通は大丈夫かな、と他県ながら心配に。
議会事務局をまず訪問し、収用委員会事務局に案内してもらいました。時間は1時間でしたが、とても参考になりました。重大且つ明白な瑕疵があるとき、収用委員会はしっかり審議するというその運営の公正さに感心しました。民主的手続きにおける審議の大切さを教えられました。
午後は、熊本空港の収支バランスに関しての調査、ただ、鹿児島空港同様の2種空港、着陸料や燃料税の関係はわかりませんでした。ターミナルビルは、テナント料等で黒字経営。300万旅客数のうち1日8便の東京便185万、全体の搭乗率は63%とのこと。
その後、昨年の11月の土地収用反対、静岡空港中止現地集会に参加していただいた川辺川ダム訴訟副団長で、松野信夫前衆議院議員を訪ねました。収用委員会の中でどのような主張を行ってきたのか、多岐に渡るアドバイスをいただきました。「クリーンヒットはそう打てない、積み重ねが一番」。納得です。
明日10:30から、静岡県収用委員会と空港反対派との初めての話し合いが行われます。いよいよ、収用委員会という舞台での闘いがはじまります。
2006年02月08日(水) |
「採算は苦しいでしょうね」と鹿児島県経済人の声 |
視察の2日目は、空港、農業水産、商工労働、議会と分かれての視察日程でした。私は、商工労働関係の中で、宿泊の東急ホテルにての異業種の異業種交流部門に参加しました。鹿児島県側と静岡県側の代表者と県の地域産業室長の参加の下での意見交換会が行われました。
それぞれの立場からの業界の紹介と意見交換が始まりましたが、いろんな業界の方々の意見はとても勉強になりました。特に一般論としての経済産業交流のレベルを超えて自社の経営哲学にまで関わる意見表明には、政治に関わる人間として、学ぶべき事柄が沢山ありました。
「販路の拡大は民間が自助努力すべきで、問題はそれを超えての戦略的思考の水準の問題、これをどう獲得するか」だと。集まった中小企業の方々だけに自信に満ちたその発言に、鹿児島県、静岡県の経営者としての真剣なまなざしが感じ取られました。その意味で空港問題は2次的でした。
参加経営者の一人は、「静岡空港、浜松の人はセントレア、伊豆の人は羽田、採算ベースで苦労するでしょうね。ソウルはひょっとして成立するかも知れない」。鹿児島県関係者の意見としても「静岡空港といわれてもピンと来ませんね」。意外に冷静な判断がなされています。
鹿児島県の人にとって、3年後に開港するといわれても、何かしっくりしないというのは現実です。昨日の知事のプレゼンテーションは明らかに「片思い」の世界です。改めて反対派が、今回の県のキャンペーンとは別の住民団体同士の反対キャンペーンを検討する必要があります。
午後は、鹿児島県議会での「人工島構想」についての調査、そして就労支援を行う「LEAP」という中小企業事業体としてのニート・フリーター支援事業所を訪ねました。就労支援において、自発的意思をどうひきだしていくの支援の難しさを感じ取りました。それにしても鹿児島県庁のどでかさにびっくり、362億円との事。
夜は、人工島建設に反対してきた住民グループの皆さんと交流会を持っていただきました。相互の連携を確認しあいました。今回の県のキャンペーンに対抗できる反対派のキャンペーン活動を丁寧に展開する必要性のあることを痛感しました。明日は熊本県収用委員会視察です。
2006年02月07日(火) |
知事のプレゼンテーションに一人の質問もなし |
今日は鹿児島からの報告です。ホテルにLANケーブルはあるもののパソコンを持ってきていないので、近くのインターナットカフェからの書き込みです。実は、詳しい長文の報告を書き終えたのですが、一瞬のタッチで白紙状態、今、呆然として、それでもと書き直しをしているところです。
今日の視察の正式名称は、静岡県産業経済説明会・交流会で、静岡県からは知事を先頭に240名余の大視察団です。職員含む名簿によると、議会の各会派議員視察団8名、空港利活用促進議員連盟6名、農業水産44名、商工労働46名、観光63名、空港75名。
募集150名であったのですが、予想以上の集まりにセントレア組と羽田組に分散。私は、セントレア組。7:30静岡駅南口バスで出発、10:25セントレア空港。11:50離陸、13:20到着。14:00バスで会場の東急ホテルへ。16:30知事のプレゼンテーション。18:00レセプション。
知事のレセプション、30分ほどでしたが、質疑タイムに一人の質問者もありませんでした。聞いていて、いくらなんでも何か反応があってもいいのに。でも、それは、レセプションでの伊藤祐一郎鹿児島県知事の発言でなるほど、と相互に認識のずれがあることがわかりました。
伊藤知事は「静岡県がうらやましい。東京と大阪にはさまれて交通の要所、新幹線、工場、努力しなくても発展するところではないか。人柄もいいし、人物は高潔。鹿児島県としては、アジアを睨んで、中国の時代を睨んでいる。静岡県にとって、鹿児島県は先行投資である」。(ちょっと正確でないかも)
私が、今回の視察に「監視・検証」として参加したのは、空港予定地の反対地権者に土地収用という強権を発動している状況をどのように鹿児島県に語るのだろうか、そして、鹿児島県はこの静岡県の動きをどのように受けとめるのだろうか、ということを知りたかったからです。
しかし、実態は、もう2009年春の開港は確実であるとすることを前提に大宣伝をしているにすぎません。何か、空騒ぎという印象でした。明日の視察を更に検証したいと思います。
※※知事のプレゼンテーションの紹介ー実はこれを詳しくメモに基づいて報告したかったのですが、ちょっと集中力が切れました。プロジェクターによる見出しだけ紹介します。 1、富士山に最も近い「富士山空港」ー富士山まで100分 2、鹿児島県と静岡県ーサッカー 3、鹿児島県と静岡県ー薩摩土手 4、鹿児島県と静岡県ーお茶 5、鹿児島県と静岡県が直接結ばれます 6、産業連携の一層の拡大へ 7、ビッグマーケットの中央に位置 8、全国のテストマーケティング市場 9、彩り豊かなしずおかの農林水産物(1) 10、彩り豊かなしずおかの農林水産物(2) 11、新鮮な特産物の空輸も可能に 12.富士山を楽しむ 13、南アルプスと列車 14、産業観光・コンベンション
気になった知事の発言(1) 鹿児島県のお茶は静岡県にとって脅威だが、1位と2位が手を結べば世界に羽ばたける。お茶の4分の3は紅茶、残りが緑茶だが、4分の3が中国。こんなものに負けていられない、手をむすんで輸出を拡大しよう。
気になった発言(2) 静岡県は東京都も名古屋とも独立したエリアで、メーカーが試作品の調査で使うもっとも適した場所、静岡で売れれば全国に売れる、東京で売れるだけではだめだ。
2006年02月06日(月) |
「日米ダム撤去委員会」第2回国際会議 |
今日は大変寒い朝でした。でも気持ちよくマラソンが出来ました。汗は人間を前向きにします。きのうまでの政策研究で得た知識と刺激を糧に、さあ、頑張るぞ、という気持ちになります。
明日からは、鹿児島県・熊本県視察です。向こうから現地報告します。
一つ情報です。 これも明日なので、私は参加できないのですが、脱ダムの国際会議が開催されます。スタッフが参加します。何らかの形で情報をお伝えします。
※※
「国際的にも求められている“治水論”の大転換 ―2005年ハリケーン「カテリーナ」へのアメリカの反省、オランダの河口堰“撤去”と比較し、2004年日本列島水害と日本の“治水”と公共事業を点検する―」
主催 日米ダム撤去委員会 協力 民主党 公共事業チェック議員の会 日時 2006年2月7日(火) 12:00〜5:00 場所 衆議院第2議員会館・第3会議室 総合司会 百瀬敏昭(「日米ダム撤去委員会」委員・東海大学講師) 主催者挨拶 ・「ダムをめぐる日本と欧米の現状の違い」 天野礼子(「日米ダム撤去委員会」事務局長・アウトドアライター) ・「ハリケーン“カテリーナ”への反省と、アメリカのダム撤去の現状」 アメリカンリバース(アメリカ最大のダムのNGO・河川政策担当者)
・「オランダは、なぜハーリングフリート河口堰を撤去するのか」 オランダ国土交通省
・「2004年日本列島水害が教えること」 大熊孝(「日米ダム撤去委員会」委員・新潟大学河川工学教授) ・「ダムへの堆砂による自然破壊と堆砂量予測の問題点」 岡本尚(「日米ダム撤去委員会」委員・植物生理研究者) パネルディスカッション 「正しい“治水”を求めて」 パネラー アメリカンリバース オランダ国土交通省 今本博健(京都大学名誉教授・工学博士) 五十嵐敬喜(「日米ダム撤去委員会」運営委員・法政大学教授 ) 進行役 天野礼子
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