せきねしんいちの観劇&稽古日記
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2006年04月09日(日) 「ミッシング・ハーフ」稽古

 昨日の稽古の後、夜、音響についての打ち合わせをナオコさんと電話にて。ついでに樺澤氏と諸々打ち合わせもしてしまう。
 稽古場は、懸案だったラストシーンの修正をさせてもらいたくて、稽古場の一階下の楽屋で台本にむかう。大門さん、森川くん、それにすっかり演出助手の仕事をやってもらってしまっている竜太郎さんに、セリフの確認をお願いする。
 夜、まみぃが来てくれる。
 5場と6場の稽古。新しく書き加えた部分を中心に。みんなで芝居をつくりあげていく感がおもしろい。
 
 ほんとに久しぶりに二丁目に出る。アイランドとタックスノットへ、ご挨拶をかねて。
 アイランドではラクちゃんと映画の話をあれこれ、タックスノットでは、タックさんに8月の「ムーンリバー」についての相談。こころよくひきうけていただく。感謝。
 終電の2本くらいまえで帰ってくる。電車の中で、とてもほっとした気持ちになる。人と話すことで元気が出る、そんな夜。


2006年04月08日(土) 「ミッシング・ハーフ」稽古

 頭から小返ししながら、稽古していく。昼間から夜までの稽古。
 大門さんが、差し入れで、手作りの牛スジの煮込み(煮卵とこんにゃくとちくわ入り)、それにフランスパンに明太マヨネーズを塗ったものをもってきてくれる。ありがたくいただく。夕方の食事の買い出しに行く時間も打ち合わせにあてて、がんがん稽古する。ごちそうさまでした。
 夜、ノグが来てくれる。舞監の中西さんたちも。転換のだんどりや、小道具の使い勝手についての話をあれこれ。
 やや固かった1場が、はずんだものになったのが、大きな成果。
 2場、3場は、稽古を重ねたというかんじ。3場のラストの段取りを変更する。セリフじゃないところで、大きな山ができた。思わぬ気持ちの変化があったことにおどろく。その動きをていねいに確認する。
 4場の問題は、僕が役者としていい気持ちに哀しくなってしまわないこと。もっと突き放した芝居ができるはず。今日は、その方向を確認する。明日は、もっと先に行けるはず。
 今日は一日中、竜太郎さんに演出助手として仕事をしてもらった。細かいセリフの間違いや、テキレジの記録をどんどんとっていってもらい、稽古の段取りもしきってもらった。ほんとに大助かりだ。ありがとうございます。
 一日稽古のあとは、疲れが足にくる。芝居の稽古をしていて一番つらいのは足だ。この足のつらさに慣れた頃、やってくるのが、初日だ。
 来週のスケジュールを確認して、今日は解散。
 帰りは、記録ドキュメンタリーのビデオを回してくれているクニオさんと一緒に駅まで。西武新宿の駅前で、パトカーと何やらすごい人混みが。何か事件?と思ったが、車が単に一方通行を逆走しただけのことらしかった。何か事件かと思うよね? 歌舞伎町だもの。
 北千住についてから、出かけるときに持って出た傘を稽古場に忘れてきたことに気がつく。今、気がついただけましか?と納得する。


2006年04月07日(金) 宇宙堂新人試演公演「夢坂下って雨が降る」@阿佐ヶ谷アルシェ

 渡辺えり子さんの昔の台本「夢坂下って雨が降る」を宇宙堂の若手劇団員が、自分たちだけの力で上演する。大昔に見た舞台の記憶はかなり曖昧だけれど、印象的な場面がいくつもある、なつかしい舞台。
 アルシェは、この頃、阿佐ヶ谷にいろいろできている劇場たちの中では一番駅に近い。杉嶋さん、土屋さんにご挨拶して、客席へ。土屋さんとならんで見ることになった。
 狭い空間から、文字通りイメージがあふれだすような舞台。かつての3○○(さんじゅうまる)の舞台の盛りだくさんさとわいざつさが、よみがえるよう。この頃大きな劇場での公演が多いえり子さんの戯曲の、かつての寸法がまずなつかしい。そんな狭いところで、なぜそんなに踊る?というような詰め込み方。
 普段知っている劇団のみなさんが、メインの役を思い切りやっているのが、とてもうれしかった。若さとまっすぐさが似合う戯曲に、若い人たちが力一杯とりくんでいてすがすがしい。男女入り乱れての配役で、妖しい女役から、みごとな怪演!と拍手したい人まで、とにかく楽しかった。
 押入と二段ベッドと窓がなくてはいけない設定、それに本水で降る雨までも、妥協することなく、きっちり作り上げている。この頑張り方にも拍手だ。

 一昨日の稽古の帰り、持って出た傘をどこかでなくしたらしい。らしいというのは、どこかという記憶がまったくないからだ。なくしてしまったことよりも、今日までも気がつかなかったということに唖然とする。落ち着いて進められていると思っているのに、じつはそれなりにいっぱいにいっぱいになっているんだという、動かぬ証拠を突きつけられた気分。
 でも、だからといってうろたえることもなく、「なるほどね」と受け止めて先に進む。と思っていたら、持ち歩いているバッグのショルダーヒモの金具がとれてしまった。荷物をいっぱい入れて歩きすぎたせいだ。これにはちょっと弱ってしまう。
 重たいノートパソコンを持ち歩かなければいいのだけれど、ちょこちょこ移動の合間にメモするものが、実は大きかったりする(日記もあらかた書いてしまっている)。
 バッテリーが空になるまで外にいることが多いので、前にいくら充電しても一時間分程度しか充電されないイカれたバッテリーをひっぱりだして、予備に使おうと充電してみた。
 そしたら、なぜかすっかり体力を回復していて、4時間はばっちりというスタミナになっている。なぜかは全くわからないのだけれど、それでも、かなり助かるので、今はこちらをメインで使っている。捨ててしまわないでよかった。


2006年04月06日(木) 日暮里

 朝、庭でウグイスが鳴いている。「ホーホケキョ」まではいかない「ケキョ、ケキョ」だけだけれども、間違いない。窓を開けても姿は見えないが、ご近所をとびまわってしばらく鳴いていた。
 今日は稽古は休み。髪を切ったあと、衣装を探しにいく。久しぶりの日暮里にとりあえず。
 もはや葉桜になってきている谷中の桜を背にして、問屋街を歩く。衣装の店、布地屋さんなど。これというものには出会えず、今日は切り上げることにする。
 駅前の再開発のため、古い街並みがそっくりなくなっていた。「新交通」ができるようで、行き先のよくわからない高架の線路が街のまん中にのびている。
 十代の頃、芝居の稽古を、ずいぶんここでやった。当時、行きつけの飲み屋さんの前を通ったら、20年分年を取った大将が店の中から外を見ていた。ちょっと一杯!と思わないでもなかったけれど、また改めて来ようと思い、帰ってきた。また今度の楽しみにとっておく。
 劇中でタバコを扱うので、久ぶりにタバコを買った。なくても平気だけど、あればなんとなく吸ってしまう。それでも最後まで吸ったことは、実はそんなにないという、いいかげんさだ。
 今日買った一箱がなくなるのはいつだろう? 明後日の稽古のときには、これの残りを使うか、それとも新しい一箱か。どっちだろう。


2006年04月05日(水) 「ミッシング・ハーフ」稽古

 雨の日。雨の日の猫はいつまでも寝ている。僕もつい寝坊。ひさしぶりにまとめて寝たかんじ。
 昨日とはうってかわった寒い朝。いいかげんに毛布だけをかけて寝てしまったので、ちょっと寝冷えをしたんだろうかというような体調。
 でも、朝からばたばたと出かける。一仕事終えて、樺澤氏と電話で打ち合わせ。
 稽古は、大門さんの3人目のキャラクター、甘粕正彦の登場する場面を中心に。
 森川君と大門さんの2人のシーン。細かく演出していく。細かく、そして、ダイナミックに。
 舞監の中西さんたちが、タカツに行って、小道具を確認をして、写真をもってきてくれる。正確な寸法を床にテープでマークしていってくれる。どんどん具体的に見えてくるようで、わくわくする。
 帰り、樺澤氏と打ち合わせ。夜中、竜太郎さんから「上海リル」の候補曲が届く。イメージにかなり近い、いいかんじの曲。時代がみえてくるような。


2006年04月04日(火) 「ミッシング・ハーフ」稽古

 朝早くから、カラスが鳴いている。聞いたことのない鳴き声も聞こえる。窓を開けたら、おとなりの庭木に見慣れない鳥が止まっていた。けっこう大きな鳥。薄紫というかネズミ色の背に、ごま塩模様の腹。あの鳥はなんだろう。
 地下鉄が冷房を始めていた。たしかに、今日は朝からとっても暖かい。
 昨日はとっても寒い風が吹いていたが、嘘のようだ。また季節が一つ先に進んだ。
 稽古は、3場からラストまでの読み合わせ。ようやく最後まで書き上げた台本をまずは読んでみる。 あちこち問題点が見えてきた部分をチェックしながら。
 大門さんが沢村源之助の衣装の候補を持ってきてくれる。あだっぽいもの、粋なもの、華やかなもの。これとこれかな?という2つに候補をしぼりこむ。
 今日は、ノグが稽古場に来てくれた。甘粕正彦の軍服、軍靴についてアドバイスをもらう。
 昨日のアンの稽古場で、あかねちゃんに「森川さんって、チャン・ドンゴンに似てる」と言われたので、彼に伝える。あまりピンとこないようだったけれど、帰りに「タイフーン」のポスターを見かけたら、たしかに横顔が似てるかもしれない。
 新宿西口駅から大江戸線に乗るのが、自宅までの最短距離だ。あんまり縁がないと思っていた電車に毎日お世話になっている。
 夜遅く、樺澤氏と電話で打ち合わせ。もろもろ。


2006年04月03日(月) ラ・カンパニー・アン「罠の狼」顔合わせ

 いい天気の朝。昨日の花ちらしの雨が嘘のような、お花見日和、再び。
 6月に客演するラ・カンパニー・アン「罠の狼」の顔合わせ。
 水木さん、明樹さん、立花さん、清木場さん、それに、初めましての、壇くん、蓉さんとごあいさつ。
 未完の部分を含めて、頭からの読み合わせ。
 僕の出番は3本のオムニバスの最初の一本「エクレア」。相手役は清木場さん。
 明樹さんがいて、清木場さんがいる稽古場というのは、去年のマイズナーのクラスを思い起こさせる。
 読み合わせも、自然、演じるよりも反応していこうという方向で、まずはトライ。
 僕の役は、これまでやったことがない要素がいくつもあって、どうやっていこうかとわくわくしてくる。しばらく稽古はないので、「ミッシング・ハーフ」をきっちり終えて、またこの稽古場へ帰ってきたいと思う。
 時間がきたので、外へ。駅までの道を歩き出したら、呼び止められた。
 この間、富士見丘小学校を卒業したヒトミちゃんだった。びっくり。なんだかとってもなつかしい。少し、おしゃべりをしてみんなに合流。
 駅前のファミレスで軽く食事をして、一足先に失礼してくる。


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