せきねしんいちの観劇&稽古日記
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新年、あけましておめでとうございます。
今年もこの日記で、僕の毎日をつづっていこうと思います。 今年で4年目のこの日記。稽古の進め具合や、台本の進捗を振り返っては、「あのときはこうだった。だったら、今度は!」と考える目当てになってきました。 忙しさでいっぱいになったり、気持ちがどうにも揺れてしまったりしたとき、この日記は、そんな山をなんとか乗りこえてきたあかしとして、僕を助けてくれています。 劇団のHPの「とりあえず毎日更新」用のコンテンツとして始めたものですが、いつのまにか、僕のなかでそれなりに大事なものになってきました。 今年も、また、だらだらと、起こったこと、思ったことを書かせてもらおうと思います。 どうぞよろしくお願いいたします。
<2006年1月1日>
昼前に目が覚めて、雑煮を食べて、母親と一緒におせち料理をつくる。年々、簡素にしている正月の準備だけど、明日は弟一家、妹一家がやってくる。何もしないのも落ち着かないというかんじで、わたわたと煮物をつくる。 お正月は昼間からお酒を飲んでいいと決めて、杏露酒のお湯割りを飲んでいる。のどにやさしい、おいしいお酒。のんきに過ごす一日。 外は曇り模様で、猫が出入りするたびに開ける窓から、しっとりした空気が入ってきて、気持ちいい。 帰ってきてぐーぐー寝ている猫の爪を切る。いつもは母親と二人がかりなのに、今日は、僕一人でも大人しくされるがまま。ついでに一本だけ妙に長く伸びていた眉毛(?)の白い毛も切っておく。
2005年12月31日(土) |
がんばれ、マツケン! |
しのこしていたガラス拭きとトイレの掃除で、僕の大掃除担当は終了。 自分の部屋も、ぐちゃぐちゃになっていたファックスの後の配線を整理して、すっきりした気分。 部屋で原稿を書く日。片づいた部屋では、原稿に向かう気持ちも変わってくる。これまで、煮詰まるとすぐ外に出て、ファミレスや電車の中で書いていたのも、この部屋がモノを書く環境としていまいちだったからかもしれない。 夕方、休みの間の食料品を買いに出かける。大晦日のがらがらの電車で北千住まで。三が日は日持ちしそうなチーズケーキや、パンを抱えて帰ってくる。 録画しておいたテレビ東京の「年忘れにっぽんの歌」を見る。あらかたはすっとばしながら、「マツケンサンバ」1,2,3のフルメドレーに釘付け。 松平健がほんとに踊りながら歌っている姿(口パクじゃなく)、その息切れの具合、後半に向けてどんどんつらそうになっていくようすに「がんばれ!」と声援を送る(ビデオなのに)。 必死に覚えた腰元ダンサーズの振りも、ああ、こうだったのねと改めて、納得するものが多い。 真島さんの振り付け指導DVD、「着物で踊る」前提でやってくれたら、もっとラクにおぼえられたんじゃないだろうか。 紅白をところどころ見ながら、今年も母親と二人の静かな大晦日。年越しそばならぬ年越しラーメンを食べて、さらっと年を越す。
昨日に続いて大掃除。台所を中心に。換気扇や天井の電灯のカサの掃除は、僕の担当だ。 夕方、スーパーに買い物に出かける。何も今買わなくても……というものばかり買っていることに気がつく。 お正月用の花も買ってきて、玄関に活ける。 夕食後、一通り掃除の済んだ台所を急に模様替えすることに。 ガス台の横の台(?)を移動する。流し台なんかと一列に並んでいたのを、食器棚のとなりにくっつけた。ゴミ箱で使いづらかった下の段の収納が、少しは使えるようになったかも。母親は、早速、食料品を移動させている。 夜中、ビデオテープを片付けているうちに、古いビデオを見てしまう。88年か89年頃の玉三郎の舞台関係。ベジャール率いるローザンヌバレエとのガラコンサート。サンサーンスの白鳥に乗ってアンナ・パブロヴァを踊ったり、パトリック・デュポンと一緒に能の「黒塚」を元にした作品で男装したり、ジョルジュ・ドンと「道成寺」を踊ったりしてる。なつかしい。同じテープに入っていたアンジェイ・ワイダ演出の「ナスターシャ」のメイキングも。二人芝居プラス、女形一役のありようがとても興味深い。 以前見たときとは違った印象で、玉三郎を見る。このナスターシャの演技から、僕はずいぶんいろんなものをもらってるなあと改めて思う。来年の4月の舞台のことを考える。
昼間、ばたばたと打ち合わせに出かけ、帰ってから、部屋の掃除。 明日が今年最後の燃えるゴミの日なので、ゴミ袋にどんどんつめていく。 すっきりしたなか、たまっていたビデオを見る。 「野ブタ。をプロデュース」の最終回、「松任谷由実のオールナイトニッポンテレビ」、日テレのドキュメンタリー、劇団四季の「南十字星」を追ったものなど。どれも「録画しといてよかった……」と思えるものばかり。
昼間の仕事の仕事納め。「え、どうして?」というようなトラブルが起こって、予定よりもずっと慌ただしい時間を過ごす。夕方、納会をして、解散。ほろ酔いで帰ってくる。 たまっている原稿を片付けないと。その前に、まずはこの部屋を片付けないとと思いながら、今日は、そのまま眠ってしまう。
2005年12月27日(火) |
リーディングと忘年会 |
仕事のあと、新宿の藝能花伝舎で演出家協会のマレーシアの劇作家のリーディングに向かう。 くにおさんが翻訳した作品の途中から最後まで、リーディングを聞かせてもらう。 どの作品もおもしろかったが、中でも、渡辺えり子さんと西山水木さんが出演した「小豆娘」が圧倒的だった。 マラッカに生まれた少女が女優にあこがれ、週末、通りで「小豆のスープ」を売ってお金を貯める。週末はおめかしして、遊園地に行き、そこで男たちに買われたりもする。そのご、自分も歌劇団に入るが結婚して退団、今は離婚して、トイレの掃除婦をしている。彼女のモノローグを、今日は2人の女優が語る。 何度も語られる心の叫び「ほしい! ほしい! ほしい!」という言葉がものすごい。ほしいものをさがしてデパートのあらゆる売り場にかけつけるけど、私のほしいものは、そこにはない!という彼女の心の、まさに「叫び」がまっすぐに届く作品だった。いいものを見せてもらった。 大急ぎで、新宿に出て、トップスで篠原さんと打ち合わせ。 富士見丘小学校の台本の打ち合わせ。全体の構成をほぼ決定する。 枠組みになる「放課後の卒業式」と、その中に入るこれまでの演劇授業の内容と「未来の友情」。舞台をどう使うかということも、おおよその見当をつける。 10時過ぎまでしゃべり、篠原さんにさそわれて、居酒屋で軽く飲むことに。 11時までという約束で、おしゃべりたくさんの二人の忘年会。ごちそうさまでした。
北千住から乗った準急で眠ってしまい、気がついたら「館林」だった。乗り越し記録更新だ。ホームに降りてから、しばらく、呆然とする。 家で少し寝てから仕事に行く予定を変更して、そのまま、職場に向かうことにした。 へろへろになりながら、夜まで仕事。たまっていたあれこれを片付け、帰ってくる。家について思い切り眠ってしまう。
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