せきねしんいちの観劇&稽古日記
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2006年03月05日(日) |
「宇宙人の新撰組」稽古 |
小返しのあと、通してみる。稽古初日に読み合わせをして以来だ。 全体の流れがよくわかった。 今回、僕たちはピンポイントで登場するので、インパクトがだいじだと考える。 稽古帰りの池袋までの道を打ち合わせしながら歩く。一週間の集中稽古、楽しく思い切りやっていきたいと思う。
2006年03月04日(土) |
「宇宙人の新撰組」稽古 |
水月アキラことトシくんと待ち合わせして、池袋の稽古場へ。要町近くの元小学校がとてもすてきなスペースになっている。 挨拶のあと、小林くんも合流して、すぐ、立ち稽古。 今日、初めて会う「劇団鹿殺し」のみなさんとからむ、ラストシーンから。 のっけから、「○○してもらえます?」と言われ、そのアイデアにわくわくのっかる。その後の芝居のやりとりでも、しっかり目を見て、言葉をぶつけてきてくれるまっすぐさに感動する。王様のみなさんとの稽古も実に楽しくて気持ちがいいのだけれど、鹿殺しさんたちが加わっての今回、なんだかわくわくの度合いがぐーんと高くなった。 夕方から参加のアルピーナさんも加わって、稽古はすすむ。フライングステージチームの出番を中心に稽古していただき、かたじけない。 あっという間の終了時間、帰り道、しいたけをさん、アルピーナさん、小林くん、トシくんと、稽古の感想をるんるん話しながら駅まで歩く。どんな芝居になっていくのかとても楽しみだ。
2006年03月03日(金) |
富士見丘小学校「卒業を祝う会」 |
1週間ぶりに富士見丘小学校へ。保護者の方と6年生による「卒業を祝う会」にご招待いただいた。 校長室からコウヘイくんにエスコートされて、体育館へ。他の6年生とも一緒の入場。体育館には保護者の方が勢揃い。拍手で迎えられててれくさい。先週の6年生のドキドキが想像される。 お茶とお菓子をいただきながらの会はとても暖かいものだった。 6年生のかつての担任だった先生方がいらして、彼らの思い出を語られた。そのはしばしが、この子たちがどれほどのびのびと育ってきたのかというものばかりだった。そして、それを撓めることをしないで、見守ってきた先生方の姿勢にも心を打たれた。 先日いただいたDVDの「これは送る会まで見ないでください」といわれた、最後の章「すてきななかまたち」が上映された。6年生1人1人が低学年の頃のようすや小学校の入学式のスナップが今の写真と一緒に全員分。子ども達と一緒にわいわい楽しませてもらう。続きには、彼らが2年生のときの学習発表会の演目、たぶん「アリババと30人の盗賊」のミュージカル。小さな彼らが、歌い踊っている。去年も思ったことだけれど、6年になっての演劇授業の前に、彼らはいろんな演劇を経験しているんだということが、あらためてよくわかった。 後半のプログラム「お楽しみ会」では、保護者の方の合唱、合奏。それに、先生方の出し物。なかでも専科の先生方の、「放課後の卒業式」のパロディはすばらしかった。劇中のセリフをすてきにもじって、原作の「冬はきらい」というのを「3月はきらい」にしてたりする。いくつもの名セリフ、名場面が登場して、懐かしい気持ちになり、子供たちと一緒にいっぱい笑った。 芝居のセリフで遊べるというのは、ちゃんとその芝居がカラダに入ってるってことだと僕は思う。どんな芝居の稽古をしていても、そんなセリフのパロディなんかが普段の会話で出てくるようになるのは、いい稽古ができてる証拠のように思えるからだ。 最後に6年生の合唱と合奏。それに、全員で歌っておしまい。初めて歌う歌を歌詞を見ながら歌う。歌い終わったら、ココちゃんに「さすが俳優」と言われる。まあね。 小さなパンジーの鉢植えをいただいて体育館をあとに。校長室で、6年生のかつての担任だったお二方から、いろいろなエピソードをうかがう。玉川上水から枯れ枝をひろってきて二宮金次郎ごっこをしたこと、教室で飼っていた虫が羽化するのを給食そっちのけでみんなで見たことなどなど。いい話をいっぱいうかがう。もっと早く聞いておきたかったと思わずに、うんうん、そうだねと思えていることが、うれしい。 来月から、もうすぐ次年度の授業が始まる。3週間後には卒業式、来週は5年生の授業を参観させてもらうことになった。年度末と卒業のさびしい季節が、あわただしさのなか、それでも新しい春の準備に向かっていく。一年になかなか節目のないくらしをしている僕だけれど、この季節のかわりめの重さといろんな思いの交錯はなかなかいいものに思えてきた。
昨日、夜中、いただいた富士見丘小学校の記録DVDを見てしまう。一年間の授業風景の静止画に「放課後の卒業式」の映像。盛りだくさん。 違うアングルからの映像はとても新鮮。見下ろしているアングルなので、最前列の1年生、2年生のようすがとてもよくわかる。ほんとによく見ている。そして、一緒に楽しんでいる。「未来の友情」のラスト近くの地震の場面、足を踏みならして本舞台に移動する6年生と一緒に、この子たちも一緒に足踏みをしてくれている。「放課後の卒業式」全体で一番かっこいい場面、「未来の友情」で炎役のジュンヤくんが氷役のヒデキくんに見えないボールを投げるシーンは、アングルの外になってしまっていて見えない。ちょっと残念。でも、見えないボールを見ている低学年の子供たちの視線が、ちゃんとボールを目で追っている。 ノグが出演している紅王国公演「不死病」を見に中野のポケットへ。 半年来ないうちに、劇場の手前の、元気のない犬がいた平屋は、ナチュラルローソンになっていた。通りがぐーんと明るくなっていてびっくり。 不死の吸血鬼の物語を、現代のエイズにも喩えたゴシックロマンな舞台。以前、戯曲を読んだ印象では、隠れキリシタンの物語の印象からか、赤と金色のはげかけた漆喰の壁が連想された。今回の舞台は、全編がほぼモノトーンな印象だったのが意外だった。 全編をいろどる音楽とその入るタイミングが、市川崑の横溝シリーズ、特に大野雄二音楽の「犬神家の一族」のようで、あちこちうならされた。 帰り、同じ回を見ていた高市氏、マミィと立ち話。久しぶりのホソちゃんと挨拶。宇田くんと今書いている「ミッシング・ハーフ」についてのあれこれを話しながら帰ってくる。
2006年03月01日(水) |
富士見丘小学校打ち合わせ |
篠原さんと今年度のまとめと来年度の打ち合わせにうかがう。 富士見丘駅前の洋菓子の「ミノン」で2人でまずは打ち合わせ。富士見丘にはここくらいしか打ち合わせできるところがないので、何かとよく来るようになってしまった(あとはドトール)。コーヒーや紅茶にサービスしてくれる「東京シュー」というお菓子がとてもおいしい。 篠原さんがつくってきてくれた次年度のカリキュラムの叩き台をもとにあれこれ話す。まずは叩き台ということで。 今年度の次年度の6年担任の先生と長崎先生、それに平田さんとのこじんまりした打ち合わせだと思っていたら、ふじみルームでの職員会議の第二部ということで、全校の先生方と共有する。 24日以降の子ども達の様子(6年生も、他の学年も)がうかがえてとてもうれしかった。 そして、次年度の方針。具体的なカリキュラムの前の全校での取り組み方についての確認と共有のための話し合い。定時を過ぎても、みなさん残ってくださって、とても有意義な話し合いができたと思う。 その後、校長室で、少ない人数での打ち合わせ。授業日程、時間の調整などについてのより具体的なことを。 去年はこうした話し合いがもてるようになるまでとても時間がかかった。今年は、本番が終わって5日だ。何より、それがうれしい。 見米先生から、記録のDVDをいただいた。昼間の「6年生を送る会」での舞台が収録されているそう。知らないアングルからの舞台が見られそうで楽しみ。 すっかり遅くなり、篠原さんとわたわたと失礼する。 渋谷で別れて、僕は、資料と衣装を探す。閉店際の東急でマヌカンのお姉さんに相談してみたり、ずっと探していてツタヤにもなかったDVDがブックファーストで見つかったり。もう1つ探していた本にも出会うが、やっぱり値段が高くて今日は断念。戦前の上海の地図を目に焼き付ける。 外は大雨、いつの間にか最終のバスにぎりぎりの時間になってしまった。
劇団制作社の樺澤氏、竜太郎さん、それに河合さん、フライングステージのまみぃ、小林くん、それに、絶対王様の制作の佐久間さん。 昼から始めて夜7時のクロネコヤマトの最終便の集荷までに微妙に終わらず、8時のリミットまでがんばり、近くの営業所に持ち込む。 帰り、絶対王様の舞台のための小道具と衣装を探す。これはというものが見つからない。もう一工夫か。 注文していたCDが届いた。これも王様の公演用。聞いてみて、いけそうだと思う。ただ、今のままだとあまりにも長いので編集しなくてはいけない。他のアレンジの同じ曲のイントロが使えないかどうかも検討したい。明日、レンタルしてこようと思う。
仕事の帰り、花屋に寄って買い物。玄関用の桃とフリージア、それにブルーがあざやかなアイリス。昨日の夜中にたまたま見た山口智子がゴッホの足跡をたどる番組で、ゴッホのアイリスを久しぶりに見たせいで、急にこのブルーを手元におきたくなった。 居間用に白と黄緑のスプレー菊。それに百合と雪柳と紫のスターチスとピンクのカーネーション。 「ミッシング・ハーフ」の台本のとっても大きなアイデアを思いつく。わくわく明日のDM発送作業の準備をする。毎回の芝居のご案内の文章は、書いているうちに、あ、今、こんなことをやろうとしているんだなあということを確認させてくれる。何が伝えたいのかということを、少ないスペースでまとめるせいかもしれない。 今回、絶対王様の公演のフライヤーとご案内を、出演する僕とトシくん、小林くんのお客様にはお送りすることになった。その文面を考えて、絶対王様の制作の佐久間さんに送る。僕たち3人の手書きの署名を版下に入れたい。明日の作業に来れないトシくんには、メールでお願いして、署名をFAXで送ってもらう。彼は今夜も泊まり込みで仕事だそう。届いた署名を切り貼りして印刷しようと思う。 録画したトリノオリンピックの総集編を見る。じつはあまりちゃんと見れなかった今回のオリンピック。荒川静香の金メダルは、本番当日だったしね。テレビを見ながらほろほろと泣けてきて、この涙が、このあいだの富士見丘小の子供たちの舞台を見ていたときと同じ涙だと気がついた。なんだかいろんなことがわかったような気がした。
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